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ところ【所・△処】🔗🔉

ところ【所・処】 [名]空間的な場所。人や物が存在する場所。住んでいる場所。住所。住居。「お―とお名前を教えてください」その地域。地方。「―の人に尋ねる」連体修飾語によって限定される場所。「県庁のある―」抽象的な場所。場面。範囲。多く、連体修飾語によって限定される場所や部分をいう。ふさわしい地位や立場。「職場で―を得る」その人の所属している組織や集団。「知り合いの―に発注する」部分。箇所。点。「悪い―を直す」「粋な―のある人だ」場面。局面。「今の―おとなしい」「今日の―は許してやろう」ちょうどその所。場合。際。おり。「さっき着いた―だ」事柄。内容。こと。「思う―あって辞任する」「自分の信じる―を貫く」範囲。程度。「調べた―では、そんな事実はない」「歩いて三〇分といった―かな」(数量を表す語に格助詞「が」が付いた形を受けて)だいたいの程度を表す。「一〇分が―遅れた」「一万円が―借りている」(「どころ」の形で)名詞に付いて、それが名産となっている地域を表す。「米―」「茶―」動詞の連用形に付いて、その動作の行われる場所や部分、またその対象となる部分をいう。「うわさの出―」「つかみ―のない人」動詞の連用形に付いて、その動作をするのによい場所や部分、そうすべき場所や部分をいう。「ごみの捨て―」「見―のある新人」「心のより―」名詞や形容詞・形容動詞の語幹に付いて、それにあてはまる人々の意を表す。「中堅―が脇を固める」「きれい―を集める」《漢文の、受身を表す「所」の訓読から。「…ところとなる」の形で》前に置かれた語句が示す行為の対象であることを表す。「世人の称賛する―となった」《西洋語の関係代名詞の翻訳から、格助詞「の」を介して、体言またはそれに準じるものを修飾して》連体修飾語の役割をする。多く翻訳調の文章に用いられる。「世に知られている―の画家」「かつて訪れた―の屋敷」(「…したところ」の形で接続助詞的に用いて)上述した内容を条件として文を続ける。順接にも逆接にも用いる。「訪ねた―、不在だった」「依頼した―、断られた」「蔵人所(くろうどどころ)」「武者所(むしやどころ)」などの略。〔接尾〕助数詞。場所や箇所などを数えるのに用いる。「傷口を三―も縫った」貴人の人数を数えるのに用いる。「女御子たちふた―この御腹におはしませど」〈源・桐壺〉 [下接句]帰する所・此処(ここ)の所・十指の指す所・十目(じゆうもく)の視(み)る所十手(じつしゆ)の指す所・早い所・日没する処(ところ)

ところ【野=老】🔗🔉

ところ【野老】 ヤマノイモ科の蔓性(つるせい)の多年草。原野に自生。葉は心臓形で先がとがり、互生する。雌雄異株。夏、淡緑色の小花を穂状につける。根茎にひげ根が多く、これを老人のひげにたとえて野老(やろう)とよび、正月の飾りに用い長寿を祝う。根茎をあく抜きして食用にすることもある。おにどころ。《季 新年》「―うり声大原の里びたり/其角」

ところ‐あて【所×宛・所充て】🔗🔉

ところ‐あて【所×宛・所充て】 平安中期から鎌倉時代、諸官司や諸官寺の別当を任命して職務・行事の担当をきめたこと。

ところ‐あらわし【所△顕し】‐あらはし🔗🔉

ところ‐あらわし【所顕し】‐あらはし 《女の家の所在地を顕す意》平安時代、結婚の成立を披露する宴。男が女のもとに通い始めて数日後に、女の家で婿とその従者をもてなし、舅と婿が対面した。「四五日ありてぞ御―ありける」〈栄花・ゆふしで〉

ところえ‐がお【所得顔】‐がほ🔗🔉

ところえ‐がお【所得顔】‐がほ [名・形動]よい地位や境遇を得て満足した顔つき。また、そのさま。得意顔。「―に振る舞う」

ところが🔗🔉

ところが [接]《接続助詞「ところが」から》前の事柄から予想されるものと相反する内容を導く。そうであるのに。しかるに。「評判はあまりよくなかったんだ。―見ると聞くとでは大違いだったよ」

