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いき【息】🔗🔉

いき】 ①口や鼻から呼吸する空気。呼気または吸気、特に呼気をさす。また、呼吸作用。万葉集15「霧立たば吾が立ち嘆く―と知りませ」。「―を吹きかける」「―を切らせる」 ②勢い。気配けはい。〈類聚名義抄〉 ③(二人以上の者がいっしょに一つの事を行う場合の)呼吸。調子。 ④音声学上、声帯の振動を伴わない呼気。↔声こえ。 ⑤芸道の深い要領。 ⑥茶などのかおり。 ⇒息が合う ⇒息が掛かる ⇒息が通う ⇒息が切れる ⇒息が続く ⇒息が詰まる ⇒息が長い ⇒息が弾む ⇒息白し ⇒息を入れる ⇒息を凝らす ⇒息を殺す ⇒息を吐く ⇒息を継ぐ ⇒息を詰める ⇒息を抜く ⇒息を延ぶ ⇒息を呑む ⇒息をはかりに ⇒息を弾ませる ⇒息を張る ⇒息を引き取る ⇒息を潜める ⇒息を吹き返す

いき‐あい【息合】‥アヒ🔗🔉

いき‐あい息合‥アヒ ①喧嘩や剣術の仕合などで、両者が向かいあった時の呼吸の調子。気合。 ②二人の俳優が演技する時、せりふや動作の息が合うこと。 ③「息合の薬」の略。 ⇒いきあい‐の‐くすり【息合の薬】

いきあい‐の‐くすり【息合の薬】‥アヒ‥🔗🔉

いきあい‐の‐くすり息合の薬‥アヒ‥ 合戦などの時、息をととのえるのに用いた薬で、米の粉と氷砂糖の粉末とを梅干の肉で練ったもの。いきあいぐすり。 ⇒いき‐あい【息合】

○息が合ういきがあう🔗🔉

○息が合ういきがあう 両方の調子(呼吸)がよくあう。気持がぴったり一つになることをいう。「息が合ったやりとり」 ⇒いき【息】

○息が掛かるいきがかかる🔗🔉

○息が掛かるいきがかかる 有力者の影響・支配のもとにある。後援を受けている。浄瑠璃、博多小女郎波枕「親御の息が掛らずとも」。「政治家の息の掛かった人物」 ⇒いき【息】

○息が通ういきがかよう🔗🔉

○息が通ういきがかよう まだ死なないで生きている。 ⇒いき【息】 いき‐がかり行き掛り(→)「ゆきがかり」に同じ。

○息が切れるいきがきれる🔗🔉

○息が切れるいきがきれる ①息ぎれがする。転じて、ものごとに長く堪えられない。 ②息がとまる。死ぬ。 ⇒いき【息】 いき‐かく・る行き隠る】 〔自下二〕 (→)「ゆきかくる」に同じ。 いき‐がけ行き掛け(→)「ゆきがけ」に同じ。 いき‐かそう生火葬‥クワサウ 生きながら火葬にすること。浄瑠璃、平家女護島「熱や熱やのこがれ死に、―とは是やらん」 いき‐かた生き方】 ①生きる方法。生活の方法。 ②(正しくは「行き方」か)人生に処する態度・方法。 いき‐かた行き方】 ①やりかた。しかた。ゆきかた。→生き方。 ②こころいき。気まえ。(「意気方」の字をも当てる)浄瑠璃、女殺油地獄「ハテここな人は―の悪い」 いき‐かた裄肩】 (イキはユキの転)肩の裄ゆき。衣服の背縫いから袖口までの長さ。 いき‐がた行き方(→)「ゆきがた」に同じ。 いき‐かたり生き騙り】 (イキは接頭語。かたりを卑しめののしっていう語)図太いかたり。浄瑠璃、大経師昔暦「八百目預けたとは、―め」

