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うっすり【薄り】🔗🔉

うっすり【薄り】 〔副〕=うっすら(薄)*俳・深川「うっすりと門の瓦に雪降て」

うっ‐・する【鬱する】🔗🔉

うっ‐・する【鬱する】 〔自サ変〕うっ・す〔自サ変〕心がはればれとしないでふさがる。憂鬱になる。 〔他サ変〕うっ・す〔他サ変〕 1 ふさぐ。閉じる。 2 (麹などを)むす。ねかす。

うつせ【空・虚】🔗🔉

うつせ【空・虚】 1 空虚。から。*浄・聖徳太子絵伝記‐三「手を通さねば便なき袖はうつせのうちかけ姿」 2 「うつせがい(空貝)1」の略。

うつせ‐がい【空貝・虚貝】(‥がひ)🔗🔉

うつせ‐がい【空貝・虚貝】(‥がひ) 1 海辺などにある、肉がぬけて、からになった貝。貝がら。古くは特に海辺にある巻き貝の殻をいう。うつせ。 2 和歌で序詞や枕詞のように用いる。 (1の意から)「実なし」「むなし」などを言い起こす。(離れ離れになった二枚貝の殻の意から)「あわず」「われる」などを言い起こす。同音反復で、「うつし心」「うつつ」などを言い起こす。 3 「つめたがい(螺貝)」の異名。 4 「うずらがい(鶉貝)」の異名。

うっ‐せき【鬱積】🔗🔉

うっ‐せき【鬱積】 1 外に出られないで、あたりがふさがるほどに積もること。「部屋に鬱積している悪臭」 2 不平、怒り、悩みなどの感情が、おさえつけられて心の中にこもり積もること。「長年鬱積した不平不満」

うつせみ【空蝉・虚蝉】🔗🔉

うつせみ【空蝉・虚蝉】 (「み」は万葉仮名の甲類の文字で書かれているから「身(乙類)」ではなく、「現身」とすることはできない。「うつしおみ(現臣)」が「うつそみ」となり、さらに変化した語という) 1 この世に生きている人。*万葉‐一五〇「空蝉(うつせみ)し神に堪(あ)へねば離れ居て朝嘆く君」 2 現世。この世。人の世。うつそみ。*万葉‐四一八五「宇都世美(ウツセミ)は恋を繁みと」 (1を、「虚蝉」「空蝉」などと表記したところから「うつ‐せみ」と意識されて) 1 蝉のぬけがら。*古今‐四四八「空蝉のからは木ごとにとどむれど」 2 蝉。*後撰‐一九五「うつせみの声きくからに物ぞ思ふ」 3 (その音が蝉の声に似るところから)楽器の一種「けい(磬)」の異称。 4 魂が抜け去ったさま。気ぬけ。虚脱状態。*天理本狂言・鳴子「わがこいはもぬけの衣(きぬ)のうつせみの」 5 蛻(もぬけ)の殻の形容。からっぽ。「空蝉のもぬけの如く」 6 遊里で、客に揚げられた遊女が手洗いに立ったふりをして、他のなじみ客の所に行って逢うこと。また、それによる空床。 7 安永頃の遊女の髷(まげ)の名。形は島田髷に似る。 (空蝉) 「源氏物語」第三帖の名。帚木の後半を受け、源氏一七歳の夏、三度目に空蝉に近づいたが、空蝉が薄衣をぬぎすべらしてのがれることを中心に描く。後から挿入された短編的性格の巻といわれる。 源氏をめぐる女性の一人で、故衛門督の娘。伊予介の後妻。一度は源氏に身を許したが、不釣合の身を反省して、以後源氏を避け続ける。夫の死後尼となったが、源氏に二条院に迎えられる。 謡曲。三番目物。宝生流。「源氏物語」による。旅僧が都の三条京極中川を訪れると、空蝉の亡霊が現われて光源氏との恋物語をし、僧の回向をうけて成仏する。番外曲。 ●空蝉の世(よ) 1 この世。現世。 2 (「うつせみ」を「虚蝉」などと表記してきたところから仏教の無常感と結び付いて)はかないこの世。*古今‐七三「うつせみの世にもにたるか花ざくらさくとみしまにかつちりにけり」

日国 ページ 2075