ところが🔗🔉

ところが [接助]《形式名詞「ところ」+格助詞「が」から》過去の助動詞「た」の終止形に付く。前述の事柄を受けて、それがきっかけとなってある事実を確認したりある事態が生じたりする意を表す。…てみると。ところ。「友人を訪ねた―、うまい具合に在宅だった」「狸の囃子(はやし)があると咄(はなし)をしだした―、女連も茶屋の婆さんもずいぶん請けやしたが」〈滑・八笑人・五〉逆接の仮定条件を表す。多く、前述の事柄を受けて好ましくない結果を予想するときに用いる。…としても。ところで。「頼んだ―色よい返事は期待できない」「七円五十銭の家賃の主人なんざあ、主人にした―見事な主人じゃない」〈漱石・琴のそら音〉◆「ところが」は近世後期以降用いられた。は現代語では「ところで」を用いるのが普通。

ところ‐がえ【所替え】‐がへ🔗🔉

ところ‐がえ【所替え】‐がへ [名]スル場所を他にかえること。「年内に事務所を―する」武家時代、大名・小名の領地を他に移しかえたこと。移封(いほう)。転封。国替え。

ところ‐がき【所書(き)】🔗🔉

ところ‐がき【所書(き)】 紙などに住所を書きつけること。また、その書いた住所。「―を頼りに居所をさがす」

ところ‐がまえ【所構え】‐がまへ🔗🔉

ところ‐がまえ【所構え】‐がまへ 所払い

ところ‐がら【所柄】🔗🔉

ところ‐がら【所柄】 その場所の性質。場所柄。「―をわきまえた服装」「―魚がうまい」

ところ‐ことば【所言葉】🔗🔉

ところ‐ことば【所言葉】 その土地の言葉。方言。「異名を―にて杓(しやく)と言へり」〈浮・一代男・三〉

ところ‐ざけ【所酒】🔗🔉

ところ‐ざけ【所酒】 その土地でつくられる酒。地酒(じざけ)。「―の辛口」〈浮・永代蔵・一〉

ところざわ【所沢】ところざは🔗🔉

ところざわ【所沢】ところざは 埼玉県南部の市。南西に狭山丘陵が広がり、狭山湖(山口貯水池)や西武園遊園地・球場・競輪場などがある。人口三一・二万。

ところ‐じち【所質】🔗🔉

ところ‐じち【所質】 中世の質取り行為の一。債権者が債務の支払いを求めて、債務者の属する組織体の成員やその動産を私的に差し押さえること。

ところ‐じまん【所自慢】🔗🔉

ところ‐じまん【所自慢】 自分の故郷や、現在住んでいる所を自慢すること。

ところ‐ずら【野=老×葛】‐づら🔗🔉

ところ‐ずら【野×葛】‐づら [名]トコロの古名。「稲幹(いながら)に這ひ廻(もとほ)ろふ―」〈記・中・歌謡〉〔枕〕同音の繰り返しで「常(とこ)しく」にかかる。「―いや常しくに我かへり見む」〈万・一一三三〉芋を掘るとき、つるをたどるところから、「尋(と)め行く」にかかる。「懸(か)け佩(は)きの小大刀(をだち)取り佩き―尋め行きければ」〈万・一八〇九〉

ところせき‐な・し【所△狭きなし】🔗🔉

ところせき‐な・し【所狭きなし】 [形ク]《「なし」は形容詞をつくる接尾語》余す所がない。「金比羅の祭りに、余多(あまた)の見物、讚岐円座の―・く」〈浮・二十不孝・五〉

ところ‐せ・し【所△狭し】🔗🔉

ところ‐せ・し【所狭し】 [形ク]場所が狭い。いっぱいで余地がない。「小さき屋ども作り集めて奉り給へるを、―・きまで遊び広げ給へり」〈源・紅葉賀〉堂々としている。「さるおほのかなるものは、―・くやあらむ」〈枕・九七〉気づまりである。窮屈である。「かくよろづに―・き身を」〈狭衣・一〉取り扱いにくい。やっかいである。「箏(さう)の琴は中の細緒の堪へがたきこそ―・けれ」〈源・紅葉賀〉