○息が続くいきがつづく🔗🔉

○息が続くいきがつづく 同じ状態を長く保つ。長期間持続する。 ⇒いき【息】

○息が詰まるいきがつまる🔗🔉

○息が詰まるいきがつまる ①呼吸ができなくなる。緊張のあまり息苦しくなる。 ②転じて、拘束されて自由に振る舞えない状態である。 ⇒いき【息】

○息が長いいきがながい🔗🔉

○息が長いいきがながい 一つ仕事を倦むことなく長期にわたって続けているさまをいう。「息の長い刊行物」 ⇒いき【息】

○息が弾むいきがはずむ🔗🔉

○息が弾むいきがはずむ ①息苦しくなる。〈日葡辞書〉 ②激しい息づかいになる。 ⇒いき【息】 いき‐がみ生き神】 ①生きている神。人の形であらわれている神。 ②霊験のあらたかな神。 ③徳の高い人を尊んでいう語。「―さま」 いき‐かよ・う行き通う‥カヨフ 〔自五〕 (→)「ゆきかよう」に同じ。伊勢物語「何のよき事と思ひて―・ひければ」 いき‐が・る粋がる】 〔自五〕 自ら粋だと思ってほこる。粋だと自負する。粋らしくふるまう。 いき‐がわ生き皮‥ガハ 生きているものの皮。日葡辞書「イキガワヲハグ」 いきかわり‐しにかわり生き替わり死に替わり‥カハリ‥カハリ 死んではまた生きかえること。幾度も生まれかわること。 いき‐き往き来(→)「ゆきき」に同じ。 いき‐ぎも生き肝・生き胆】 生きている動物から取った肝。薬用にすれば特効があるという。 ⇒生き肝を抜く

いき‐ぐるし・い【息苦しい】🔗🔉

いき‐ぐるし・い息苦しい】 〔形〕[文]いきぐる・し(シク) 息づかいが苦しい。転じて、圧迫されるような感じにもいう。「煙にまかれて―・い」「二人だけでいると―・くなる」

いき‐ざし【息差】🔗🔉

いき‐ざし息差】 ①いきづかい。呼吸。源氏物語玉鬘「監げんが―けはひ」 ②けはい。様子。風采。唐物語「その―は…蓮華はちす始めて開けたるにやと見ゆ」

いき‐すじ【息筋】‥スヂ🔗🔉

いき‐すじ息筋‥スヂ 力を入れた時、顔に出る筋。 ⇒息筋張る

○息筋張るいきすじはる🔗🔉

○息筋張るいきすじはる 力いっぱい努力する。勢いこんで物事をする。 ⇒いき‐すじ【息筋】 いき‐すだま生魑魅・生霊】 (古くはイキスタマ・イキズタマか)生きている人の怨霊おんりょう。いきりょう。源氏物語「物怪もののけ―などいふもの」 いき‐ずり生掏摸】 (イキは接頭語)すりを卑しめののしっていう語。浄瑠璃、心中天の網島「ヤ―め、どう掏摸め」 いき‐せい息精】 気力。意気込み。いきせ。浄瑠璃、源平布引滝「網の目に風溜ると惣々そうぞうの―でも、お産を安うさせますると」 ⇒息精張る

いき‐せき【息急き】🔗🔉

いき‐せき息急き】 息をはずますこと。 ⇒息急き切る ○息急き切るいきせききる 息をきらして急ぐ。ひどく急ぐさまにいう。「息急き切って、医者に走った」 ⇒いき‐せき【息急き】

○息急き切るいきせききる🔗🔉

○息急き切るいきせききる 息をきらして急ぐ。ひどく急ぐさまにいう。「息急き切って、医者に走った」 ⇒いき‐せき【息急き】 いき‐せ・く息急く】 〔自五〕 息をはずます。ひどく急ぐ。 いぎ‐そ意義素】 〔言〕 ①(sememe)形態素がもつ意味。もとブルームフィールドの用語。形態意味素ともいう。 ②(sémantème フランス)ポティエ(B. Pottier1924〜)によれば、形態素の意味を構成する意味的特徴の集合。 いぎ‐そう威儀僧ヰ‥ (→)威儀師に同じ。大鏡道長「―には、えもいはぬものどもえらせたまひき」 いき‐そそう意気沮喪・意気阻喪‥サウ 物事に取り組む気力を失ってしまうこと。「失敗の連続で―する」 いき‐だおれ行き倒れ・行き斃れ‥ダフレ (→)「ゆきだおれ」に同じ。 いき‐たけ裄丈】 (イキはユキの転) ①着物のゆきとたけ。 ②物事の程度。分量。たか。 ⇒裄丈知れたる

