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なに‐と‐なし【何と無し】🔗🔉

なに‐と‐なし何と無し】 ①なぜということもない。どこともない。枕草子5「何となくすずろにをかしきに」 ②何と取り立てていう程のことはない。平凡である。能因本枕草子木の花は「卯の花は品劣りて何となけれど」 ③何と定まったことがない。何につけてもである。太平記1「天下の事何となく関東の計らひとして」 ④何という目的もない。何とない。狂言、土産の鏡「何となく鏡を見れば」

なに‐と‐には‐なし【何とには無し】🔗🔉

なに‐と‐には‐なし何とには無し】 なんということはない。たいしたことでない。

なに‐と‐は‐なし【何とは無し】🔗🔉

なに‐と‐は‐なし何とは無し(→)「なにとにはなし」に同じ。源氏物語鈴虫「何とはなけれど過ぐる齢にそへて忘れぬ昔の御物語などうけたまはり」

なに‐とも【何とも】🔗🔉

なに‐とも何とも】 〔副〕 ①何のものとも。物の数とも。なんとも。源氏物語若紫「今日あすになりぬる命をば―おぼしたらで」 ②どうとも。一向に。更に。宇治拾遺物語12「衆中にてかくいふことを―答へざらむも口をし」 ③何分にも。はやどうも。狂言、貰聟「婿入を致さぬによつて―参りにくうござる」 ④あらゆる方法で。どうやっても。三道「―風体を巧みて」

なに‐と‐や‐らむ【何とやらむ】🔗🔉

なに‐と‐や‐らむ何とやらむ】 ①なんであろうか。平家物語(延慶本)「漫々たる海上に―はたらく物あり」 ②なんとなく。謡曲、船弁慶「―今の時節然るべからず存じ候」 ○名に流るなにながる その名で世の中に知られる。名高くなる。後撰和歌集「うつろはぬ名に流れたる川竹の」 ⇒な【名】

なに‐なに【何何】🔗🔉

なに‐なに何何】 [一]〔代〕 列挙する事物が不明な時、また、具体的に挙げる必要のない時にいう語。何と何。どれそれ。「必要なものは―ですか」 [二]〔感〕 ①(文を読みはじめる時や、相手の言葉に問いかける時に発する語)何事か。何だ何だ。狂言、地蔵舞「―、往来の者に宿貸すこと禁制」 ②特にとりあげるほどのことではないと否定する思いで発する語。「―、心配はいらない」

広辞苑 ページ 14696