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あに【豈】🔗🔉

あに【豈】 〔副〕 1 反語表現に用いる。どうして。何として。 推量の助動詞「む」に助詞「や」を添えた形をあとに伴う場合。まれに「や」のつかない例もある。*万葉‐三四五「一坏(ひとつき)の濁れる酒に豈(あに)まさめやも」*小川本願経四分律平安初期点‐甲「可(アニ)現世に大(いた)く財富を得て、事少くあらむ」打消の助動詞「ず」に助詞「や」を添えた形をあとに伴う場合。*大乗広百論釈論承和八年点「豈空といふ論も此と過亦斉(ひとし)きにあらずや」 2 (あとに打消表現を伴って)決して。*書紀‐仁徳二二年正月・歌謡「隠(かく)み宿(やだ)りは阿珥(アニ)良くもあらず」 ●豈=図(はか)らん(や)[=図りきや] 次に来る文で表現される事態が予想外の時に使う。 1 (「…とは」「…と」「…ことを」などという表現を伴って)そんなことを予想しただろうか。*枕‐一六一「あにはかりきや、太政官の地の今やかうの庭とならんことを」 2 (「…とは」との呼応がなくなり副詞的に)思いがけないことには。「豈計らん成績意外にあがり」

あにい【兄】🔗🔉

あにい【兄】 1 あにき。あに。 2 勇み肌の若者。また、その若者を呼ぶ語。多く江戸、東京地方で用いる。また、今日では、やくざが年長の男子をさしていう。 3 近世、あまり賢くない若者を呼ぶ語。

あにいもうと🔗🔉

あにいもうと 小説。室生犀星作。昭和九年発表。放蕩者の兄と身をもちくずした妹との愛憎の葛藤を生々しく描く。

あに‐うえ【兄上】(‥うへ)🔗🔉

あに‐うえ【兄上】(‥うへ) 兄を敬っていう語。

あに‐おとと【兄弟】🔗🔉

あに‐おとと【兄弟】 兄と弟。きょうだい。

あに‐がい【兄甲斐】(‥がひ)🔗🔉

あに‐がい【兄甲斐】(‥がひ) 兄であることの価値。

あに‐き【兄貴】🔗🔉

あに‐き【兄貴】 (「あにぎみ(兄君)」の変化した語か。「貴」は当て字) 1 兄を敬って、また、親しんでいう語。にいさん。 2 若者またはやくざ仲間などで年長の者、勢力のある者を呼ぶ敬称、愛称。 3 男が他の者より年長であること。「ぼくの方が二つあにきだ」

日国 ページ 531