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くる [1] 【来る】 (動カ変)[文]カ変 く🔗🔉

くる [1] 【来る】 (動カ変)[文]カ変 く (1)話し手のいる方へ近づく。(ア)(話し手と動作者とが別の場合)話し手が今いる場所,または話し手の領域にやってくる。自分のいる方に接近・到着する。「こっちへ〈こい〉」「客が〈くる〉」「やっと電車が〈き〉た」(イ)(話し手と動作者とが同一の場合)話し手の今いる地点を現在以外の時に訪れる。やってくる。「一〇年前に一度〈き〉たことがある」「この道はいつか〈き〉た道」「あしたまた〈くる〉よ」 (2)動作者が,話し手とともに移動する。目的地に自分を置いた気持ちでいう場合には「行く」で表現することも可能。「映画を見にいく所なんだけど一緒に〈こ〉ないか」「あしたのハイキング,あの人も〈くる〉の」 (3)物が運ばれて,話し手のもとに到達する。「ミロのビーナスが今度また日本に〈くる〉そうだ」「やっと返事が〈き〉た」「先月発注した品物がまだ〈こ〉ない」 (4)風・光などが話し手の方に到達・接近する。また,地震・雨などの自然現象が話し手のいる場所に起こる。「いい風が〈くる〉」「電波の〈くる〉方向にアンテナを向ける」「このへんで一雨〈き〉てくれるといいのだが」 (5)時間が経過して,その季節・時期・順番になる。「春が〈き〉た」「もうすぐ返済の期限が〈くる〉」「やっと私の番が〈き〉た」 (6)ある事態が出現する。(ア)事態が進行して,ある段階にたち至る。「体力はもう限界に〈き〉ている」「交渉は土壇場に〈き〉て難航している」(イ)(「そこへきて」「…の所へきて」の形で)ある悪い事態の上にさらによくない事態が積み重なる。そこへ持って来て。「毎晩残業でくたくただ。そこへ〈き〉てこの暑さだから参った」「もともと二月は客の少ないところへ〈き〉てこの大雪だ」 (7)(「…からくる」の形で)…がその由来・原因となっている。…のために生ずる。「心のゆるみから〈くる〉事故」「風俗習慣の違いから〈くる〉誤解」「英語から〈き〉た外来語」 (8)ある特定の位置を占める。「句読点が行の頭に〈こ〉ないようにする」「本の目次は普通最初に〈くる〉」 (9)病気・故障・劣化などの異常が肉体や物のある部分にあらわれる。「しびれが〈くる〉」「今年の風邪は胃腸に〈くる〉」「体のあちこちにガタが〈くる〉」「飽きの〈こ〉ない色と柄」「かびが〈き〉た餅」 (10)電気・電話・鉄道・水道などが話し手の方へ通じる。「村に電気が〈くる〉」 (11)ある知覚・感覚が生じる。「鼻にツンと〈くる〉におい」「手にびりっと〈き〉た」「頭にぴんと〈き〉た」「胸にじいんと〈くる〉」「かちんと〈くる〉物の言い方」「どうもしっくり〈こ〉ない」 (12)(「よしきた」の形で)承知した。「よし〈き〉た,まかせておけ」 (13)(「…ときたら」「…ときた日には」「…ときているから」などの形で)あるものを話題にとりあげて示す。「うちの亭主と〈き〉たら」「うまい上に安いと〈き〉ているから,いつも満席だ」「鯛の刺身に灘の生一本と〈き〉た日には,こたえられないね」 (14)(「頭にくる」の形で)立腹することを俗にいう。「また遅れてきたので頭に〈き〉た」 (15)(「…にくる」の形で)ある人を慕う気持ちがおこる。「是れ程我等に〈くる〉事,何とも合点がゆかぬ/浮世草子・一代女 1」 (16)(「腹がくる」の形で)空腹になる。「少し腹が〈き〉たわえ/洒落本・通言総籬」 (17)(補助動詞) 動詞の連用形またはこれに「て(で)」の付いた形に付いて,動作が進行し,また,事態が推移する意を表す。(ア)話し手の方へ向かって動作が行われ,その話し手の方へ近づく意を表す。「少年がこっちへ走って〈き〉た」「蜂が飛んで〈き〉た」(イ)(戻ることを前提にして)動作が行われる意を表す。動作の実現・完了に重点が置かれる場合もある。「ちょっと見て〈くる〉よ」「うちへ帰ってカバンを置いて〈くる〉よ」(ウ)ある事態が出現し,またある現象が現れる意を表す。「生まれて〈くる〉子供のために」「なくした本が出て〈き〉た」(エ)動作が継続・反復されて現在に至るまで続く意を表す。「生まれてからずうっとこの村で暮らして〈き〉た」「いつも,ひとに迷惑をかけるな,といって〈き〉たはずだ」(オ)事態が進行してある段階に至る意を表す。「眠くなって〈き〉た」「沖へより潮満ち〈く〉らし/万葉 3642」 (18)行く。目的地を基準にしていう。「富士の山びに我が〈き〉なばいづち向きてか妹が嘆かむ/万葉 3357」

大辞林 ページ 143081 での来る動カ変単語。