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■一■ (接助) 活用語の終止形に付いて,前後の句を接続する。強調の気持ちをこめて,並列・順接・逆接などの関係で下に続ける働きを示す。 (1)事実や条件を並べて示し,強調する。「しゃべっている人もいない―,横を向く人もいない」「むし暑い―,風はない―,まったく参った」 (2)一つまたは二つ以上の事実や条件を示し,それがあとの事柄(結果・判断)の原因・理由となっていることを表す。「お金はある―,時間はある―,映画でも見よう」「家も近くです―,また参ります」 (3)文末にあって,事実・条件を言いさし,それから導かれる結果・判断を言外にひびかせて表す(終助詞的な用法)。「ああ面白かった。席もすいていた―ね」 (4)相反する条件・事柄を並べたてる。「遊びには行きたい―,暇はない―,面白くない」 (5)(打ち消し推量の助動詞「まい」に付いて)逆接条件を表す。…ものを。…のに。「子供でもあるまい―,飴玉をくれるとはね」 〔この助詞は,中世から見られる形容詞の終止形による接続用法から,その語尾が遊離・独立して成立した。近世以降多く用いられるようになった〕 ■二■ (副助) 〔指示語「し」の転という〕 文中にあって種々の語に付き,上の語の意味を指示・強調する。「宇治のみやこの仮廬(カリイオ)―思ほゆ/万葉 7」「うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとり―思へば/万葉 4292」「ほのぼのと明石の浦の朝霧に島がくれゆく舟を―ぞ思ふ/古今(羇旅)」「ありと―ある人は皆浮雲の思ひをなせり/方丈記」 ■三■ (間投助) (1)詠嘆の意を表す。間投助詞「や」「よ」の下に重ね用いられることが多い。「はしきよ―我家(ワギエ)の方ゆ雲居立ち来(ク)も/日本書紀(景行)」 (2)(感動詞や他の間投助詞とともに用いられて)語調を調え,囃子詞(ハヤシコトバ)を構成する。「今はよ今はよああ―やを今だにも吾子よ今だにも吾子よ/日本書紀(神武)」

大辞林 ページ 145330 での単語。