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くだり‐さつま【下り×薩摩】🔗🔉

くだり‐さつま【下り×薩摩】 《一七世紀中ごろに、外記節(げきぶし)の創始者、薩摩外記が京都から江戸に下って語りはじめたところから》外記節の通称。

くだり‐ざま【下り様】🔗🔉

くだり‐ざま【下り様】 物事が悪い方へ向かっていくようす。「かれ悪事を思ふは―の事なれば」〈発心集〉

くだり‐づき【降り月】🔗🔉

くだり‐づき【降り月】 陰暦の十八夜ごろから二十一、二夜ごろまでの、満月を過ぎてしだいに欠けていく月。《季 秋》(のぼ)り月。

くだり‐て【下り手】🔗🔉

くだり‐て【下り手】 細工の粗末な品物。安物。「―の片し目貫(めぬき)」〈浮・五人女・二〉

くだり‐ばら【下り腹】🔗🔉

くだり‐ばら【下り腹】 《「くだりはら」とも》下痢をしていること。下痢。

くだり‐ぶね【下り船】🔗🔉

くだり‐ぶね【下り船】 川を下っていく船。江戸時代、上方(かみがた)から地方へ行く船。「―の船頭宿願して、順風をこふ」〈咄・醒睡笑・六〉伏見から大坂へ下る乗り合いの三十石船。「伏見の京橋に至りけるに、…―の人を集むる船頭の声々やかましく」〈滑・膝栗毛・六〉

くだり‐むね【降り棟】🔗🔉

くだり‐むね【降り棟】 大棟から、屋根の流れに沿い、軒先に向かって降ろした棟。

くだり‐やくしゃ【下り役者】🔗🔉

くだり‐やくしゃ【下り役者】 上方(かみがた)の役者で、江戸の劇場に出演するために下ってきた者。「例年霜月一日を顔見世と定め、―地ばえの子供思ひ思ひに」〈浮・元禄大平記・八〉

くだり‐やな【下り×梁】🔗🔉

くだり‐やな【下り×梁】 下り鮎(あゆ)を捕らえるために仕掛ける梁。《季 秋》「行く秋のところどころや―/蕪村」

くだり‐ゆ・く【下り行く】🔗🔉

くだり‐ゆ・く【下り行く】 [動カ五(四)]坂道などを下っていく。また、都から地方へ行く。世の中が末となっていく。おとろえていく。「―・く運は誰が導きの薄命道」〈一葉・やみ夜〉

くだり‐れっしゃ【下り列車】🔗🔉

くだり‐れっしゃ【下り列車】 その線区で下り方向に走る列車。くだり。(のぼ)り列車。

くだ・る【下る・降る】🔗🔉

くだ・る【下る・降る】 [動ラ五(四)]上から下へ、高いところから低いところへ移る。のぼる。下方へ向かって移動する。おりる。「坂を―・る」川下の方へ進む。「船で川を―・る」中央から地方へ行く。「東海道を―・る」のぼる。《内裏が都の北にあったところから》京都の中で南に行く。(「野(や)にくだる」の形で)官職をやめる。公の職務を離れて民間人になる。また、野党の立場になる。(「獄(ごく)にくだる」の形で)牢獄に入って刑に服する。「魚玄機が人を殺して獄に―・った」〈鴎外・魚玄機〉高い地位の人から下げ渡される。下賜される。「恩賜金が―・る」判断や命令などが言い渡される。「判決が―・る」「辞令が―・る」時、時代が移る。後世になる。「―・って明治の御世(みよ)になる」(ふつう「降る」と書く)負けて降伏する。「敵の軍門に―・る」(多く打消しの語を伴って用いる)ある基準の数値・数量よりも下になる。下回る。「犠牲者は一千人を―・らないだろう」程度・価値などが劣る。「数段―・る」「品が―・る」「是れより―・っては、背皺(せしわ)よると枕詞の付く『スコッチ』の背広」〈二葉亭・浮雲〉薬などの作用によって体外へ出る。「虫が―・る」(「瀉る」とも書く)下痢をする。「腹が―・る」涙が流れ出る。「声涙ともに―・る」「猿(さる)を聞(きき)て実(じつ)に―・る三声のなみだ」〈曠野〉雨などが降る。「雨、昨日(きのふ)の夕べより―・り」〈かげろふ・下〉場所が低い状態である。「ひんがしの廂(ひさし)の―・りたるかたに」〈源・椎本〉へりくだる。謙遜する。「大人(うし)の―・り給ふこと甚し」〈読・雨月・吉備津の釜〉→下(お)りる[用法] [可能]くだれる [下接句]軍門に降(くだ)る・陣門に降る・声涙倶(とも)に下る・腹が下る・野(や)に下る

大辞泉 ページ 4327