いき‐せ・く【息急く】🔗🔉

いき‐せ・く息急く】 〔自五〕 息をはずます。ひどく急ぐ。

いき‐だし【息出し】🔗🔉

いき‐だし息出し】 ①息を出す所。いきぬき。 ②兜かぶとの鉢の上部の孔。八幡座はちまんざ。 ③酒・醤油などの樽の上にあけた孔。 ○生きた空もないいきたそらもない 「生きた心地もしない」に同じ。→生きる(成句) ⇒い・きる【生きる・活きる】

いき‐だわ・し【息急し】‥ダハシ🔗🔉

いき‐だわ・し息急し‥ダハシ 〔形シク〕 (息イタハシの約)息苦しい。息切れがする。古今著聞集7「腹ふくれて―・しきとて」

いき‐づえ【息杖】‥ヅヱ🔗🔉

いき‐づえ息杖‥ヅヱ 荷物をかついだ人やかごかきが息入れするとき、になったものを支えたりするのに用いる杖。

いき‐づかい【息遣い】‥ヅカヒ🔗🔉

いき‐づかい息遣い‥ヅカヒ 呼吸の調子。「―が荒い」

いき‐づか・し【息衝かし】🔗🔉

いき‐づか・し息衝かし】 〔形シク〕 ①ため息の出るような気持である。なげかわしい。万葉集14「あな―・し見ず久にして」 ②息苦しい。曲付次第「息短く―・しき内にて言ひ納むれば」

いき‐つぎ【息継ぎ】🔗🔉

いき‐つぎ息継ぎ】 ①息をつぐこと。はげしく働いた後にしばらく休むこと。 ②歌や吹奏などの途中で息を吸いこむこと。ブレス。 ③火吹竹。

いき‐づき【息衝き】🔗🔉

いき‐づき息衝き】 ①太く息をつくこと。ためいき。 ②呼吸。 ⇒いきづき‐あま・る【息衝き余る】 ⇒いきづき‐しだい【息衝き次第】

いきつき‐あな【息衝き穴】🔗🔉

いきつき‐あな息衝き穴】 埋葬の際、棺の上に立てる6尺ばかりの丸い竹。中の節を抜いてその一端を地上に出しておく。息衝竹。 ⇒いき‐つき【息衝き】

いきづき‐あま・る【息衝き余る】🔗🔉

いきづき‐あま・る息衝き余る】 〔自四〕 ためいきをついているにはとどまらない。万葉集17「心には火さへ燃えつつ思ひ恋ひ―・り」 ⇒いき‐づき【息衝き】

いきづき‐しだい【息衝き次第】🔗🔉

いきづき‐しだい息衝き次第】 口から出まかせ。 ⇒いき‐づき【息衝き】

いき‐づ・く【息衝く】🔗🔉

いき‐づ・く息衝く】 〔自五〕 ①息をする。呼吸する。また、生きている。古事記「鳰鳥みおどりの潜かずき―・き」。「伝統が―・いている」 ②ため息をつく。なげく。万葉集8「青波に望みは絶えぬ、白雲に涙は尽きぬ、かくのみや―・きをらむ」 ③苦しい息をつく。あえぐ。徒然草「みづからは鉾ほこをだに持たず、―・き苦しむ有様、いと見苦し」 ④息をふきかえす。〈色葉字類抄〉

