かい カヒ [0] 【甲斐・詮・効】 その行為に値するだけのしるし。また，それだけの値打ちや効果。せん。「頑張った―があった」「苦労の―がない」 →がい（甲斐）

かい カヒ 【甲斐】 旧国名の一。山梨県全域にあたる。甲州。

かい カヒ 【卵】 たまご。また，そのから。かいご。「―のうちに命こめたる雁の子は/宇津保（藤原君）」

かい カヒ [1] 【貝】 （１）かたい貝殻(カイガラ)をもった軟体動物の総称。二枚貝・巻貝(マキガイ)・角貝(ツノガイ)などを含む。多くは水中にすむ。 （２）貝殻。「―細工」 （３）ほらがい。「―をにはかに吹き出でたるこそ/枕草子 120」 （４）「貝合わせ」の略。「―の御勝負/御湯殿上（文明一九）」

かい カヒ [0][1] 【峡】 〔「交(カ)ひ」と同源〕 山と山との間の狭く細長い土地。「狭き山の―に出でぬ/即興詩人（鴎外）」

かい カヒ 【匙】 〔もと貝殻を用いたところから〕 さじ。「箸(ハシ)・―など，取りまぜて鳴りたる，をかし/枕草子 201」

かい [0] 【粥】 「かゆ」の転。［ヘボン］

かい カヒ [0] 【買い】 （１）買うこと。「安物―」 （２）相場の値上がりを予想して買うこと。 ⇔売り

かい [1] 【櫂】 〔「掻(カ)き」の転〕 （１）船具の名。水をかいて船を進めるのに使う。木製で上半分は丸い棒，水中に入る部分は平らに削ってある。和船用のものは握る側に T 字形の短い柄がある。 （２）醤油・酢などを造る時，樽の中の原料をかきまぜる木製の用具。 （３）家紋の一。{（１）}を組み合わせたもの。三違櫂(ミツチガイカイ)・五違櫂など。

かい クワイ 【回】 ■一■ [1] （名） ある事柄を反復して行う時の一つのまとまり。「―を重ねる」 ■二■ （接尾） 助数詞。数または順序に関する語に付いて，度数・順序を数えるのに用いられる。「五―」

かい クワイ [1] 【会】 （１）一定の目的をもって人々が集まること。また，その集まり。集会。会合。「―を開く」 （２）目的や趣味・学問などを同じくする人々が組織する団体・組織。「野鳥の―」

かい クワイ [1] 【快】 （名・形動）[文]ナリ 気持ちがよい・こと（さま）。「―をむさぼる」「―なるかな」

かい [1] 【戒】 （１）いましめ。訓戒。 （２）漢文の文体の一。訓戒を目的としたもの。 （３）〔梵 la〕 仏教の信者が守るべき行動の規範。戒律。禁戒。

かい クワイ [1] 【怪】 ふしぎなこと。あやしいこと。「山荘の―」

かい [1] 【界】 （１）生物を分類する際の最高次の区分。動物界と植物界などに分ける。 （２）地質時代を区分する時の「代」に相当する期間に堆積した地層。例えば古生代に堆積した地層は古生界という。 （３）さかい。区画。

かい 【害】 〔漢音〕 妨げ。支障。災い。「お身の―とも成る時は/浄瑠璃・反魂香」

かい 【階】 ■一■ [1] （名） （１）多層の建築物のひとつの層。「上の―」 （２）地質時代を区分する時の「期」に相当する期間に堆積した地層。 （３）官位。等級。「―越えて学士の右大弁三位になる/宇津保（国譲下）」 （４）階段。きざはし。 ■二■ （接尾） 助数詞。 （１）建築物の層を数えるのに用いる。「二―建て」 （２）位階の等級を数えるのに用いる。「一―越えて，ないしのかみ三位の加階し給ふ/宇津保（蔵開下）」

かい [1] 【楷】 漢字の書体の一。楷書。

かい [1] 【解】 （１）説明。解釈。 （２）〔数〕 〔solution〕 方程式を成り立たせる未知数の値（根）。不等式を成立させる未知数の値，またそのような値全体の集合。または，微分方程式などを満足する関数。 （３）与えられた問題の答え。 （４）漢文の文体の一。疑惑や非難にこたえることを目的としたもの。