ところ‐せま・い【所狭い】🔗🔉

ところ‐せま・い【所狭い】 [形]ところせま・し[ク]場所がせまい。せまくて窮屈である。「―・く人が立ち並ぶ」「―・しと雑誌を広げる」

ところ‐そだち【所育ち】🔗🔉

ところ‐そだち【所育ち】 その土地に生まれ育つこと。また、その人。「―も物紛れして」〈浮・一代男・四〉

ところ‐たがえ【所△違へ】‐たがへ🔗🔉

ところ‐たがえ【所違へ】‐たがへ ある場所と他の場所をまちがえること。「―などならば、おのづからまた言ひに来なむ」〈枕・二七七〉

ところで🔗🔉

ところで [接]《接続助詞「ところで」から》いったん言葉を切って、話題を変えるとき用いる。ときに。それはそれとして。「―あなたはどうします」それで。ゆえに。「其のくじに一くじが出たぞ。―臣下共が、今年ばかり代を御もちあらうかと」〈蒙求抄・一〉けれども。だが。「こなたへは参り候ふまいといふぞ。―三度まで行かれたぞ」〈蒙求抄・一〉

ところで🔗🔉

ところで [接助]《形式名詞「ところ」+格助詞「で」から》過去の助動詞「た」の終止形に付く。ある事態が起こっても、何もならないか、または、好ましくない状態をひき起こすことを予想させる意を表す。…しても。…たとしても。「警告を発した―聞き入れはすまい」「たとえ勝った―後味の悪い試合だ」◆「ところで」は中世後期以降用いられ、初めは順接の確定条件を表した。「人多い―見失うた」〈虎明狂・二九十八〉。近世後期になって、逆接の確定または仮定条件が生まれた。近代以降は、もっぱら逆接の意にのみ用いられ、「ところが」の領域をも占めるようになった。現代語では、「たとえ」「よし」「よしんば」などの副詞と呼応して用いられることが多い。

ところ‐てん【心=太・瓊=脂】🔗🔉

ところ‐てん【心太・瓊脂】 海藻のテングサを煮て寒天質をこし、型に流し込んで冷やし固めた食品。ところてん突きで突き出してひも状にし、酢醤油・二杯酢などをかけて食べる。夏の味覚とされる。《季 夏》

ところてん‐ぐさ【心=太草】🔗🔉

ところてん‐ぐさ【心太草】 テングサの別名。

ところてん‐しき【心=太式】🔗🔉

ところてん‐しき【心太式】 ところてん突きで突き出されるように押されて自然に先へ進むこと。また、そういう方式。「―に大学に進む」

ところてん‐つき【心=太突き】🔗🔉

ところてん‐つき【心太突き】 ところてんを細く突き出すための用具。長方形の箱型の筒で、一端に格子の網目があり、もう一端からところてんを入れて棒で突く。てんつき。

ところ‐どう【所×籐】🔗🔉

ところ‐どう【所×籐】 所々に籐を巻いた弓。

ところ‐どころ【所所・△処△処】🔗🔉

ところ‐どころ【所所・処】 あちらこちら。あちこち。「―に支店をつくる」「―誤りのある文章」「人々」の敬称。かたがた。「ここかしこにうち忍びて通ひ給ふ―は」〈源・葵〉

ところ‐な・し【所無し】🔗🔉

ところ‐な・し【所無し】 [形ク]人や物が密集して空いた所がない。すきまがない。「一条の大路、―・くむくつけきまで騒ぎたり」〈源・葵〉

ところ‐ならわし【所習はし】‐ならはし🔗🔉

ところ‐ならわし【所習はし】‐ならはし その土地の風習。「頭つきは―にして後ろ下がりに髪先短く」〈浮・五人女・五〉

ところに🔗🔉

ところに [接]《接続助詞「ところに」から》ちょうどその時に。そこで。「国をかけ落ちしましてござんす。―源五兵衛にめぐりあひましてござんす」〈伎・幼稚子敵討〉ところが。しかるに。「拙者儀は旦那のお気に入り。―お前方のお祝ひの酒を食ひ過ごし、御勘気を請けて」〈伎・幼稚子敵討〉