いき‐づな【息綱】🔗🔉

いき‐づな息綱】 海女が潜水する時の腰綱。綱についている分銅の重みを利用して潜水し、息が苦しくなるとその綱を引いて舟に合図をする。いのちづな。

いき‐づま・る【息詰まる】🔗🔉

いき‐づま・る息詰まる】 〔自五〕 息が苦しくなる。極度に緊張して息がつまるような感じである。「―・る熱戦」

いき‐づ・む【息詰む】🔗🔉

いき‐づ・む息詰む】 〔自四〕 ①いきをつめて腹に力を入れる。いきむ。古今著聞集16「これを大事と、思ふさま―・みて」 ②こらえる。辛抱する。

いき‐どお・し【息どほし】‥ドホシ🔗🔉

いき‐どお・し息どほし‥ドホシ 〔形シク〕 (息ダハシの転)息がせわしい。息が苦しい。〈日葡辞書〉

いき‐ど・し【息どし】🔗🔉

いき‐ど・し息どし】 〔形シク〕 (息ダハシの転。近世使われた)呼吸が早い。息苦しい。

いき‐ね【息根】🔗🔉

いき‐ね息根】 ①(→)「いきのね」に同じ。 ②声。「―をたてる」

いき‐の‐お【生の緒・息の緒】‥ヲ🔗🔉

いき‐の‐お生の緒・息の緒‥ヲ (息の長く続くことを緒にたとえた語) ①いのち。たまのお。(「―に」の形で「命にかけて」の意に用いる)万葉集18「―になげかす子ら」 ②息いき。三十二番職人歌合「―の苦しき時は鉦鼓こそ南無阿弥陀仏の声たすけなれ」

いき‐の‐した【息の下】🔗🔉

いき‐の‐した息の下】 重病や臨終の際など、虫の息の状態。息も絶え絶えにものを言うさまにいう。源氏物語帚木「―に引き入れ言こと少ななるが」

いき‐の‐ね【息の根】🔗🔉

いき‐の‐ね息の根】 呼吸。いのち。いきね。 ⇒息の根を止める ○息の根を止めるいきのねをとめる ①殺す。 ②相手を完全に打ちのめす。 ⇒いき‐の‐ね【息の根】

○息の根を止めるいきのねをとめる🔗🔉

○息の根を止めるいきのねをとめる ①殺す。 ②相手を完全に打ちのめす。 ⇒いき‐の‐ね【息の根】 いき‐の・びる生き延びる】 〔自上一〕[文]いきの・ぶ(上二) 死んでしまうところを生き長らえる。生き残る。「大震災でかろうじて―・びる」 いき‐の‐まつばら生の松原】 福岡市姪浜めいのはまの西から博多湾岸に沿って延びる海岸の松原。神功皇后が新羅遠征の際、松の枝を挿した地という。(歌枕) いぎ‐の‐みこ威儀の親王ヰ‥ 即位礼に、高御座たかみくらの傍にあって威儀を整える親王。大鏡師輔「式部卿の宮…―をさへせさせ給へりしよ」 いぎ‐の‐みょうぶ威儀の命婦ヰ‥ミヤウ‥ 即位礼に、高御座たかみくらの傍にあって儀容を整える女官。威儀の女房。大和物語「朝拝の―にていでたりけるを」 いぎ‐の‐もうしたて異議の申立て‥マウシ‥ 〔法〕刑事訴訟で、証拠調べや裁判長の処分などに対する不服申立てをいう。→異議申立て いぎ‐の‐もの威儀の物ヰ‥ 即位礼に、武官の捧持する武器。太刀・弓・箭・桙ほこ・楯たての類。 いき‐は行端(→)「ゆきは」に同じ。 いき‐ば行き場(→)「ゆきば」に同じ。 いき‐はぎ生き剥ぎ】 ①(→)「いけはぎ」に同じ。 ②法外な値段をふっかけて持物をはぎ取ること。無慈悲で強欲なこと。また、そういう人。浮世草子、立身大福帳「伏見の下り舟でくひ物を買へば―にするとて、すきとうれやみぬ」 いき‐はじ生き恥‥ハヂ この世に生きながらえて受ける恥。 ⇒生き恥を曝す

いき‐ぼね【息骨】🔗🔉

いき‐ぼね息骨】 息の音。声。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「―を揚げさすな」

いき‐ま・う【息まふ】‥マフ🔗🔉

いき‐ま・う息まふ‥マフ 〔自下二〕 息を張る。いきむ。十訓抄「男の顔を見れば脇かいとり―・へひざまづきたり」

いき‐ま・く【息巻く】🔗🔉

いき‐ま・く息巻く】 〔自五〕 ①勢力をふるう。源氏物語若菜上「坊のはじめの女御にて―・き給ひしかど」 ②息づかいが荒くなるほど激しく怒る。徒然草「上人なほ―・きて」 ③激しく言い立てる。まくしたてる。「ただではおかぬと―・く」「勝ってみせると―・く」

