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うえ【飢え・餓え・饑え】ウヱ🔗🔉

うえ飢え・餓え・饑えウヱ うえること。ひもじいこと。徒然草「山林に入りても、―を助け、嵐を防ぐよすがなくてはあられぬわざなれば」。「―をしのぐ」「心の―」

うえ‐じに【餓え死に】ウヱ‥🔗🔉

うえ‐じに餓え死にウヱ‥ 空腹のため死ぬこと。かつえじに。餓死がし

う・える【飢える・餓える・饑える】ウヱル🔗🔉

う・える飢える・餓える・饑えるウヱル 〔自下一〕[文]う・う(下二) 食物がなくて腹がへる。ひもじくなる。また、欲求がみたされない状態にもいう。万葉集5「我よりも貧しき人の父母は―・ゑ寒こごゆらむ」。「愛情に―・える」「活字に―・える」

が【餓】🔗🔉

】 うえること。ひもじいこと。

が‐き【餓鬼】🔗🔉

が‐き餓鬼】 ①〔仏〕悪業の報いとして餓鬼道に落ちた亡者。やせ細って、のどが細く飲食することができないなど、常に飢渇に苦しむという。 餓鬼 ②子供をいやしんでいう称。浮世床「―の時分覚えた事は忘れねえものさネ」。「うるさい―だ」 ⇒餓鬼に苧殻 ⇒餓鬼の断食 ⇒餓鬼の目に水見えず ⇒餓鬼の物をびんずる ⇒餓鬼も人数

がきぞうし【餓鬼草紙】‥ザウ‥🔗🔉

がきぞうし餓鬼草紙‥ザウ‥ 12世紀後半制作の絵巻。飢餓に苦しむ餓鬼の姿を描く。六道輪廻思想に基づく、大規模な六道絵の一部か。現存2巻。

がき‐だいしょう【餓鬼大将】‥シヤウ🔗🔉

がき‐だいしょう餓鬼大将‥シヤウ いたずらな子供たちのかしら。「町内の―」

がき‐だな【餓鬼棚】🔗🔉

がき‐だな餓鬼棚】 盂蘭盆うらぼんにあたり無縁仏のためにつくる祭壇。先祖をまつるための精霊棚とは別に設ける。外棚ほかだな。門棚かどだな。水棚。

がき‐どう【餓鬼道】‥ダウ🔗🔉

がき‐どう餓鬼道‥ダウ 〔仏〕三悪道・六道・十界の一つ。ここに住する者は、内障・外障によって飲食することができず、常に飢餓に苦しむ。餓鬼。餓鬼趣。

○餓鬼に苧殻がきにおがら🔗🔉

○餓鬼に苧殻がきにおがら 「鬼に金棒」の反対で、頼りにも力にもならないことのたとえ。浮世風呂3「『あれで愛敬がありやア鬼に金棒さ』『―とはおいらがこつたらう』」 ⇒が‐き【餓鬼】

○餓鬼の断食がきのだんじき🔗🔉

○餓鬼の断食がきのだんじき 当然の事をいかにも殊更らしく言いふらす意で、偽善的行為などにいう。 ⇒が‐き【餓鬼】 かぎ‐の‐て鉤の手】 曲尺まがりがねの曲がった角。転じて、ほぼ直角に曲がっていること。また、そういう所・形。「―に曲がった廊下」 かき‐の・ぶ書き延ぶ】 〔他下二〕 敷衍ふえんして書く。書き加える。十訓抄「それにまさりて―・べんこと」 かきのへた柿の蔕】 (伏せると形が柿のへたに似るからいう)茶碗の名。朝鮮産。李朝の初期につくられた。ごく侘びた印象の茶碗。 かき‐のぼ・る掻き登る】 〔自四〕 (けわしい山などを)よじ登る。宇治拾遺物語6「見あぐれば遥かに高き峰なり。―・るべき方もなし」 がき‐の‐めし餓鬼の飯】 ①盆に無縁仏のために供える食物。 ②枕飯まくらめしの異称。 かき‐のめ・す書きのめす】 〔他四〕 手あたり次第に書く。かきなぐる。 かき‐のめ・す掻きのめす】 〔他四〕 うまい言葉で(相手の)心を迷わす。歌舞伎、お染久松色読販「お糸を欺して多三郎を―・させ、息子を深みへひきこむ魂胆」

