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0485.07 文末・存在[文末]🔗🔉

0485.07 文末・存在[文末] (1)〜にある あった いる いた 宿している [文例] ●聖公会と書いた、古びた木札の掛けてある、赤く塗った門を這入ると瓦で築き上げた花壇が二つある。[森鴎外] ●写真を見た。端麗、といってよい青年の顔がそこにある。[吉行淳之介] ●酒場のドアを開くと、カウンターに並んで飲んでいる客たちの背中が眼に入ってきた。左側のシートに若い男を挟んで杉子と祐子が座っていて、テーブルの上に酒のグラスがあった。[吉行淳之介] ●十七日の夜、市長の招宴は、私の宿の聚楽にあった。[川端康成] ●目たたく間に二重硝子はことごとく曇を帯びて雫を宿した。[井伏鱒二] (2)下げてある 置いてある 並んでいる 覗いている ひろがっている; 転がっている 投げだしてある 掘ってある; 浮かんでいる 遊んでいる; 植わっている 立ててある; 建っている 坐っている; 萎んでいる 青々している [文例] ●バルコニーに出た××の目に、真っ青な空がひろがった。[吉行淳之介] ●(トランクが)地面の底からせり上ってきたように、そこに置かれている。[吉行淳之介] ●巣は東側の外壁に弔り下げてあるのであった。[森鴎外] ●打ち見たところ可なり稠密に家屋がならんでいて…[井伏鱒二] ●その傍に円石を畳んだ井戸があって、どの石の隙間からも赤い蟹が覗いている。[森鴎外] ●苺の鮮かな赤。〜がはじめて顔を出した。[吉行淳之介] ●その狭い口から溢れ盛り上った膿が一挙に姿を見せた。[吉行淳之介] ●変に白っぽくみえる唇の蔭から、金歯がちいさく光っていた。[三浦哲郎] ●赤牛たちの横腹が一日の終りの陽を浴びて薔薇色に燃え立っているのでした。[三浦哲郎] ●表通りの家並のあいだに、細い路地が口を開いていた。[吉行淳之介] ●(バスは)走り去ってしまった。取残された二人の前に、平たい地面のひろがりがある。[吉行淳之介] ●八ヶ岳の裾野は富士の裾野よりも大きく広々と伸びている。[井伏鱒二] ●指し示された方角へ向って、歩き出した。並木に挟まれた道が、ながながとつづく。[吉行淳之介] ●名も知らぬ島々が其処此処に静かに浮んでいる。[志賀直哉] ●[木が]褪せた緑色をして埃をかぶって汚れている。[吉行淳之介] ●青い空にかすれた雲が長く引っぱってある。[志賀直哉] ●実際気持のいい朝だった。…遠い空で雁の淡い一列が動いて居る。[志賀直哉] (3)誰某の顔が見える 見る 見える 見えている 遠く望まれる; 認める 認めた 数えられる 数えられた; 〜の声もする; 気配がある 気配がする; 支配する 領する [文例] ●ドアを開くと、眼の前に綺麗に化粧した顔があった。[吉行淳之介] ●その曲り角に、人影が二つ立っていた。[吉行淳之介] ●男女とも全裸で、例外としてニッパ椰子の葉を前に垂らしている者が三人か四人ぐらい数えられた。[井伏鱒二] 0485.08 文末・不在[文末] 見当たらない 影も形もない 見えない 無い 〜の顔が無い [文例] ●〜玉枝の気配がない。[吉行淳之介] ●脱哉(だっさい)はこうして私達の視野から消えて行った…[志賀直哉] ●舵も帆布も波にさらわれてしまった。[井伏鱒二] ●歳晩の詩は此年も蘭軒集中に見えない。[森鴎外] ●秋の終りで、樹木は葉を落している。[吉行淳之介]

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