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ま-し [1] 【麻紙】🔗🔉

ま-し [1] 【麻紙】 麻布または麻の繊維を漉(ス)いて作った紙。古代,貴重な紙とされ,写経や重要文書に用いられた。

まし 【汝】 (代)🔗🔉

まし 【汝】 (代) 〔「いまし」の転〕 二人称。同等またはそれ以下の相手に用いられる。おまえ。「―は,え知らじ/宇津保(俊蔭)」

まし (助動)((ませ)・○・まし・まし・ましか・○)🔗🔉

まし (助動)((ませ)・○・まし・まし・ましか・○) 推量の助動詞。実際はそうでないことを前提にして推量する意を表す。用言および助動詞の未然形に接続する。 (1)(多く「…ませば…まし」「…ましかば…まし」「…せば…まし」などの形で,仮定の条件句を作り,または仮定条件句と呼応して)現実でない事態を想像する意を表す。もし…であったら,…であろう。「悔しかもかく知ら〈ませ〉ばあをによし国内(クヌチ)ことごと見せ〈まし〉ものを/万葉 797」「なほ春のうちなら〈ましか〉ば,いかにをかしから〈まし〉/枕草子 41」「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけから〈まし〉/古今(春上)」「けふ来ずはあすは雪とぞ降りな〈まし〉消えずはありとも花と見〈まし〉や/古今(春上)」 (2)(仮定条件句を伴わないで)現実にない事態を想像し,仮にそのような事態が実現すればよいと望む意を表す。できれば…とよい。できるなら…であってほしい。「見る人もなき山里の桜花ほかの散りなむ後ぞ咲か〈まし〉/古今(春上)」「よろしき親の思ひかしづかむにぞ尋ね出でられ給は〈まし〉/源氏(常夏)」 (3)(疑問の助詞や疑問の語と呼応して)その実現の不確かさを嘆いたり,またその実行を思い迷ったりする意を表す。…だろうかしら。…したらよかろうか。…したものかしら。「なほこれより深き山を求めてや跡絶えな〈まし〉/源氏(明石)」「雪降れば木ごとに花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折ら〈まし〉/古今(冬)」 (4)助動詞「む」とほぼ同じ意味で,単なる推量や意志を表す。中世以降の用法。「行き暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵の主(アルジ)なら〈まし〉/平家 9」「わが身のこと知らぬにはあらねど,すべき方のなければ,知らぬに似たりとぞいは〈まし〉/徒然 134」 〔(1)「まし」は,助動詞「む」を形容詞型活用の語にしたものといわれている。(2)未然形「ませ」は中古以降次第に用いられなくなる。已然形「ましか」は中古に発生したもので,已然形のほかに,未然形にもこの形を認める説もある〕

大辞林 ページ 154712