いきみ【息み】🔗🔉

いきみ息み】 いきむこと。息を込めて腹を張ること。

いき・む【息む】🔗🔉

いき・む息む】 〔自五〕 息を込めて腹に力をいれる。いきばる。

いき‐やすめ【息休め】🔗🔉

いき‐やすめ息休め】 仕事の間に一休みすること。いきつぎ。

○息を入れるいきをいれる🔗🔉

○息を入れるいきをいれる 一息ついて休む。一休みする。 ⇒いき【息】

○息を凝らすいきをこらす🔗🔉

○息を凝らすいきをこらす 息をとめ、緊張している。 ⇒いき【息】

○息を殺すいきをころす🔗🔉

○息を殺すいきをころす 息をおさえて音をたてないようにする。「息を殺してじっと隠れている」 ⇒いき【息】

○息を吐くいきをつく🔗🔉

○息を吐くいきをつく ①ためていた息を吐いて大きく呼吸する。 ②ほっとする。徳冨蘆花、不如帰「縁談整ひて輿入れ済みし時は、浪子も息をつき」 ⇒いき【息】

○息を継ぐいきをつぐ🔗🔉

○息を継ぐいきをつぐ ①息つぎをする。尾崎紅葉、紫「息も継がずに聞かされる」 ②一休みする。 ⇒いき【息】

○息を詰めるいきをつめる🔗🔉

○息を詰めるいきをつめる 息をしないようにして、じっとしている。また、息もできず、じっとしている。浄瑠璃、心中天の網島「治兵衛も息を詰め」 ⇒いき【息】

○息を抜くいきをぬく🔗🔉

○息を抜くいきをぬく 事の途中で一休みする。気分転換のため休息をとる。「たまには息を抜こう」 ⇒いき【息】

○息を延ぶいきをのぶ🔗🔉

○息を延ぶいきをのぶ ほっと息をつく。安心して気が楽になる。源氏物語夕顔「この人に息を延べ給ひてぞ」 ⇒いき【息】

○息を呑むいきをのむ🔗🔉

○息を呑むいきをのむ はっと驚いて息をとめる。「思いがけない発言に―」 ⇒いき【息】

○息をはかりにいきをはかりに🔗🔉

○息をはかりにいきをはかりに 息のつづく限り。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「舅の跡を九郎兵衛は―追ひかくる」 ⇒いき【息】