がき‐の‐めし【餓鬼の飯】🔗🔉

がき‐の‐めし餓鬼の飯】 ①盆に無縁仏のために供える食物。 ②枕飯まくらめしの異称。

○餓鬼の目に水見えずがきのめにみずみえず🔗🔉

○餓鬼の目に水見えずがきのめにみずみえず 餓鬼は飢えとかわきがあまりにひどいので、傍に水があるのに気がつかない。熱望のあまり、かえって求めるものが見つからないことのたとえ。 ⇒が‐き【餓鬼】 かきのもと柿本】 姓氏の一つ。 ⇒かきのもと‐の‐ひとまろ【柿本人麻呂】 かき‐の‐もと柿本】 柿本衆の略。 ⇒かきのもと‐しゅう【柿本衆】 かきのもと‐しゅう柿本衆】 鎌倉初期、和歌に範をとって優雅な連歌を作る人々の称。有心うしん衆。柿本の衆。↔栗本くりのもと⇒かき‐の‐もと【柿本】 かきのもと‐の‐ひとまろ柿本人麻呂】 万葉歌人。三十六歌仙の一人。天武・持統・文武朝に仕え、六位以下で舎人として出仕、石見国の役人にもなり讃岐国などへも往復、旅先(石見国か)で没。序詞・枕詞・押韻などを駆使、想・詞豊かに、長歌を中心とする沈痛・荘重、格調高い作風において集中第一の抒情歌人。後世、山部赤人とともに歌聖と称された。「人丸」と書いて「ひとまる」ともいう。生没年未詳。 ⇒かきのもと【柿本】

