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こち【此方】🔗⭐🔉
こち 【此方】 (代)
(1)近称の指示代名詞。方向を指し示す。こちら。こっち。「こちらへ」の意のときも単に「こち」といい,助詞を伴わない。「日下部(クサカベ)の―の山と/古事記(下)」「―,とのたまふを/源氏(若紫)」「いと興あることかな,―もて来(コ)/堤中納言(虫めづる)」
(2)人代名詞。一人称。私。私ども。「やあやあ,―のことでござるか/狂言・宗論(虎寛本)」「―ワソラウソフイテイテ,アレコソソノ熟柿ヲバ食ベタレトハネカケウズルニ何ノ子細ガアラウゾ/天草本伊曾保」
こち-ら【此方】🔗⭐🔉
こち-ら [0] 【此方】 (代)
(1)近称の指示代名詞。「こっち」より丁寧な言い方。(ア)話し手のいる,あるいはそれに近い方向・方角をさす。この方向。「―を向いて下さい」「鬼さん,―」(イ)ここにある物。「―がお買い得です」(ウ)この場所。「―にございます」「―に来られて何年になりますか」「―は田中さんのお宅でしょうか」
(2)人代名詞。(ア)一人称。相手の側と話し手の側とに分けた上で,後者であることを強く意識していう語。自分の側。当方。「それは―の知ったことではない」「―の言い分はそれだけです」(イ)三人称。かたわらにいる,同等以上の人をさす。このかた。こちらのかた。「―がかねて令名の高い小林先生です」「―,どなた」「―さんを紹介して下さい」
こっ-ち【此方】🔗⭐🔉
こっ-ち [3] 【此方】 (代)
〔「こち」の転〕
(1)近称の指示代名詞。「こちら{(1)}」のくだけた言い方。「―に来る」「―がいい」
(2)「こちら{(2)}」のくだけた言い方。特に,一人称。自分。わたし。また,自分の側。「―は―で勝手にする」「―の負けだ」
こなた【此方】🔗⭐🔉
こなた [1] 【此方】 (代)
□一□指示代名詞。
(1)近称。話し手に近い場所・方向などをさす語。こちら。こちらのほう。「対岸の人々は一斉に―を見ていた」「立上りながら―を振向き/あめりか物語(荷風)」
(2)過去のある時から,現在までの間をさす。以来。このかた。「かしこき御影に別れ奉りにし―,さまざま悲しき事のみ多く侍れば/源氏(明石)」
(3)未来のある時からさかのぼって現在までの間をさす。それより以前。以前。「おのがあらむ―は/源氏(真木柱)」
□二□人代名詞。
(1)一人称。わたし。わたくし。「なう,その衣は―のにて候/謡曲・羽衣」
(2)二人称。敬意をもって相手を呼ぶ語。あなた。「何と仰せられても―のではあるまい/狂言・鈍根草」
(3)三人称。話題・関心の中心になっている人をさす。この人。「かたや小野川,―谷風」「まづ―の心見果てて,とおぼす程に/源氏(夕顔)」
こんた【此方】🔗⭐🔉
こんた 【此方】 (代)
〔「こなた」の転。近世江戸語〕
二人称。お前。あなた。「呑まずと―のその一言でそこいら中がしめつて来るわな/洒落本・道中粋語録」
大辞林に「此方」で完全一致するの検索結果 1-5。