○息を弾ませるいきをはずませる🔗🔉

○息を弾ませるいきをはずませる 激しい運動や大きな興奮から、激しい息づかいをする。「合格の知らせに―」 ⇒いき【息】

○息を張るいきをはる🔗🔉

○息を張るいきをはる 深く呼吸して息を腹にこめる。 ⇒いき【息】

○息を引き取るいきをひきとる🔗🔉

○息を引き取るいきをひきとる 息が絶える。死ぬ。 ⇒いき【息】

○息を潜めるいきをひそめる🔗🔉

○息を潜めるいきをひそめる 存在を気づかれないよう、息づかいをおさえて、じっとしている。 ⇒いき【息】

○息を吹き返すいきをふきかえす🔗🔉

○息を吹き返すいきをふきかえす 生きかえる。 ⇒いき【息】 い‐きん衣衾】 衣ころもと衾ふすま。着物と夜具。 い‐きん遺金ヰ‥ ①のこされた金。主として、軍用金のために延べ棒や馬蹄形などにして残したもの。「慶長―」 ②おとした金。 いきん‐の‐えい衣錦の栄】 [欧陽修、昼錦堂記]立身出世し、富貴になって、錦衣を着て故郷に帰る栄誉。 い‐く畏懼ヰ‥ おそれること。恐懼きょうくい‐く偉躯ヰ‥ 大きな身体。 い・く生く・活く】 [一]〔自上二〕 ⇒いきる(上一)。 [二]〔他下二〕 ⇒いける(下一) い・く行く】 〔自五〕 (奈良・平安時代から「ゆく」と併存。平安・鎌倉時代の漢文訓読では、ほとんど「ゆく」を使い、「いく」の例は極めて稀。助詞「て」の下では「いく」が多い)「ゆく」に同じ。万葉集14「いで吾あれは―・かな」。伊勢物語「伊勢の国にゐて―・きてあらむ」。土佐日記「幣ぬさには御心の―・かねば、み船もゆかぬなり」。世間胸算用1「すこしづつ徳の―・くやうにして返す物ぢや」。「納得が―・く」 いく】 〔接頭〕 生気がある意。「―井」「―大刀」 いく】 〔接頭〕 ①数量・程度のわからぬ意をあらわす。「―たび」 ②数の多い意をあらわす。「―千夜」 イグアスIguazú スペイン・Iguaçu ポルトガル】 (グアラニー語で「大きな水」の意)ブラジルとアルゼンチンとの国境を流れるイグアス川の大瀑布。幅約4000メートル、高さ約70メートル。世界遺産。 イグアス 提供:JTBフォト イグアス 提供:NHK イグアナiguana】 イグアナ科のトカゲ類の総称。主にアメリカ大陸にすみ、バシリスク・アノールトカゲ・ウミイグアナなど約700種。また、その一種であるイグアナは、熱帯アメリカ・トリニダード島産で全長1.8メートル。背中にとげ状の突起がたてがみのように列生。植食性。 イグアナ イグアナ 提供:東京動物園協会 イグアノドンIguanodon ラテン】 白亜紀前期に生息した恐竜で、鳥脚類の一つ。ベルギー産の化石は特に有名で、体長約10メートル、前肢は5指、後肢は3指、普通は後肢のみの二足歩行で、時に四足歩行したと想像される。植物食性。 イグアノドン いくいイクヒ (動詞イクフの連用形から)弓をひいて矢を放つこと。孝徳紀「朝庭みかどに―す」 い‐くい斎杙・斎杭‥クヒ いみきよめた杭。神祭に幣物などをかける。古事記「初瀬の川の上つ瀬に―を打ち」 いく‐い生井‥ヰ 生気のある井の意。永久に水のかれない井戸・泉。神として祭る。祝詞、祈年祭「―・栄く井・つ長井…と御名は白まおして」 いぐい井杭・居杭ヰグヒ 狂言。井杭という少年が目をかけてくれる男によく頭をはられるので、隠れ頭巾を持って姿を消し、男と易者をなぶる。 いぐい伊具比イグヒ 川魚の名。ウグイの古称という。出雲風土記「年魚あゆ、―あり」 い‐ぐい居食いヰグヒ ①働かずに手持ちの財産を処分しながら暮らすこと。座食。徒食。「―の生活を続ける」 ②魚が釣りの餌えさを食いながら、ほとんど動かないこと。 い‐ぐい堰杙ヰグヒ 井堰いせきに打ち並べるくい。 いく‐いく郁郁】 ①文物の盛んなさま。文章の格調の高いさま。 ②香気の盛んなさま。「―たる梅花」 いく‐いく幾幾】 〔副〕 いくつもいくつも。宇治拾遺物語2「白米十石をおものにして…―と置きて食はせさせ給ひければ」 いく・う射ふイクフ 〔他四〕 射る。射かわす。天武紀「西の門みかどの庭おおばに―・ふ」 いく‐え幾重‥ヘ 幾つかのかさなり。多くのかさなり。いくじゅう。 ⇒いくえ‐にも【幾重にも】 いく‐えい育英】 [孟子尽心上「天下の英才を得て之を教育するは三楽也」] ①英才を教育すること。転じて、教育。 ②学徒に学資を給与または貸与し人材を育成すること。「―事業」→日本育英会 いくえ‐にも幾重にも‥ヘ‥ 〔副〕 (相手に対し、ひたすら願う気持を表す)くりかえし。かえすがえすも。ひたすら。