○餓鬼の物をびんずるがきのものをびんずる🔗🔉

○餓鬼の物をびんずるがきのものをびんずる (「びんずる」は「引っ取る」の転)餓鬼の得た食物を奪い取る。貧乏している者から物を奪い取る。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「たまたま逢うた男を、―、小猿の頬を押すやうに余り出来ぬ御差配」 ⇒が‐き【餓鬼】 かき‐のれん柿暖簾】 柿色にそめた暖簾。特に、遊郭で端女郎はしじょろうの局つぼねにかけた柿色染めの暖簾。また、その局。 かき‐は片葉】 一片の葉。祝詞、大殿祭「草の―をも言ことめて」 かき‐ばい牡蠣灰‥バヒ カキの貝殻を蒸焼きにした灰。→貝灰 かき‐はき懸佩⇒かけはき かき‐は・く掻き掃く】 〔他四〕 掃き清める。万葉集16「玉ははき刈り来鎌麿むろの木となつめがもとと―・かむため」 かぎ‐ばこ鍵箱】 鍵を入れておく箱。 かき‐はさ・む掻き挟む】 〔他四〕 「はさむ」を強めていう語。崇峻紀「弓を弛はずして腋に―・みて」 かぎ‐はな鉤鼻】 ①鼻柱が鉤のように曲がっている鼻。わしばな。かぎばな。 ②平安時代の女絵の顔の描写技法の一種。→引目鉤鼻ひきめかぎはな かき‐はな・つ掻き放つ】 〔他四〕 「はなつ」を強めていう語。ときはなつ。 かき‐はや・む掻き早む】 〔他下二〕 「はやむ」を強めていう語。宇治拾遺物語11「馬を―・めて」 かき‐はら・う掻き払う‥ハラフ 〔他五〕 ①払いのける。源氏物語薄雲「落つる涙を―・ひて」 ②掃除する。栄華物語本雫「御堂―・はせ、老法師の居所も払はせ侍らむ」 ③(連用形で副詞的に)すっかり。残らず。蜻蛉日記「西の宮は…三日といふに―・ひ焼けにしかば」 ④横になぎはらう。 かぎ‐ばり鉤針】 ①先の曲がった針類の総称。 ②編物用の針。ステンレスまたは角つの・竹で製し、先に鉤形をつけたもの。↔棒針。 ⇒かぎばり‐あみ【鉤針編み】 かぎばり‐あみ鉤針編み】 手編みの一種。鉤針1本を用い、各種の糸を編む編み方。基礎となる編み方に鎖編み・細編み・長編みなどがある。 ⇒かぎ‐ばり【鉤針】 かき‐はん書判(→)花押かおうに同じ。 かぎ‐ばん鍵番】 ①江戸幕府の職名。下勘定所の戸締りの鍵を保管、また、火の元の番をする勘定役の称。 ②諸大名の奥女中の外出に従う者。足軽より身分が軽く、刀を帯びない。 がき‐ひき餓饑牽】 こよりの両端のそれぞれを、互いに小指と親指ではさみ持ち、引きくらべする遊戯。歌舞伎、五大力恋緘「指角力―のやうなことして遊んでゐる」 かき‐ひ・く掻き弾く】 〔他四〕 弦楽器を弾く。かき鳴らす。古事記「琴に作り―・くや」 かき‐ひげ書髭・描髭】 ①仮面に油墨でかいた髭。↔植髭。 ②髭の必要な役に、付け髭をせず油墨でかくこと。また、その髭。 かき‐ひざ掻膝(→)「かいひざ」に同じ。 かき‐ひたし柿浸し】 干柿をすって水または酒にひたしたもの。栄華物語後悔大将「―の汁を物の葉につけて参らすれど」 がき‐びょう餓鬼病‥ビヤウ (→)「がきやみ」に同じ。古今著聞集16「返事に―をやみ候ぞと答へたりければ」 かき‐ひょうぐ描表具・書表具‥ヘウ‥ 画幅の表装部分まで絵で描き表したもの。描表装かきびょうそうかき‐びょうそう描表装‥ベウサウ (→)描表具かきひょうぐに同じ。 かき‐ひら・く書き開く】 〔他四〕 満足するように書く。