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のう 【能】🔗🔉

のう 【能】 □一□ [1] (1)物事を成し遂げることのできる力。はたらき。「―もなければ芸もない」「―無し」 (2)得意とすること。自慢とすること。「しゃべるだけが―じゃない」 (3)ききめ。効能。「―書き」 (4)わざ。技芸。芸能。「―ある遊び法師ども/徒然 54」 □二□ [0][1] (1)日本の中世芸能で,舞踊と劇の要素を含んだもの。猿楽能・田楽能・延年能など。 (2){(1)}のうち,特に猿楽能のこと。南北朝・室町時代に観阿弥・世阿弥父子が将軍足利義満の保護を受けて大成した歌舞劇で,江戸時代は幕府の式楽として栄えた。明治以降は能楽ともいうが,この場合広義には狂言を含む。舞(マイ)と謡(ウタイ)と囃子(ハヤシ)の三要素から成り,囃子は笛・小鼓・大鼓・太鼓の四楽器で奏される。主人公を演じるのはシテ方,その相手役を演じるのはワキ方,楽器を演奏するのは囃子方と,それぞれの役が専門職として分化している。それぞれに流派があり,現在シテ方には観世・宝生・金春(コンパル)・金剛・喜多の五流がある。謡の詞章は謡曲といい,題材は源氏物語や平家物語など古典からとられることが多く,現在上演可能な作品として約二三五番を伝えている。これらは五番立てで演じられる際の上演順によって,脇能物(初番目物)・修羅(シユラ)物(二番目物)・鬘(カズラ)物(三番目物)・雑物(四番目物)・切能(五番目物)に分類され,俗に,神男女狂鬼(シンナンニヨキヨウキ)という。

大辞林 ページ 151787 での単語。