かい クワイ [1] 【魁】 さきがけ。先鞭(センベン)。「時代の―となす」

か-い ― [1] 【下位】 （１）地位や順位などが低いこと。「―の力士」 （２）〔論〕 ある概念が他の概念に包括される関係にあること。例えば，「動物」に対する「人間」。 ⇔上位

か-い [1] 【下意】 しもじもの者の意思。大衆の考え・意見。民意。 ⇔上意 「―上達」

か-い クワ [1] 【果位】 円満具足した仏果の位。 ⇔因位 「無上の―にのぼらせたまふ釈迦だにも/咄本・醒睡笑」

か-い クワ― [1] 【華夷】 〔「華」は中国，「夷」はえびす〕 中国と外国。また，開けた国と後れた国。

か-い [1] 【歌意】 歌の意味。「―を説く」

カイ [1] chi; Χ ・ χ ⇒キー

かい クワイ 【隗】 ⇒郭隗(カクカイ)

かい （終助） 〔終助詞「か」に終助詞「い」が付いてできたもの〕 文末に付いて，質問・反問の意を強める。か。「入ってもいいです―」「そんなことあるもん―」 〔近世以降，話し言葉に用いられた語〕

かい 【掻い】 （接頭） 〔「かき」の転〕 動詞に付いて語勢を強め，また語調を整える。「―くぐる」「―つまむ」

かい-あお・る カヒアフル 【買い煽る】 （動ラ五［四］） 相場をつり上げるために株や商品を買い続ける。

かい-あく [0] 【改悪】 （名）スル 物事を改めて，かえって前よりも悪くすること。 ⇔改善 「憲法の―」

かい-あく クワイ― [0] 【壊悪】 道徳・秩序などが乱れてよくないこと。「風俗の―を救正する能はず/明六雑誌 30」

かい-あげ カヒ― [0] 【買(い)上げ】 （１）官公庁などが，民間から物を買い上げること。 （２）（「お買い上げ」の形で）相手が買ってくれることを敬っていう語。「お―の品」

かいあげ-しょうかん カヒ―シヤウクワン [5] 【買上償還】 「買入消却(カイイレシヨウキヤク){（１）}」に同じ。

かいあげ-まい カヒ― [0] 【買上米】 政府が民間から買い上げる米。

かい-あ・げる カヒ― [4] 【買(い)上げる】 （動ガ下一）[文]ガ下二 かひあ・ぐ （１）官公庁などが民間から物を買う。地位や権力のある者が下の者から買う。「政府が米を―・げる」 （２）全部買う。買い尽くす。「所々の魚の棚に―・げて/浮世草子・胸算用 1」

かい-あさ・る カヒ― [4] 【買い漁る】 （動ラ五［四］） 探し回ってたくさん買う。買い集める。「古書を―・る」

かい-あわせ カヒアハセ [3] 【貝合(わ)せ】 （１）平安時代の物合わせの一種。左右二組に分かれ，それぞれ貝を出して合わせ，その形・色・大きさ・珍しさなどの優劣を争う遊戯。「この姫君と上との御方の姫君と―せさせ給はむとて/堤中納言（貝あはせ）」 （２）平安末期から起こった遊戯。三六○個の蛤(ハマグリ)の貝殻を両片に分かち，一片を地貝(ジガイ)，一片を出貝(ダシガイ)といい，地貝はすべて甲を上にして伏せ，これに出貝を一個ずつ出して合わせ，対になる貝を多く合わせ取った者を勝ちとした遊戯。後世，合わせる便宜上，貝の裏に絵や歌を書いた。かいおおい。

かい-あん [0] 【改案】 案を改めること。また，改めた案。

かいあん クワイアン 【槐安】 「槐安国(カイアンコク)」に同じ。

かいあん-こく クワイアン― 【槐安国】 中国，唐の李公佐(リコウサ)の小説「南柯記(ナンカキ)」に描かれた国。主人公淳于(ジユンウフン)が槐(エンジユ)の木の下で夢に遊び栄華を極める国。その実は蟻の国。 →南柯の夢

かいあん-の-ゆめ クワイアン― 【槐安の夢】 ⇒南柯(ナンカ)の夢(ユメ)