「―お詫び申し上げます」 ⇒いく‐え【幾重】 いくおう‐ざん育王山‥ワウ‥ 阿育王山の略。 いく‐か幾日】 いくにち。 いく‐かえり幾返り‥カヘリ いくたび。いくへん。源氏物語松風「―行きかふ秋をすぐしつつ」 いく‐きゅう育休‥キウ 「育児休業」「育児休暇」の略。 いく‐くすり生薬】 ①起死回生の薬。また、不老長生の薬。いきぐすり。拾遺和歌集「亀山に―のみありければ」 ②(「幾薬」に転じ誤る)いくらかの薬。好色一代男7「俄かに腹痛むと悩めば、…―か与へけるを」 いくくにたま‐じんじゃ生国魂神社】 大阪市天王寺区生玉町にある元官幣大社。祭神は生島神・足島たるしま神。生玉神社。 生国魂神社 撮影:的場 啓 いくさ軍・戦・兵】 ①つわもの。兵士。兵隊。軍勢。軍隊。万葉集6「千万ちよろずの―なりとも言挙ことあげせず取りて来ぬべき男おのことそ思ふ」 ②軍隊と軍隊とが戦うこと。戦い。戦争。合戦。平家物語4「橋の上の―、火出づる程ぞ戦ひける」。「―を起こす」 →いくさ(射)⇒いくさ‐おきて【軍掟】 ⇒いくさ‐かどで【軍門出】 ⇒いくさ‐がみ【軍神】 ⇒いくさ‐ぎみ【軍将】 ⇒いくさ‐ごっこ【軍ごっこ】 ⇒いくさ‐だいしょう【軍大将】 ⇒いくさ‐だち【軍立ち】 ⇒いくさ‐だて【軍立て】 ⇒いくさ‐ないだん【軍内談】 ⇒いくさ‐ならし【軍馴らし】 ⇒いくさ‐の‐うかがい【軍の窺い】 ⇒いくさ‐の‐きみ【軍の君】 ⇒いくさ‐の‐さんぶぎょう【軍の三奉行】 ⇒いくさ‐の‐その【軍の園】 ⇒いくさ‐の‐にわ【軍の庭】 ⇒いくさ‐の‐のり【軍の法】 ⇒いくさ‐ば【軍場】 ⇒いくさ‐はじめ【軍始め】 ⇒いくさ‐びと【軍人】 ⇒いくさ‐ひょうじょう【軍評定】 ⇒いくさ‐ぶぎょう【軍奉行】 ⇒いくさ‐ぶね【軍船】 ⇒いくさ‐ぼし【軍星】 ⇒いくさ‐まつり【軍祭】 ⇒いくさ‐ものがたり【軍物語】 ⇒いくさ‐もよい【軍催い】 ⇒いくさ‐よばい【軍喚い】 ⇒いくさ‐よほろ【軍丁】 ⇒軍に花を散らす ⇒軍を見て矢を矧ぐ いくさ】 (「いくさ(軍)」の原義)矢を射ること。射術。弓術。持統紀「―習ふ所を築かしむ」 い‐ぐさ藺草ヰ‥ イ(藺)のこと。〈[季]夏〉 ⇒いぐさ‐か【藺草科】 いくさ‐おきて軍掟】 陣中の命令。軍令。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いぐさ‐か藺草科ヰ‥クワ 単子葉植物の一科。多くは湿生の多年草。地下茎が発達し、葉は小さい。世界に約30種。花は両性、子房上位。イ・コウガイゼキショウ・スズメノヤリなどを含む。 ⇒い‐ぐさ【藺草】 いくさ‐かどで軍門出】 戦場に出発すること。いくさのかどで。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いくさ‐がみ軍神】 いくさの守護神。武運を守る神。経津主ふつぬし・武甕槌たけみかずちの2神、または八幡神など。兵家では、北斗七星、また、摩利支天・勝軍地蔵・不動明王などを祭る。弓矢の神。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いく‐さき行先(→)「ゆくさき」に同じ。 いくさ‐ぎみ軍将(→)「いくさのきみ」に同じ。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いくさ‐ごっこ軍ごっこ】 戦争のまねをして遊ぶ子供の遊戯。戦争ごっこ。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いくさ‐だいしょう軍大将‥シヤウ 主将から委任されて、軍の駆け引きを指揮する人。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いくさ‐だち軍立ち】 ①(→)「いくさかどで」に同じ。崇神紀「那羅山に登りて―す」 ②いくさ。合戦。戦争。〈伊呂波字類抄〉 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いくさ‐だて軍立て】 軍勢の配置。陣立。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いくさ‐ないだん軍内談(→)「いくさひょうじょう」に同じ。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】 いくさ‐ならし軍馴らし】 軍事の練習。調練。 ⇒いくさ【軍・戦・兵】