十訓抄「なほ心に叶はず。貴殿ばかりぞ―・かれんと思ふ」 かき‐びん掻鬢】 江戸初期、元服前の少年の間に行われた髪の結い方。男髷おとこまげの根を高く結び、鬢の髪を耳の上から髻もとどりまで掻き上げて結う。 かき‐ふ・す掻き伏す・掻き臥す】 [一]〔他下二〕 抱いて寝させる。栄華物語衣珠「さて―・せ奉りて御湯を参るに」 [二]〔自四〕 「ふす」を強めていう語。うつぶす。横になる。狭衣物語3「あとまくらも知らず―・して」 かき‐ふねかき船】 (長崎県小浜付近などで)遠方に漁獲物を運搬するために、塩蔵装置を設けてある船。 かき‐ぶね牡蠣船】 ①カキを採取する船。 ②カキを積んで来て商う船。 ③冬季、広島から大阪に来て繋留、その名物のカキ料理を営む屋形船。河岸に船をつなぎ、カキ料理その他を作って客に供する店にもいう。〈[季]冬〉。浄瑠璃、心中重井筒「藻にうづもるる―の」。幸田露伴、いさなとり「―大坂に下る時節も通り越し」 かき‐ぶり書き振り】 ①書くそぶり。書くときの様子。 ②文字や文章の書きよう。筆跡。文体。 かきべ部曲・民部】 大和時代の部の一種で、豪族の私有民。蘇我部・大伴部などと豪族の氏うじに部の字を加えて名字とする。大化改新で廃止。かきのたみ。雄略紀「大連おおむらじ等―広く大きにして」→部民べみん かき‐べ垣辺】 垣のほとり。壬二みに集「いくばくの田を作ればか山がつの―の谷に鳴子引くらむ」 がき‐へんしゅう餓鬼偏執‥シフ 他人の迷惑も考えず自分の考えに固執すること。自己主義の人。がきへんず。甲陽軍鑑10「己をもつて人にたくらべ、―は武篇不案内の故かくのごとし」 がき‐へんず餓鬼偏執】 「がきへんしゅう」の転訛。 かき‐ほ垣穂】 (「ほ」は上にあらわれて見えるものの意)垣。垣根。古今和歌集「山がつの―にはへる青つづら」 ⇒かきほ‐がくれ【垣穂隠れ】 ⇒かきほ‐なす【垣穂なす】 かきほ‐がくれ垣穂隠れ】 垣に隠れること。続後拾遺和歌集「山がつの―のくずかづら」 ⇒かき‐ほ【垣穂】 かき‐ほぐし書きほぐし】 書き損じてほごにしたもの。かきくずし。 かぎ‐ホック鉤ホック】 金属製の鉤と受けとから成る洋服の留具。 かきほ‐なす垣穂なす】 (人や人の言葉などを修飾する慣用的な言い方)垣のように取り囲んで邪魔をする。万葉集4「―人辞ひとごと聞きて」→なす(如) ⇒かき‐ほ【垣穂】 がき‐ぼね餓鬼骨】 障子・襖ふすまなどの細く粗末な骨。誹風柳多留84「―へつかまり立ちの親しらず」 かき‐ほん書本】 ①手書きした本。写本。 ②書写の際、もととする本。 ③大字で書き、節付けのある浄瑠璃正本。 かき‐ま垣間】 垣のすきま。万葉集10「妹が―は荒れにけるかも」 ⇒かきま‐み【垣間見】 かき‐まぎらわ・す書き紛らはす‥マギラハス 〔他四〕 (誰が書いたか)まぎらわしいように書く。源氏物語夕顔「そこはかとなく―・したるも」 かき‐まぎらわ・す掻き紛らはす‥マギラハス 〔他四〕 目立たないようにする。相模集「―・してこまやかにやりてしかば」 かき‐まぎ・る掻き紛る】 〔自下二〕 まぎれる。目立たなくなる。源氏物語薄雲「世の常の覚えに―・れたらば」 かき‐まく・る書き捲る】 〔他五〕 文章などをやたらに書く。「駄文を―・る」 かき‐まさり書き勝り】 書いたものが、実際のものや想像したより勝っていること。