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かえり‐み【顧み】カヘリミ🔗🔉

かえり‐み顧みカヘリミ ①後ろをふりかえって見ること。万葉集1「―すれば月かたぶきぬ」 ②過去の事をおもうこと。追懐。源氏物語帚木「思ひたつ程はいと心澄めるやうにて、世に―すべくも思へらず」 ③一身上のことを顧慮すること。後顧。万葉集18「大君の辺にこそ死なめ―はせじ」 ④世話。なさけ。恩顧。竹取物語「親たちの―をいささかだに仕うまつらで」

○顧みて他を言うかえりみてたをいう🔗🔉

○顧みて他を言うかえりみてたをいう [孟子梁恵王下「左右を顧みて他を言う」]答えに困った時など、左右の者を見回し、関係のないほかのことを言ってごまかす。 ⇒かえり・みる【顧みる・省みる】 かえり・みる顧みる・省みるカヘリミル 〔他上一〕 ①もう一度来て見る。万葉集13「幸くあらばまた―・みむ志賀の韓崎」 ②背後をふりむいて見る。万葉集20「足柄のみ坂たまはり―・みず吾は越え行く」。平家物語7「平家うしろを―・みければ、白旗雲の如く差し上げたり」。「あとも―・みないで行く」 ③過去の事を思う。回想する。丹後風土記逸文「君、終に賤妾やっこを遺わすれずして、―・み尋ねむとならば」。「歴史を―・みる」 ④《省》反省する。新葉和歌集「日に三たびおろかなる身を―・みて仕ふる道も我が君のため」。「みずから―・みて恥じない行為」 ⑤気にかける。心配する。万葉集10「古ゆあげてし機はたも―・みず」。「危険を―・みず進む」「家庭を―・みる余裕がない」 ⑥なさけをかける。世話をする。源氏物語須磨「この殿の蔵人になし―・み給ひし人なれば」 ⇒顧みて他を言う かえり‐むこ帰り婿カヘリ‥ 一定の年限を定めて嫁の家に住みこみ、年限終われば嫁をつれて帰る労働婚の婿。津軽地方にみられた習俗。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐もうし返り申しカヘリマウシ ①使者が帰って、使命を果たした報告をすること。復命。続古今和歌集「奉送使にてまかりくだりて―の暁」 ②神仏にかけた願い事の叶った時、そのお礼参りをすること。願ほどき。宇津保物語藤原君「よろづの神たちに―のみてぐら奉らむとて」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐もう・ず帰り詣づカヘリマウヅ 〔自下二〕 帰参する。古今和歌集「比叡にのぼりて―・できてよめる」 かえり‐もうで返り詣でカヘリマウデ (→)「かえりもうし」2に同じ。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえりやま帰山カヘリ‥ 姓氏の一つ。 ⇒かえりやま‐のりまさ【帰山教正】 かえりやま‐のりまさ帰山教正カヘリ‥ 映画監督・映画技術研究家。東京生れ。大正中期に日本で初めてシナリオを用い、女形を廃し、本格的劇映画「生の輝き」「深山の乙女」を監督・製作。純映画劇運動をおしすすめた。(1893〜1964) ⇒かえりやま【帰山】 かえり‐やみ返り病みカヘリ‥ いったんなおった病気が再びわるくなること。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ゆみ反り弓カヘリ‥ そり反った弓。 ⇒かえり【反り】 かえり‐わずら・う帰り煩ふカヘリワヅラフ 〔自四〕 帰ることをいやに思う。容易に帰らない。拾玉集4「卯の花を出でし山路の雪と見て―・ふうぐひすの声」 かえり‐わた・る帰り渡るカヘリ‥ 〔自四〕 帰って行く。または、帰って来る。源氏物語初音「夜明け果てぬれば、御かたがたに―・り給ひぬ」 かえる蛙・蛤・蝦カヘル カエル目(無尾類)の両生類の総称。変態し、幼生はオタマジャクシ。