いこ・う【憩う・息う】イコフ🔗🔉

いこ・う憩う・息うイコフ [一]〔自五〕 息をつぐ。やすむ。のんびり休息する。万葉集1「寒き夜を―・ふことなく通ひつつ」。「木陰に―・う」 [二]〔他下二〕 いこわせる。やすませる。今昔物語集28「国の政まつりごとをも―・へ、物をもよく納めさせ給ひて」

い‐ぶき【息吹・気吹】🔗🔉

い‐ぶき息吹・気吹】 (イは息の意。上代はイフキと清音) ①息を吹くこと。呼吸。神代紀「吹棄ふきうつる―の狭霧さぎり」 ②活動の気配。生気。「春の―」「新時代の―を感じる」 ⇒いぶき‐ど【気吹戸】

おき【息】🔗🔉

おき】 (上代語。単独の例はない)いき。万葉集20「鳰鳥におどりの―長川は絶えぬとも」

しゅくしん【粛慎・息慎・稷慎】🔗🔉

しゅくしん粛慎・息慎・稷慎】 中国の古書にみえる中国東北地方の民族。後漢の挹婁ゆうろう、隋・唐の勿吉もっきつ・靺鞨まっかつはその後身というが確かでない。日本書紀には、欽明天皇の時に佐渡に来り、斉明天皇の時に阿倍比羅夫が征したと記す。みしはせ。

そく【息】🔗🔉

そく】 生んだもの。むすこ・むすめ。

そく‐さい【息災】🔗🔉

そく‐さい息災】 (「息」は、とどめる意) ①〔仏〕仏力で災害を消滅させること。枕草子277「いみじうやすき―の祈ななり」 ②身にさわりのないこと。達者。無事。「無病―」 ⇒そくさい‐えんめい【息災延命】 ⇒そくさい‐にち【息災日】 ⇒そくさい‐ほう【息災法】

そくさい‐えんめい【息災延命】🔗🔉

そくさい‐えんめい息災延命】 わざわいを取り去り、いのちをのべること。延命息災。 ⇒そく‐さい【息災】

そくさい‐にち【息災日】🔗🔉

そくさい‐にち息災日】 暦の上で何事にも吉であるという日、すなわち春は巳の日、夏は申の日、秋は辰の日、冬は酉の日。 ⇒そく‐さい【息災】

そくさい‐ほう【息災法】‥ホフ🔗🔉

そくさい‐ほう息災法‥ホフ 密教で、さまざまな災害や苦難を除き、煩悩や罪業を消滅させるために行う修法しゅほう。四種法の一つ。 ⇒そく‐さい【息災】

そく‐じょ【息女】‥ヂヨ🔗🔉

そく‐じょ息女‥ヂヨ 他家のむすめ。多く、身分ある人のむすめを敬っていう語。「隣家の御―」↔息男

むす‐こ【息子・息】🔗🔉

むす‐こ息子・息】 (「産子むすこ」の意)(親からみて)自分の子である男。子息。せがれ。源氏物語帚木「御―の君だち」↔むすめ。 ⇒むすこ‐かぶ【息株】

むすこ‐かぶ【息株】🔗🔉

むすこ‐かぶ息株】 親がかりの身分。黄表紙、高漫斉行脚日記「あつぱれの―と見えますぞ」 ⇒むす‐こ【息子・息】

[漢]息🔗🔉

 字形  筆順 〔心(忄・)部6画/10画/教育/3409・4229〕 〔音〕ソク(呉) 〔訓〕いき・やすむ・やむ [意味] ①いき。呼吸。呼吸する。「気息・嘆息・長大息」 ②生きる。生存する。「消息・生息・棲息せいそく」 ③やすむ。いこう。「安息・休息」 ④やむ。やめる。しずめる。「終息・息災」 ⑤生まれたもの。 ㋐生んだ子。特に、むすこ。「息男・息女・子息・令息・愚息」 ㋑利子。「利息・息債」▶元金を親に、利子を子にたとえる。 [解字] 会意。「自」(=鼻)+「心」。心臓の動きによって鼻で(やすらかに)いきをする意。 [下ツキ 愛息・安息・偃息・気息・休息・脇息・愚息・姑息・子息・終息・瞬息・消息・栖息・棲息・生息・絶息・喘息・大息・嘆息・窒息・長大息・鼻息・屛息・利息・令息 [難読] 息吹いぶき・息子むすこ

[漢]息🔗🔉

 〔自部4画〕 ⇒心部

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