枕草子117「―するもの、松の木、秋の野、山里」↔かきおとり かき‐まぜ掻き混ぜ・掻き雑ぜ】 ①かきまぜること。また、そのもの。 ②他とかきまぜられる程度のこと。ありふれたもの。浜松中納言物語3「―のきはだに、かやうの艶ある暁の別れを」 かき‐ま・ぜる掻き混ぜる・掻き雑ぜる】 〔他下一〕[文]かきま・ず(下二) かきまわして混合する。まぜあわせる。源氏物語総角「あじろの氷魚を心よせ奉りて色々の木の葉に―・ぜてもてあそぶを」。「湯を―・ぜる」「話を―・ぜる」 かきま‐み垣間見(→)「かいまみ」に同じ。神代紀「天孫の―したまふことを知りて」 ⇒かき‐ま【垣間】 かきま・みる垣間見る】 〔他上一〕 (→)「かいまみる」に同じ。 かき‐まめ籬豆】 藤豆・隠元豆・黒豆・豌豆えんどう豆など、蔓つる性の豆の俗称。 かき‐まゆ描き眉】 眉墨で形を整えて描いた眉。 かぎ‐まゆ鉤眉】 鉤のように折れ曲がった眉。狂言、今参「―で候ふ物」 かき‐まわ・す掻き回す‥マハス 〔他五〕 ①かきまぜる。ごちゃごちゃにする。 ②勝手にふるまって混乱させる。「会議を―・す」 かぎ‐まわ・る嗅ぎ回る‥マハル 〔他五〕 ①あちこち匂いをかいで歩く。 ②隠された事柄を知ろうとして、あちこち探り歩く。「刑事が付近を―・る」 かきみ‐ぐさ垣見草】 〔植〕ウツギの異称。 かき‐みそ牡蠣味噌】 カキの身を生のままあるいは火を通してからすってまぜた味噌。 かき‐みだ・す掻き乱す】 〔他五〕 かきまぜてみだす。混乱させる。風雅和歌集「―・す寝くたれ髪の眉墨も」。「よその家庭を―・す」 かき‐みだ・る書き乱る】 〔他四〕 乱雑に書く。源氏物語浮舟「筆にまかせて―・り給へるしも見どころあり」 かき‐みだ・る掻き乱る】 〔自四・下二〕 「みだる」を強めていう語。和泉式部日記「いかに侍るにか、心地の―・る心地のみして」。源氏物語澪標「雪みぞれ―・れ荒るる日」 かき・みる掻き廻る】 〔自上一〕 漕ぎめぐる。古事記「うち廻る島の埼々、―・みる磯の埼落ちず」 かき‐む・く掻き向く】 〔他下二〕 向ける。また、抱いて向ける。大鏡道隆「御病つきて失せ給ひける時、西に―・け奉りて」 かぎ‐むし鉤虫】 有爪ゆうそう動物門の動物の総称。 がき‐むしゃ餓鬼武者】 数えるに足らぬ武者。へろへろ武士。浄瑠璃、文武五人男「猶も群がる―ども」 かき‐むし・る掻き毟る】 〔他五〕 ひっかいてむしる。むやみに掻く。「髪の毛を―・る」 かき‐むす・ぶ掻き結ぶ】 〔他四〕 「結ぶ」を強めていう語。約束を結ぶ。万葉集9「―・び常世とこよに至り」 かき‐むだ・く掻き抱く】 〔他四〕 (カキイダクの古形)抱く。万葉集14「―・き寝れど飽かぬを」 かき‐めし牡蠣飯】 カキ入りの炊込み御飯。 がき‐めし餓鬼飯】 (香川県の小豆島で)盆勧進ぼんかんじんのこと。 かき‐も垣面】 垣のおもて。太平記35「―の柴のしばしばも」 かき‐もじ書き文字】 活字やパソコンの文字に対して、手で書いた文字。 かき‐もち欠餅】 ①正月11日に取り下げた鏡餅を、刃物で切ることを忌み、手で欠いて小さくしたもの。 ②餅を薄く切って乾燥したもの。あぶり焼いて食す。 ③あられもち。〈物類称呼〉 かき‐もち柿餅】 カキの実をすりつぶして糯米もちごめ・粳米うるちまいの粉とともに練り合わせて蒸し、短冊形に切った餅菓子。山城国(京都府)宇治辻の坊の名産。

