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さ・す [1] 【差す】 (動サ五[四])🔗🔉

さ・す [1] 【差す】 (動サ五[四]) 〔「刺す」「指す」「挿す」などと同源〕 (1)(「射す」とも書く)光が入り込む。日光が当たる。「窓から日が―・す」「雲の切れ間から薄日が―・す」「後光が―・す」 (2)相撲で,自分の腕を相手の腕と胴の間に入れてまわしをつかむ。「立ち合い一気に左を―・す」 (3)相手に酒をすすめる。「杯を―・す」 (4)(「点す」とも書く)ある部分に色をつける。「頬に紅(ベニ)を―・す」「口紅を―・す」 (5)(「点す」とも書く)漢文の文章に,句読点や訓点を書き入れる。加点する。「声点(シヨウテン)を―・す」 (6)手を,上または前のほうに出す。(ア)頭をおおうように傘を持つ。かざす。「日傘を―・す」(イ)舞で,手を前に伸ばす。「―・す手引く手」(ウ)両手で物を高く上にあげる。さしあげる。「イシヲ―・ス/ヘボン」 (7)潮が満ちてくる。「潮が―・してくる」 (8)色が現れる。「頬に赤味が―・してきた」「血の気が―・してくる」 (9)(「熱がさす」などの形で)熱が出る。「くだりも留(トマ)りませず,大ねつが―・しまして/浮世草子・織留 4」 (10)ある気持ちが生じる。「嫌気が―・す」「眠気が―・す」 (11)姿がちらりと見える。「木立ちの間に人影が―・す」 (12)(「気がさす」の形で)うしろめたい気持ちになる。気がとがめる。「居留守を使うのは気が―・す」 (13)(「魔がさす」の形で)心に魔物がはいり込んだかのように,一瞬,悪い考えを起こす。「あんなことをするとは魔が―・したとしか言いようがない」 (14)物差しで寸法を測る。「丈を―・して見ると八尺足りなかつたり/西洋道中膝栗毛(魯文)」 (15)机・箪笥(タンス)・箱などを作る。「松の木の箱を―・して/浮世草子・武道伝来記 1」 (16)(「止す」とも書く)動詞の連用形に付いて用いる。(ア)動作を中途でやめる意を表す。…しかける。…し残す。「おのおの親ありければ,つつみていひ―・してやみにけり/伊勢 86」(イ)動作が中途でやんだままの状態であることを表す。…しかかる。「しばし入り―・して/源氏(宿木)」 〔現代でも,「用もなき文など長く書き―・してふと人こひし街に出てゆく/一握の砂(啄木)」などのように,時に用いることがある。→さし(止)〕 (17)印を押す。「私に太政官の印(オシデ)を―・して事を行ふ/水鏡(廃帝)」 (18)さしつかえる。さしさわる。「いや,事介は少お寺に―・す事有る/浄瑠璃・薩摩歌」 (19)物を組み立てる。また,張りめぐらす。「ほととぎす鳴くと人告ぐ網―・さましを/万葉 3918」 (20)帯やひもをしめる。むすぶ。「(名高イ御帯ヲ)しひて―・させ奉り給ふ/源氏(紅葉賀)」 (21)草木の葉や枝が伸び出す。茂って物をおおうようになる。「西の方に―・せりける枝のもみぢ始めたりけるを/古今(秋下詞)」 [可能] させる [慣用] 気が―・潮が―・熱が―・魔が―

大辞林 ページ 144971 での差す動サ五[四]単語。