体は短く、胴と頭が直接つながり、尾はない。後肢は大きく、指に水かきをもち、跳躍や泳ぎに適する。体長は約1センチメートルから大きなものでは30センチメートルに達する。皮膚は湿り、色は多彩、種によっては変色する。生活はきわめて多様。鳴嚢めいのうをもち、良い声で鳴くものもある。多くは肉食で、舌で小動物を捕食する。食用にしたり、南米産の数種の皮膚からは矢毒をとる。世界に2500種以上が分布。古来、人間生活に近い存在で、田や雨の神とする地域もある。かわず。〈[季]春〉。今昔物語集3「毒蛇有りて、―を呑まむが為に追ひて来る」 かえる ウシガエル 撮影:小宮輝之 カジカガエル 提供:東京動物園協会 トウキョウダルマガエル 提供:東京動物園協会 ニホンアマガエル 提供:東京動物園協会 ヒキガエル 撮影:小宮輝之 モリアオガエル 提供:東京動物園協会 ⇒かえる‐あし【蛙足】 ⇒かえる‐あんこう【蛙鮟鱇】 ⇒かえる‐いくさ【蛙軍】 ⇒かえる‐およぎ【蛙泳ぎ】 ⇒かえる‐ご【蛙子】 ⇒かえる‐で【蛙手・鶏冠木・楓】 ⇒かえる‐とび【蛙飛び】 ⇒かえる‐にょうぼう【蛙女房】 ⇒かえる‐の‐お【蛙の尾】 ⇒かえる‐の‐ぎょうれつ【蛙の行列】 ⇒かえる‐の‐すもう【蛙の相撲】 ⇒かえる‐の‐めかりどき【蛙の目借時】 ⇒かえる‐ば【蛙葉】 ⇒かえる‐また【蛙股・蟇股】 ⇒蛙が兜虫に成る ⇒蛙の子は蛙 ⇒蛙の面に水 ⇒蛙の頬冠 ⇒蛙は口ゆえ蛇に呑まるる か・える替える・換える・代える・変えるカヘル 〔他下一〕[文]か・ふ(下二) (室町時代頃よりヤ行にも活用した) ➊《替・換・代》事物を互いに入れちがわせる。 ①入れちがわせる。交互にさせる。万葉集2「敷たへの袖―・へし君玉垂れの越野おちの過ぎゆく又も逢はめやも」 ②それを取り除き別のものにする。交換する。とりかえる。(特に、「身に―・える」「命に―・える」などの形は、それを犠牲にするの意に使われる)伊勢物語「飽かねども岩にぞ―・ふる色見えぬ心を見せむよしのなければ」。源氏物語明石「身に―・へてこの御身一つを救ひ奉らん」。「部品を―・える」「商売を―・える」「円をドルに―・える」 ③交代させる。代りをさせる。古今和歌集「母あやまちありといひて斎院を―・へられんとしけるを」。「これをもって御挨拶あいさつに―・えます」 ④一椀の飯を残らず食べてまた新しくよそう。おかわりする。狂言、岡太夫「太郎くはじや―・へて進ぜい」 ⑤古い水をかい出して新しい水を入れる。「井戸を―・える」 ➋《変》事物の状態・質をそれまでと異なったものにする。 ①変化させる。古今和歌集「同じやうなれば、すこしさまを―・へたるなるべし」。源氏物語空蝉「うつせみの身を―・へてける木のもとに猶人がらのなつかしきかな」。日葡辞書「テヲカユル」。「髪形を―・える」「顔色を―・える」「生活を―・える」「方針を―・える」 ②時間・場所などを前と別にする。万葉集12「月―・へて君をば見むと思へかも日も―・へずして恋のしげけく」。蜻蛉日記「所―・へたるかひなく、むま時ばかりに、にはかにののしる」。「机の位置を―・える」 ◇「替」は、ある物にかえて別の物にする、「換」は、物をとりかえる、「代」は、他の物にその役目をさせる意で使うことが多い。 かえ・る反る・返る・帰る・還るカヘル 〔自五〕 ➊《反・返》事物・事柄の位置・順序・状態などが入れちがいになる。 ①表裏が反対になる。裏がえる。ひるがえる。万葉集10「天の河霧立ちのぼるたなばたの雲の衣の―・る袖かも」。「旗が風に―・る」 ②上であったものが下になる。転覆する。くつがえる。万葉集4「大船を漕ぎの進みに岩に触れ―・らば―・れ」 ③湯などが、煮えたぎって沸く。沸きかえる。古今著聞集20「煮―・りたる湯を穴の口に汲み入れたりける程に案にたがはず蛇くちなわいでて」 ➋《返・帰・還》事物・事柄がもとの所・状態・人などへもどる。 ①もとあった所へもどる。折りかえす。立ち返る。万葉集7「磯の浦に来寄る白波―・りつつ」。万葉集5「久方のあまぢは遠しなほなほに家に―・りて業なりをしまさに」。「忘れ物が―・る」「土地はあの人の手に―・るそうだ」「毎度同じ答えが―・ってくる」 ②もとのようになる。元に復する。夫木和歌抄23「かこ山の松風早く春立てば波にぞ―・る池の氷は」。「我に―・る」「童心に―・る」 ③年月などが一巡してまた新しく始まる。万葉集17「あらたまの年―・るまで相見ねば心もしのに思ほゆるかも」 ➌《反・返》時の経過やある種の操作によって今までと違った状態・性質になる。 ①色あせる。染色がさめる。後撰和歌集「今はとて移り果てにし菊の花―・る色をば誰か見るべき」 ②物の質などが違うものになる。皇極紀「茨田池まむたのいけの水、変かえりて藍の汁の如し」 ③鷹の羽が生えかわる。2歳になって羽の斑点が横ざまになるのを「かたがえり」、3歳になって斑点が細かになるのを「もろがえり」という。 ④(「孵る」と書く)卵が子になる。孵化ふかする。倭名類聚鈔18「孵、俗云賀閉流、卵化也」。源氏物語真木柱「同じ巣に―・りしかひの見えぬかな」。日葡辞書「カイゴ、また、タマゴガカエッタ」 ⑤反切はんせつで当該漢字の音が表される。玉塵抄14「諸、章魚切、ショと―・つたぞ」 ➍《反・返》他の動詞の連用形に付いて、その動作・状態が繰り返されるさま、また、はなはだしいさまを表す。 ①繰り返し…する。万葉集11「わが身は千遍ちたび死に―・らまし」 ②はなはだしく…する。すっかり…する。古今和歌集「我が宿の菊の垣根に置く霜の消え―・りてぞ恋しかりける」。源氏物語絵合「浅はかなる若人どもは死に―・りゆかしがれど」。「あきれ―・る」「しずまり―・る」 ⇒帰りなんいざ かえる‐あし蛙足カヘル‥ 蛙が泳ぐ時のような足つき。平泳の足の動かし方。観海流・能島流・岩倉流などの基本泳法。 ⇒かえる【蛙・蛤・蝦】 かえる‐あした帰る朝カヘル‥ 男が女に逢って帰る翌朝。きぬぎぬ。宇津保物語藤原君「七夕は―やわびしかるらむ」 かえる‐あんこう蛙鮟鱇カヘル‥カウ カエルアンコウ科の海産の硬骨魚。全長約20センチメートル。体は太く短く、胸部は膨らむ。胸びれと腹びれとは足状。南日本の内湾にすむ。 カエルアンコウ 提供:東京動物園協会 ⇒かえる【蛙・蛤・蝦】 かえる‐いくさ蛙軍カヘル‥ (→)「かわずいくさ」に同じ。 ⇒かえる【蛙・蛤・蝦】 かえる‐およぎ蛙泳ぎカヘル‥ 水府流泳法の技。蛙が泳ぐような手足の使い方の泳法。 ⇒かえる【蛙・蛤・蝦】 かえる‐がえる返る返るカヘルガヘル 〔副〕 (→)「かえすがえす」に同じ。後撰和歌集「―も恨つる哉」

かえり・みる【顧みる・省みる】カヘリミル🔗🔉

かえり・みる顧みる・省みるカヘリミル 〔他上一〕 ①もう一度来て見る。万葉集13「幸くあらばまた―・みむ志賀の韓崎」 ②背後をふりむいて見る。万葉集20「足柄のみ坂たまはり―・みず吾は越え行く」。平家物語7「平家うしろを―・みければ、白旗雲の如く差し上げたり」。「あとも―・みないで行く」 ③過去の事を思う。回想する。丹後風土記逸文「君、終に賤妾やっこを遺わすれずして、―・み尋ねむとならば」。「歴史を―・みる」 ④《省》反省する。新葉和歌集「日に三たびおろかなる身を―・みて仕ふる道も我が君のため」。「みずから―・みて恥じない行為」 ⑤気にかける。心配する。万葉集10「古ゆあげてし機はたも―・みず」。「危険を―・みず進む」「家庭を―・みる余裕がない」 ⑥なさけをかける。世話をする。源氏物語須磨「この殿の蔵人になし―・み給ひし人なれば」 ⇒顧みて他を言う

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