がき‐ひき【餓饑牽】🔗🔉

がき‐ひき餓饑牽】 こよりの両端のそれぞれを、互いに小指と親指ではさみ持ち、引きくらべする遊戯。歌舞伎、五大力恋緘「指角力―のやうなことして遊んでゐる」

がき‐びょう【餓鬼病】‥ビヤウ🔗🔉

がき‐びょう餓鬼病‥ビヤウ (→)「がきやみ」に同じ。古今著聞集16「返事に―をやみ候ぞと答へたりければ」

がき‐へんしゅう【餓鬼偏執】‥シフ🔗🔉

がき‐へんしゅう餓鬼偏執‥シフ 他人の迷惑も考えず自分の考えに固執すること。自己主義の人。がきへんず。甲陽軍鑑10「己をもつて人にたくらべ、―は武篇不案内の故かくのごとし」

がき‐へんず【餓鬼偏執】🔗🔉

がき‐へんず餓鬼偏執】 「がきへんしゅう」の転訛。

がき‐ぼね【餓鬼骨】🔗🔉

がき‐ぼね餓鬼骨】 障子・襖ふすまなどの細く粗末な骨。誹風柳多留84「―へつかまり立ちの親しらず」

がき‐むしゃ【餓鬼武者】🔗🔉

がき‐むしゃ餓鬼武者】 数えるに足らぬ武者。へろへろ武士。浄瑠璃、文武五人男「猶も群がる―ども」

がき‐めし【餓鬼飯】🔗🔉

がき‐めし餓鬼飯】 (香川県の小豆島で)盆勧進ぼんかんじんのこと。

○餓鬼も人数がきもにんじゅ🔗🔉

○餓鬼も人数がきもにんじゅ つまらぬ者でも、人数の中に加えられると多少の効はある。 ⇒が‐き【餓鬼】 かき‐もの書き物】 ①書いたもの。文書。 ②文章などを書くこと。「終日―をする」 ⇒かきもの‐だい【書き物台】 かぎもの‐きき嗅物聴】 (ふつうの斥候を「物見」というのに対して)夜間隠密に行動する斥候をいう。甲陽軍鑑15「かまりの物見は―といふ」 かきもの‐だい書き物台】 書き物をする台。 ⇒かき‐もの【書き物】 かき‐もみじ柿紅葉‥モミヂ 柿の葉の紅葉。〈[季]秋〉 かき‐もよう書模様‥ヤウ 筆で書いた衣服の模様。→染模様→縫模様 かき‐もら・す書き漏らす】 〔他五〕 書き入れることを忘れる。書き落とす。源氏物語椎本「例の―・したるなめり」。「名前を―・す」 かき‐もん書紋】 筆で書いた衣服の紋、模様。→染抜き紋→縫紋ぬいもん かき‐もん嘉喜門】 平安京大内裏の朝堂院二十五門の一つ。北面で、昭慶門の東にある。東廂門。 かき‐もんいん嘉喜門院‥ヰン 南北朝時代の歌人。後村上天皇の女御。後亀山天皇の生母。名を勝子と伝える。阿野実為の女むすめか。歌集「嘉喜門院御集」。 かき‐もんくかき文句】 だまし文句。うれしがらせの言葉。洒落本、辰巳婦言「機にのぞみ変に応じて、意味無量の―をあらはす」 かき‐や垣屋】 ①城の門。神代紀「城闕かきや崇華たかくかざり」 ②垣に添って建てた家。 かき‐や掛矢(→)「かけや」に同じ。 かぎ‐や (陰屋か。中国地方で)女の月経時・出産時の居室または別棟小屋のこと。→たや(他屋) かぎ‐や鍵屋】 ①鍵を造り、または売る店。 ②江戸の花火屋の屋号。元祖鍵屋弥兵衛。1659年(万治2)創立。玉屋と共に両国川開きの花火で有名。 ③〔建〕曲屋まがりや・角屋造つのやづくりの別称。 か‐きゃく貨客クワ‥ 貨物と乗客。 ⇒かきゃく‐しゃ【貨客車】 ⇒かきゃく‐せん【貨客船】 か‐きゃく過客クワ‥ ⇒かかく かき‐やく書役】 ①文書の草案を作ったり筆写したりする役。ものかき。書記。 ②町代ちょうだいの異称。 か‐ぎゃく加虐】 他人をいじめること。虐待を加えること。↔被虐 か‐ぎゃく可逆】 逆もどりし得ること。 ⇒かぎゃく‐きかん【可逆機関】 ⇒かぎゃく‐でんち【可逆電池】 ⇒かぎゃく‐はんのう【可逆反応】 ⇒かぎゃく‐へんか【可逆変化】 か‐ぎゃく苛虐】 いじめ苦しめること。むごく扱うこと。 かぎ‐やく鎰役】 中世・近世、人家の自在鎰じざいかぎの数に応じて、すなわち所帯別に取り立てた税。→竈役かまどやく が‐きゃく賀客】 (ガカクとも)祝賀にくる客。特に、年賀にくる客。