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もの🔗🔉

もの [接助]口語では活用語の終止形、文語では活用語の連体形に付く。順接の確定条件を表す。…(だ)から。…ので。「ゆくゆくは社長となる人です―、しっかりしているわ」「彼は努力家だ―、きっと成功する」「わしもこなさんの女房ぢゃ―、何の忠儀を忘れませうぞ」〈伎・幼稚子敵討〉[終助]活用語の終止形に付く。多く「だって」「でも」と呼応して用いる。現代では多く女性や子供の間で使われるが、時に撥音化して「もん」となることもある。不平・不満・恨みの意を込めながら、相手の自分に対する非難に対し、根拠や理由を示し、反駁(はんばく)、訴え、甘えなどの気持ちを表す。「だって時間がないんです―」「でもお父さんがそうおっしゃったんです―」(「ものね」「ものな」などの形で)詠嘆の意をこめて理由を表す。「でもあなたと私とでは考え方も違います―ね」「なるほど、それは彼のお得意だ―な」文末で、活用語の連体形に付く。逆接的な気持ちを込めて詠嘆する意を表す。…のになあ。…のだがなあ。「我が持てる三つあひに搓(よ)れる糸もちて付けてまし―今そ悔やしき」〈万・五一六〉順接の確定条件を含み、詠嘆・感動の意を表す。…だからなあ。「もっともぢゃ、もっともぢゃ、道具屋の娘ぢゃ―と」〈浄・卯月の潤色〉◆上代の「もの」は形式名詞から、近世以後の「もの」は終助詞「ものを」の音変化したものという。

もの‐あい【物間】‐あひ🔗🔉

もの‐あい【物間】‐あひ 物と物との間。また、その距離。「障子の隙間(すきま)―のそよともするを」〈謡・熊坂〉

大辞泉 ページ 14900