かい-い [1] 【介意】 （名）スル 気にかけること。懸念すること。「彼は平然として更に―せぬが特色である/罪と罰（魯庵）」

かい-い クワイ― [1] 【会意】 漢字の六書(リクシヨ)の一。二字以上の漢字を組み合わせ，同時にそれぞれの意味をも合わせて一字の漢字とすること。「日」と「月」を合わせて「明」とし，「車」を三つ合わせて「轟」とするなど。

かいい-もじ クワイ― [4] 【会意文字】 二字以上の漢字の字形・意味を合わせて作られた漢字。

かい-い クワイ― [1] 【快意】 心地よいこと。よい気持ち。「妾の精神却て蘇回するの―を覚ゆ/花柳春話（純一郎）」

かい-い クワイ [1][0] 【乖違】 （名）スル そむきたがうこと。「真正の人道に―する謬想(ビユウソウ)/復活（魯庵）」

かい-い クワイ― [1] 【怪異】 （名・形動）[文]ナリ （１）あやしいこと。不思議なこと。また，そのさま。「―な現象」 （２）ばけもの。妖怪。

かい-い ― [1] 【海尉】 海上自衛隊の自衛官の階級名。海佐の下，准海尉の上。一・二・三等に分かれる。

かい-い ― [1] 【階位】 官位の等級。階級。位階。

かい-い [1] 【解頤】 〔「頤(オトガイ)を解(ト)く」の意〕 あごがはずれるほど大口をあけて笑うこと。

かい-い クワイ [1] 【槐位】 三公（大臣）の位。槐門。 →槐棘(カイキヨク)

かい-い クワイ [1] 【魁偉】 （名・形動）[文]ナリ 体格や顔つきが人並みはずれて大きく，立派である・こと（さま）。「容貌―」「貌きはめて―なるは/文づかひ（鴎外）」 [派生] ――さ（名）

かい・い [2] 【痒い】 （形） 「かゆい」の転。「頭が―・い」

かい-いき ―キ [0] 【海域】 ある区切られた範囲内の海面。「バーミューダ―」

かい-いし カヒ― [1][2] 【貝石】 （１）貝殻の化石となったもの。 （２）貝殻の付着した石。

かい-いしばい カヒイシバヒ [4] 【貝石灰】 牡蠣(カキ)の殻を焼いてつくった灰。石炭の代わりに用いる。かきがらばい。かきばい。

かい-いぬ カヒ― [1] 【甲斐犬】 イヌの一品種。山梨県（甲斐国）原産。体高45〜55センチメートル。硬めでまっすぐな上毛と綿状の下毛をもつ。猟犬として用いられる。天然記念物。

かい-いぬ カヒ― [0][1] 【飼(い)犬】 人が飼っている犬。

かい-いれ カヒ― [0] 【買(い)入れ】 買い入れること。仕入れ。

かいいれ-げんか カヒ― [5] 【買入原価】 商品を買い入れた時の値段。仕入れ値段。買い入れ値段。元値。買値。

かいいれ-しょうかん カヒ―シヤウクワン [5] 【買入償還】 「買入消却{（１）}」に同じ。

かいいれ-しょうきゃく カヒ―セウ― [5] 【買入消却】 （１）債券（国債・社債など）の償還方法の一。償還期限以前に債券を市中から買い入れて消却すること。買入償還。買上償還。 （２）減資の方法の一。市場から自己の発行した株式を買い入れて消却すること。

かい-い・れる カヒ― [4] 【買(い)入れる】 （動ラ下一）[文]ラ下二 かひい・る 代金を支払って，品物を自分のものにする。「日用品を―・れる」「組合で一括して―・れる」

かい-いん クワイン [0] 【会員】 会を構成しているひと。会に加入している人。「―組織」「―章」「名誉―」

かい-いん クワイ― [0] 【会飲】 （名）スル 人と会って，酒を飲むこと。

かい-いん [0] 【改印】 （名）スル 別の印鑑に変えること。特に，届け出ていた印鑑を変えること。「―届」

かい-いん [0] 【拐引】 （名）スル 人をだまして，他所に連れて行くこと。かどわかすこと。誘拐。

かい-いん [0] 【海印】 〔仏〕 海が万物を映すように，仏の智慧(チエ)の海に一切の事物が映し出されること。

かいいん-ざんまい [5] 【海印三昧】 〔仏〕 釈迦が華厳経を説く時に入った禅定(ゼンジヨウ)。静かな海面に四方一切のものが映るように，煩悩や妄想のない仏の心鏡に，万象すべてが映ること。海印定。大海印三昧。