〈[季]新年〉 かぎゃく‐きかん可逆機関‥クワン 全過程がすべて可逆変化から成り立っているような熱機関。カルノー‐サイクルの類。 ⇒か‐ぎゃく【可逆】 かきゃく‐しゃ貨客車クワ‥ 旅客と貨物を共に輸送する設備を備えた自動車。 ⇒か‐きゃく【貨客】 かきゃく‐せん貨客船クワ‥ 13名以上の旅客と貨物を積載する船。→貨物船 ⇒か‐きゃく【貨客】 かぎゃく‐でんち可逆電池】 二次電池のこと。電流の向きを逆にすることで電池内部の反応を逆に進めることができ、充電・放電が可能になる。 ⇒か‐ぎゃく【可逆】 かぎゃく‐はんのう可逆反応‥オウ 原系から生成系に向かう正反応が進むのと同時に、生成系から原系に向かう逆反応が起こるような化学反応。酢酸とエチル‐アルコールからエステル(酢酸エチル)と水が生じる反応の類。 ⇒か‐ぎゃく【可逆】 かぎゃく‐へんか可逆変化‥クワ 〔理〕状態Aにある系が状態Bに変化する際に、その系以外に生じた変化が、Bの状態を再びAの状態に戻すときに全く打ち消されるならば、AからBへの変化を可逆変化といい、そうでない変化を不可逆変化という。摩擦や抵抗がない理想的な力学的変化は可逆変化であるが、実際の変化はすべて不可逆変化である。 ⇒か‐ぎゃく【可逆】 かき‐やぐら舁櫓】 かついで動かせる程度の簡略な櫓。だしやぐら。 かき‐やすら・う書き休らふ‥ヤスラフ 〔自四〕 ためらいながら書く。源氏物語野分「筆の先うち見つつ、こまやかに―・ひ給へる」 かき‐やね牡蠣屋根(→)牡蠣殻かきがら屋根に同じ。 かき‐やぶり垣破り】 垣を破って無理に通ろうとすることから転じて、ひたむき。一途いちず。東海道名所記「その松にさはりたればとて律義を忘るる道理なしと、―に申しければ」 かきやまぶし柿山伏】 狂言。山伏が柿を盗み食い、柿の持主に愚弄され猿や鳶のまねをさせられる。 がき‐やみ餓鬼病】 ①食物をのみこむのに苦しんで、身体のやせおとろえる病。 ②飢餓感から常に食物をほしがる病。がきびょう。脾疳ひかん。 ③ハンセン病のこと。 かぎ‐やり鉤槍】 穂に鉤を付けた槍。敵の槍をからみおとすのに用いる。 かき‐や・る書き遣る】 〔他四〕 ①書いてやる。書きおくる。源氏物語浮舟「いかではるばると―・り給ふらむ」 ②つかえずに書く。源氏物語御法「袖のいとまなく、え―・り給はず」 かき‐や・る掻き遣る】 〔他四〕 手で掻き払う。払いのける。かいやる。源氏物語蓬生「かたびらをすこし―・り給へれば」 か‐きゅう下級‥キフ 下の等級。下の学級。↔上級。 ⇒かきゅう‐かんちょう【下級官庁】 ⇒かきゅう‐さいばんしょ【下級裁判所】 ⇒かきゅう‐しん【下級審】 ⇒かきゅう‐せい【下級生】 か‐きゅう火急クワキフ 火が燃え広がるように急なこと。非常にさしせまっていること。徒然草「今―の事ありて、すでに朝夕に迫れり」。「―の用事」「―の間に合わない」 か‐きゅう火球クワキウ 特に明るく大きな流星。時に音を発し、しばらく尾を残すものがある。 か‐きゅう加級‥キフ ①階級をあげのぼすこと。加階。 ②役人の位・俸給を進めること。 か‐きゅう加給‥キフ 給料を増し加えること。増給。 か‐きゅう花厩クワキウ 美しく立派なうまや。 か‐ぎゅう火牛クワギウ 牛の角に、刀を束ね、尾に葦を結び付けて点火し、夜に乗じて敵軍に放ちやるもの。古代中国、斉の田単の奇策。「火牛の計」といわれる。 か‐ぎゅう蝸牛クワギウ ①かたつむり。 ②蝸牛殻の略。 ⇒かぎゅう‐かく【蝸牛殻】 ⇒かぎゅう‐かん【蝸牛管】 ⇒かぎゅう‐の‐いおり【蝸牛の庵】 ⇒蝸牛角上の争い かぎゅう蝸牛クワギウ 狂言。山伏が、自分は蝸牛かたつむりだと言って、蝸牛を知らぬ太郎冠者をだまし、蝸牛の歌をうたい舞う。 かぎゅう‐かく蝸牛殻クワギウ‥ 内耳の一部。側頭骨内にある、蝸牛(かたつむり)の殻状に湾曲した器官。内側に音を感受する蝸牛管がある。蝸牛。→耳(図)⇒か‐ぎゅう【蝸牛】

