あん （安・行・〈按・暗・〈鞍・〈闇） →【字音語の造語成分】

あん［安］ [一](一)危険が無い。やすらか。 「安楽・安静・安泰・平安」 (二)やすめる。やすんじる。 「安心・慰安」 (三)手軽な。たやすい。 「安易・安直」 (四)値段がやすい。 「安価」 [二]（略） アンモニウム。 「硫安」

あん［行］ 〔字の唐音〕 (一)旅に行く。 「行脚^アンギヤ・行宮^アングウ」 (二)持ち運ぶ。 「行灯^アンドン・行火^アンカ」

あん［按］ (一)おさえる。なでさする。 「按摩・按腹^プク」 (二)考える。調べる。 「按分」

あん［暗］ (一)明くろずんだ。 「暗赤色」 (二)おろか。 「暗君・暗愚」 (三)△人に知られないように（表向きは教えないで）何かをする。 「暗殺・暗示」 (四)△書いたりしないで（書いた物を見ないで）何かをする。 「暗記・暗算^ザン・暗譜^プ」 [表記](四)は、「〈諳」とも書く。

あん［鞍］ 馬の背に載せるくら。 「鞍上・鞍馬」

あん［闇］ 暗(一)(三) 「諒闇^{リヨウアン}」

あん【案】[1] (一)いいくふうが無いか、あれこれと考えること。また、その考え。〔狭義では、提案・考案・意見を指す〕 「―〔＝計画〕を練る／思い切った―を打ち出す／△再建（具体）―が練られる／名―・新―・腹―・思―・―出」 (二)原案。 「―を立てる〔＝原案を作る〕／まだ―〔＝下書き〕として書いたに過ぎない／予算―が通る／草―・改訂―[3]」 (三)前もってそうなるだろうと思うこと。 「―〔＝予想〕に相違して／―外」

あん【庵】[1] 世を捨てた人が住む、草ぶきの小さな家。いおり。 「―を結ぶ／草―・僧―」 〔文人・茶人の住居の雅号、料理屋・そば屋などの屋号にも用いられる〕 [かぞえ方]一軒・一宇

あん【暗】[1] くらい部分。くらさ。 「勝負を分ける明と―／―中・―夜・明―」明

あん【餡】[1] (一)アズキ・インゲンなどを煮てつぶし、砂糖を加えた食品。あんこ（ろ）。 (二)野菜・果物などを煮て、「餡(一)」のようにしたもの。 (三)煮たり いためたり した野菜などに掛けるもの。くずを溶かした汁で どろりとさせる。くずあん。