かい-いん ―ン [0] 【海員】 船舶で，船長以外の乗組員。 →船員

かい-いん ―ン [0] 【開院】 （名）スル （１）病院など「院」とつく名称の機関・施設を新設して，業務を始めること。 （２）病院などがその日の業務を始めること。 （３）旧憲法で，国会が始まること。 ⇔閉院

かいいん-しき ―ン― [3] 【開院式】 帝国議会の開会の儀式。議会開会の日，貴族院議員および衆議院議員が貴族院に集合して行なった。現在では開会式という。

かい-いん クワイ― [0] 【誨淫】 みだらなことを教えること。

かいいん-じ 【海印寺】 （１）韓国南部，慶尚南道伽山(カヤサン)にある寺。通度寺・松広寺とともに，韓国三大寺の一。802年新羅(シラギ)哀荘王代に創建。高麗版大蔵経の印板を所蔵。 （２）京都府長岡京市にある寺。もと華厳宗に属していたが，江戸時代に真言宗に転宗。819年道雄の開基。応仁の乱後，荒廃して現在は寂照院を残すのみ。木上(コノカミ)山寂照院。

かい-う クワイ― [1] 【快雨】 気分がさわやかになるような雨。

かい-う クワイ― [1] 【怪雨】 竜巻などによってまきあげられた草・魚・虫・土などが，雨とともに降ってくる現象。あやしのあめ。［和漢三才図会］

かい-う [1] 【海宇】 〔「宇」は天地四方の意〕 一国内。国中。海内(カイダイ)。

かい-う [1] 【海芋】 植物，カラーの別名。[季]夏。

かい-うけ カヒ― [0] 【買(い)受け】 買い受けること。 ⇔売り渡し

かいうけ-しょう カヒ― [0][4] 【買受証】 買い主側から売り主に渡す売買契約証。

かい-う・ける カヒ― [4] 【買(い)受ける】 （動カ下一）[文]カ下二 かひう・く 買って引き取る。買い取る。「知人から―・けた名画」

かい【階】 stairs (階段);[建物の層]<米>a story[<英>storey];→英和 a floor.→英和 ‖一階<米>the first floor[story];<英>the ground floor.二階<米>the second floor[story];<英>the first floor.二階建の家 a two-story[-storied]house.

かい【貝】 a shellfish;→英和 a shell (貝がら).→英和

かい【櫂】 an oar;→英和 a paddle (へら状の).→英和

かい【会】 (1) a meeting (集会);→英和 a party (社交的な).→英和 (2) a society (団体);→英和 an association (協会).→英和

かい【回】 a time (度数);→英和 a round (競技);→英和 an inning (野球).→英和 1回 once.→英和 2回 two times;twice.→英和 3回 three times.

かい【甲斐がある】 be worth while;be worth.〜がない be useless;be in vain.⇒効果.

かい【下位】 a subordinate position.〜の subordinate;→英和 low-ranking.‖下位区分 a subdivision.下位分類 a subclass.

かいあく【改悪】 a change for the worse.→英和 〜する change a thing for the worse.

かいあげ【買上げ】 purchase;→英和 procurement.→英和 買上げ価格 the (government's) purchasing price.

かいあげる【買い上げる】 purchase;→英和 buy.→英和

かいあさる【買い漁る】 hunt.→英和

かいい【怪異】 (a) mystery.→英和 〜な strange;→英和 mysterious.→英和

かいい【海尉】 [海上自衛隊]　‖一等海尉 a lieutenant.二等海尉 a lieutenant junior grade.三等海尉 an ensign.

かいいぬ【飼犬】 a house[pet]dog.〜に手をかまれる be double-crossed by one's trusted follower(比喩的).

かいいれ【買入れ】 purchase.→英和 買入れ原価 the purchase price.

かいいん【会員】 a member;→英和 membership (総称).→英和 〜になる become a member;join.→英和 ‖会員章(証，名簿) a membership badge (card,list).正(準，名誉)会員 a full (an associate,an honorary) member.会員制 a membership system.

かいいん【海員】 a seaman;→英和 a sailor.→英和 〜になる go to sea.