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ば【場】🔗🔉

ば【場】 あいている所。物などを置く所。 「足の踏み━もない」 あることが起こる、また、行われている所。 「その━に居合わせる」 「活動の━」 あることが行われている所の状況。 「━がしらける」 劇・映画などの一場面。シーン。 「第一幕第二━」 「修羅━」 取引所で、売買をする所。立会い場。 「━が立つ」 ◆「場所」「場面」「現場」など、漢語のように使われるが、「ば」は和語。「にわ(庭)」の転という。 関連語 大分類‖所‖ところ 中分類‖‖ところ

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接助 前に示す事態の成立が後に示す事態の実現のための条件であることを示す。 順接の仮定条件未成立の事柄を仮定して、条件として示す。もし、…たら。…なら。 「今すぐ出発すれ間に合うでしょう」 順接の恒常条件その条件のもとで常にある事柄が成立する場合の条件を示す。 「春になれ雪が溶ける」 「会え必ずけんかだ」 《多く、前で述べる表現に「さえ」を伴って》後の事態が成立するために満たすべき条件を挙げる。 「あと彼さえ来れ、メンバーがう」 「これさえあれあとは何も要らない」 反実仮想事実と異なる事柄を仮定して、想像される事態を導く。 「もう少し早く出れ間に合っただろうに」 「羽があれ彼女の所に行けるのに」 「この間の試験、あと一〇点取っていれなあ」 後に示される認識や判断のきっかけを示す。 事実や状況を認識するきっかけとなった行為を示す。 「よく見れ人違いだった」 「ふと気がつけすっかり暗くなっていた」 「見上げれ一面の星空」 判断の根拠を示す。 「ここまで来れ安心だろう」 「あれだけやれ合格するのも当然だ」 伝聞や発話の由来を前置きとして示す。 「ニュースによれ南米で地震があったそうだ」 「聞け些細なことが原因なのだそうだ」 「率直に言え君の考えはおかしい」 《「…ばいい」「…ば宜よろしい」などの形で、また、上昇調のイントネーションを伴って「…ば」で言いさして》そうする[なる]のが適当であるという気持ちを表す。また、提案・勧め・忠告・放任などの気持ちを表す。…たらいい。…といい。 「君は黙って聞いていれいいんだよ」 「ほしがっているんだから、買ってやれいいじゃない」 「別れたければ別れれいいさ」 「出荷元に問い合わせてみれ」 「痛かったら、さっさと医者に行け」 「もう好きにすれ 《「…ばいいのに」「…ばいい(のだ)が」や、「…ばなあ」「…ばねえ」などの言いさす形で》実現を望んだり現状がそうでないことを惜しんだりする気持ちを表す。…たら[と]いい(のに)。 「雨がやめいいのに」 「適当な店が見つかれいいのだが」 「あいつがもう少しテニスがうまけれなあ」 《「…ばよかった(のに)」などの形で》実現しなかったことに対する後悔や非難の気持ちを表す。 「彼になんか会わなけれよかった」 「もっと早く来れよかったのに」 《「…といえば」「…ならば」などの形で》直前に使われた語句を話題として示す。 「山田といえ最近姿を見せないね」 「茶碗ならそこにある」 《「からすれば」「とすれば」「にすれば」の形で体言を受けて》後に述べることがもっともだと思われる、特定の立場を示す。…としては。…としたら。 「学校とすれ認めるわけにはいかない」 「彼にすれ親切心から出た行為だったのだろう」 「彼女の立場からすれ腹を立てるのも当然だ」 《「AすればAするほど」などの形で》動作や状態が進むにつれて。…すれ[なら]ばその分。 「やれやるほど面白くなる」 「考えれ考えるほど分からない」 「多けれ多いほどいい」 《「AもすればBもする」の形で》同類の事柄を並べて述べる。…もするし…もする。…でもあり…でもある。 「雨もふれ風も吹く」 「職もなけれ家もない」 《「…とすれば」の形で》限定的な条件を示して、後に、そこから当然導かれる判断や意見を示す。…なら。…とすると。…の(ん)だったら。 「やるとすれ今しかない」 「十時に出たとすれもう着いているだろう」 「親も同居するとすれ増築しなくてはならない」 「四次元の世界があるとすれ、どのようなものだと思いますか」 文語事実を挙げ、理由として示す(順接の確定条件)。…なので。…だから。 「十一月の二十八日は旦那さまお誕生日なりけれ、年毎お友達の方々招き参らせて一葉」 ◆ 活用語の仮定形に付く。文語では、は未然形に、は已然いぜん形に付く。も已然形に付く。未然形接続の例として現在でも「死なもろとも」「笑わ笑え」「すきあらとねらう」などがある。 俗な話し言葉では、仮定形のエ段音と融合して、拗音の「ゃ(あ)」の形になることがある。「(行けば→)行きゃ(あ)」「(すれば→)すりゃ(あ)」「(寒ければ→あ)寒けりゃ」。ただし、の言いさしの用法は拗音の形にはならない。 格助格助詞「を」+副助詞「は」が「をば」→「ば」と転じたもの。九州方言で、「…を」に同じ。→ 「なんしよっと?」

明鏡国語辞典 ページ 4845