複数辞典一括検索+
鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥(ホトトギス)🔗⭐🔉
鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥(ホトトギス)
機が熟するまで辛抱強く待っていよう,という意。幕末の随筆「甲子(カツシ)夜話」に徳川家康の言葉として見える。織田信長が「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」,豊臣秀吉が「鳴かぬなら鳴かしてみしょう時鳥」といったのを受けた句で,信長の強引さ,秀吉の積極性に対して,家康の忍耐強さを表現した句。
鳴く蝉(セミ)よりも鳴かぬ蛍(ホタル)が身を焦(コ)がす🔗⭐🔉
鳴く蝉(セミ)よりも鳴かぬ蛍(ホタル)が身を焦(コ)がす
むやみに口に出して言う者よりも,言わない者のほうが,かえって心の思いは切実である。
鳴く猫(ネコ)は鼠(ネズミ)を捕(ト)らぬ🔗⭐🔉
鳴く猫(ネコ)は鼠(ネズミ)を捕(ト)らぬ
よくしゃべる者はかえって実行をしないことのたとえ。
なく🔗⭐🔉
なく
〔打ち消しの助動詞「ず」のク語法。上代語〕
(1)「…ないこと」の意を表す。「妹が髪上げ竹葉野(タカハノ)の放れ駒荒びにけらし逢は―思へば/万葉 2652」
(2)文末に用いられて,上の事柄を詠嘆的に打ち消す。…ないことだなあ。「天の川去年(コゾ)の渡り瀬(ゼ)荒れにけり君が来まさむ道の知ら―/万葉 2084」
な・ぐ [1] 【凪ぐ・和ぐ】🔗⭐🔉
な・ぐ [1] 【凪ぐ・和ぐ】
■一■ (動ガ五[四])
〔「薙(ナ)ぐ」と同源か〕
風や波がおさまる。「海が―・ぐ」「風が―・ぐ」
■二■ (動ガ上二)
(1)心が静まる。「我(ア)が心どの―・ぐる日もなし/万葉 4173」
(2)穏やかになる。「雲もなく―・ぎたる朝の我なれや/古今(恋五)」
〔上代は上二段活用,のち四段活用〕
な・ぐ [1] 【薙ぐ】 (動ガ五[四])🔗⭐🔉
な・ぐ [1] 【薙ぐ】 (動ガ五[四])
横にはらって切り倒す。「かまで草を―・ぐ」「打ち物抜いて艫舳にさんざんに―・いでまはる/平家 11」
な・ぐ 【投ぐ】 (動ガ下二)🔗⭐🔉
な・ぐ 【投ぐ】 (動ガ下二)
⇒なげる
なくこ-なす 【泣く子なす】 (枕詞)🔗⭐🔉
なくこ-なす 【泣く子なす】 (枕詞)
泣く子のようにの意で,「慕ふ」「ねのみし泣く」「言(コト)だに問はず」「取りさぐり」にかかる。「つれもなき佐保の山辺に―慕ひ来まして/万葉 460」「―音のみし泣かゆ/万葉 3627」「名を問へど名だにも告(ノ)らず―言だに問はず/万葉 3336」「―行き取り探り梓弓/万葉 3302」
大辞林 ページ 151115。