がき‐やみ【餓鬼病】🔗🔉

がき‐やみ餓鬼病】 ①食物をのみこむのに苦しんで、身体のやせおとろえる病。 ②飢餓感から常に食物をほしがる病。がきびょう。脾疳ひかん。 ③ハンセン病のこと。

が‐こ【餓虎】🔗🔉

が‐こ餓虎】 ①飢えた虎。極めて危険なことのたとえ。 ②欲深く乱暴な人物のたとえ。

が‐し【餓死】🔗🔉

が‐し餓死】 うえて死ぬこと。かつえじに。うえじに。

がし‐せん【餓死線】🔗🔉

がし‐せん餓死線】 まさに餓死しようとするぎりぎりのところ。「―上にある人々」

が‐しん【餓死】🔗🔉

が‐しん餓死】 ガシの訛。狂言、朝比奈「ぢごくの―もつての外な」

かつ・う【飢う・餓う】🔗🔉

かつ・う飢う・餓う】 〔自下二〕 ⇒かつえる(下一)

かつえ‐じに【飢え死に・餓え死に】カツヱ‥🔗🔉

かつえ‐じに飢え死に・餓え死にカツヱ‥ かつえて死ぬこと。うえじに。尾崎紅葉、おぼろ舟「お親父様とっさまも我等二人の―をよい気味とはお思召すまじ」

かつ・える【飢える・餓える】カツヱル🔗🔉

かつ・える飢える・餓えるカツヱル 〔自下一〕[文]かつ・う(下二) (室町時代以後ヤ行下二段にも活用) ①うえる。空腹になる。史記抄「王者たるほどの者が―・ゑ死ぬるぞ」 ②甚だしく欠乏を感じる。頻りに欲しがる。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「色けに―・ゑしこの島なれば」

がっき‐め【餓鬼奴】🔗🔉

がっき‐め餓鬼奴】 (ガキメの転)相手をののしる語。醒睡笑「―覚えたるぞといふまま」

が‐ひょう【餓莩】‥ヘウ🔗🔉

が‐ひょう餓莩‥ヘウ 餓死した人。太平記1「―野に満ちて」

[漢]餓🔗🔉

 字形  筆順 〔食(飠・)部7画/15画/常用/1878・326E〕 [] 字形 〔食(飠・)部7画/16画〕 〔音〕(呉)(漢) 〔訓〕うえる [意味] 空腹で苦しむ。うえる。「飢餓・餓死・餓鬼」 [解字] 形声。「食」+音符「我」(=ごつごつしている)。うえて骨がごつごつあらわれる意。

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