ところに🔗🔉

ところに [接助]逆接の意を表す。…けれども。「身に逢うたらば、悦ばう―、かへって手向ひするは何事ぞ」〈伎・なぐさみ曾我〉順接の意や単純な接続を表す。「イソポ風呂ニ行ッテミル―、ソノ風呂屋ノ前ニスルドナ石ガ一ツ出テアッタガ」〈天草本伊曾保・イソポが生涯〉

ところ‐の‐しゅう【所の衆】🔗🔉

ところ‐の‐しゅう【所の衆】 平安時代、蔵人所(くろうどどころ)に属して雑事をつとめた者。六位の者の中から選ぶ。衆。

ところ‐の‐もの【所の物】🔗🔉

ところ‐の‐もの【所の物】 その土地の産物。

ところ‐ばらい【所払い】‐ばらひ🔗🔉

ところ‐ばらい【所払い】‐ばらひ 江戸時代の刑罰の一。居住の町村から追放し、立ち入りを禁止するもの。所構え。

ところ‐ばんち【所番地】🔗🔉

ところ‐ばんち【所番地】 居住地などの地名と番地。

ところ‐へ🔗🔉

ところ‐へ [接]接続詞「ところに」に同じ。「又心配になる。―野々宮から電報が来た」〈漱石・三四郎〉〔連語〕(「…たところへ」「…ているところへ」などの形で接続助詞的に用いて)ある事態になったその時に、または、ある事態になっている時に、別の事態が引き続き起こる意を表す。「私が席に着いた―彼が入ってきた」「寝ている―電話がかかった」

ところ‐まだら【所×斑】🔗🔉

ところ‐まだら【所×斑】 [名・形動]所々まだらでむらのあること。また、そのさま。「貧相な顔に―な厚化粧をして」〈志賀・真鶴〉所々を省略すること。また、そのさま。「―に言ひきかせければ」〈咄・醒睡笑・五〉

ところを🔗🔉

ところを [接助]《形式名詞「ところ」+格助詞「を」から》通常のやり方や予期・予定などに反することを行う意を表す。本当なら…のに。「こちらから行くべき―来ていただく」「縦に並べる―横にする」

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[音]ショ    ソ [訓]ところ    ばかり [部首]斤 [総画数]8 [コード]区点    2974      JIS   3D6A      S‐JIS 8F8A [分類]常用漢字 [難読語] →あいた‐どころ【朝所】あいたん‐どころ【朝所】あ‐こ【彼処・彼所】あし‐こ【彼処・彼所】あした‐どころ【朝所】あす‐こ【彼処・彼所】あそ‐こ【彼処・彼所】アンジョ【ポルトガルanjo】いわ‐ゆる【所謂】うがん‐じゅ【拝所】え‐どころ【絵所・画所】おお‐どこ【大所】か‐しょ【箇所・個所】かや‐と【茅戸・萱所】くま‐と【隈所・隈処】こ‐こ【此処・此所・此・是・爰・茲】ごしょ‐ざま【御所方】ごせ【御所】さい‐しょ【税所・済所】しょう‐とく【所得】しょ‐しき【所職】ずしょ‐ひろさと【調所広郷】せ‐い【所為】ぜぜ【膳所】そ‐い【所為】そがもようたてしのごしょぞめ【曾我綉侠御所染】そ‐こ【其処・其所】だい‐どこ【台所】たく‐しょ【謫所】たむろ‐じょ【屯所】つくも‐どころ【作物所】ど‐こ【何処・何所】ところ‐じち【所質】ね‐ど【寝所】ねや‐ど【閨所・寝屋処】まん‐どころ【政所】みやす‐どころ【御息所】む‐しょ【墓所】ゆえん【所以】ゆかり【縁・所縁】よそ【余所・他所・外】よそもの‐どころ【装物所】

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[音]ショ [訓]お‐る    お‐く    ところ [部首]虍 [総画数]11 [コード]区点    4961      JIS   515D      S‐JIS 997C

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[音]ユウ [訓]ところ [部首]攴 [総画数]7 [コード]区点    5833      JIS   5A41      S‐JIS 9DBF

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