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つ (助動)(て・て・つ・つる・つれ・てよ)🔗🔉

(助動)(て・て・つ・つる・つれ・てよ) 完了の助動詞。下二段型活用。用言および助動詞「る」「らる」「す」「さす」「しむ」などの連用形に接続する。 (1)動作・作用が完了すること。また,すでに完了してしまったことを表す。…た。…てしまう。…てしまった。「我も見〈つ〉人にも告げむ勝鹿の真間の手児名が奥つき処/万葉 432」「死にければ,陣の外に引き棄て〈つ〉/枕草子 9」 (2)ある事柄が実現することを確信をもって述べるのに用いる。たしかに…する。きっと…する。「冬は雪をあはれぶ。積もり消ゆるさま罪障にたとへ〈つ〉べし/方丈記」「この事かの事怠らず成じ〈て〉ん/徒然 241」 (3)ある事実に対する確認の気持ちを表す。…た。「真木柱太き心はありしかどこの我(ア)が心鎮めかね〈つ〉も/万葉 190」 (4)(「…つ…つ」の形で)二つの動作・作用が同時にまたは継起して行われることを表す。…たり…たりする。「僧都,乗つてはおり〈つ〉,おりてはのつ〈つ〉,あらまし事をぞし給ひける/平家 3」「組ん〈づ〉組まれ〈つ〉,討ち〈つ〉討たれ〈つ〉,敵も御方(ミカタ)も隙のなきこそおもしろけれ/盛衰記 22」 〔(1)語源は,動詞「うつ(棄つ)」の「う」が脱落したものかという。(2)完了の助動詞「ぬ」とほぼ同じ意味・用法であるが,「つ」と「ぬ」との間には,次のような差異がみられる。(a)「つ」は他動詞に,「ぬ」は自動詞に付くことが多い。(b)「つ」は有意的動作を,「ぬ」は自然的作用を表す。(3)(4)の「…つ…つ」の用法は中世以降発達したもの。現代語では用法が固定化し,並立助詞として扱われる〕 →つ(並立助)

大辞林 ページ 149588 での助動て単語。