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わびし・い【侘しい】🔗🔉

わびし・い侘しい】 〔形〕[文]わび・し(シク) (動詞「侘ぶ」の形容詞形) ①力が抜ける感じである。万葉集12「君は来ず吾は故なみ立つ浪のしくしく―・しかくて来じとや」。源氏物語紅葉賀「宮いと―・しうこの事により身のいたづらになりぬべきこととおぼし嘆くに」。「結果を知ると―・くなる」 ②心細い。頼りない。もの悲しい。古今和歌集「山里は秋こそ殊に―・しけれ鹿の鳴くねに眼をさましつつ」。「ひとり―・く暮らす」 ③くるしい。つらい。四苦八苦する。竹取物語「またかく―・しき目を見ず。御舟海の底に入らずは、神落ちかかりぬべし」。源氏物語玉鬘「歩むともなく、とかくつくろひたれど、足の裏動かれず。―・しければ、せん方なくて休み給ふ」。中華若木詩抄「題の字を…出さじとて―・しく作るは出してゆうゆうとあるよりは劣りなり」 ④(暮し向きが)見すぼらしい。貧しい。今昔物語集25「身の―・しければ盗人をもし」。「―・い暮し」 ⑤やりきれない。困ったことだ。閉口する。源氏物語浮舟「所せき身こそ―・しけれ、かろらかなる程の殿上人などにて暫しあらばや」。今昔物語集27「奥の方より人来る音す。あな―・し。人のありける所をと思ふに」。徒然草「おのが身を引きかけて言ひいでたる、いと―・し」 ⑥おもしろくない。つまらない。堤中納言物語「童の名は、例のやうなるは―・しとて」 ⑦物静かである。心さびしい。猿蓑「湯殿は竹の簀子―・しき」(芭蕉)。「―・い山間の小駅」

広辞苑 ページ 21209 での侘しい単語。