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は・る [0] 【張る】 (動ラ五[四])🔗⭐🔉
は・る [0] 【張る】 (動ラ五[四])
□一□(自動詞)
(1)物の表面などを一面におおうように広がる。「池に氷が―・る」「蜘蛛(クモ)の巣が―・った廃屋」
(2)木の根や枝が四方八方に大きく広がる。「四方に根が―・る」
(3)ゆるみなくひきしまる。「凧(タコ)の糸が―・る」
(4)突き出したり角立ったりしていて目立つ。「あごの―・った男」
(5)ふくれて,はちきれそうになる。「食べ過ぎて腹が―・る」「乳が―・る」「青柳の―・りて立てれば/万葉 3443」
(6)筋肉が固くなる。凝(コ)る。「肩が―・る」
(7)感情のはたらきが強くなる。盛んになる。「欲の皮が―・る」「食い意地が―・る」
(8)(「気が張る」の形で)精神が緊張する。「気が―・っていたので疲れを感じなかった」
(9)数量・程度などが普通以上に大きくなる。「嵩(カサ)が―・る」「仕事ガ―・ル/ヘボン(三版)」
(10)他人に負けまいとして張り合う。「お金子(カネ)で―・る事も出来るけれど/社会百面相(魯庵)」
(11)(多く「ハル」と書く)謡(ウタイ)や浄瑠璃などの音曲で,高い声,大きな声を出す。「『君をいはひて』『はひて』と―・るべからず/申楽談儀」
□二□(他動詞)
(1)布状・網状・糸状の物を,たるまないように広げて固定する。「テントを―・る」「テニスのネットを―・る」「ロープを―・る」
(2)(「貼る」とも書く)板状の物を何枚もつなぎ合わせて平面を作る。「化粧板で天井を―・る」「床板を―・る」
(3)(多く「貼る」と書く)糊(ノリ)などをつけて物を平らな面につける。「封筒に切手を―・る」「ポスターを―・る」「傷口に絆創膏(バンソウコウ)を―・る」「タイルを―・って壁を仕上げる」
(4)水などを,一面に満たす。「風呂桶(オケ)に水を―・る」「田んぼに水を―・る」
(5)草木が根や枝を四方八方に大きくのばす。「大地に根を―・る」「四方に枝を―・る」
(1)人が肘(ヒジ)・肩・胸などを突き出したり広げたりして,大きく見えるようにする。「肘を―・る」「肩を―・って歩く」
(2)(「胸を張る」の形で)人が自分の自信や正当性を示すために,胸を大きく反らせる。「胸を―・って答える」
(3)(「声を張る」の形で)高い声・大きな声を出す。張り上げる。「声を―・って助けを求める」
(4)大きく開く。目をはる。「眼(マナコ)を―・り呼吸(イキ)を凝して/運命論者(独歩)」
(5)無理をして押し通す。(ア)強引にある態度や気持ちを押し通す。「意地を―・る」「強情を―・る」「我(ガ)を―・る」(イ)ある感情を強くする。盛んにする。「欲を―・りすぎて失敗する」(ウ)無理にうわべをかざる。「虚勢を―・る」「見えを―・る」(エ)(「気を張る」の形で)気前をよくする。きばる。「気を―・つて段々御馳走申ければ/浮世草子・禁短気」
賭ける。「有り金全部を―・る」「ヤマを―・る」「相場を―・る」
(1)(「体を張る」の形で)危険をかえりみずに事に当たる。「おれは体を―・って生きているんだ」
(2)ある地位・立場に身を置く。「横綱を―・る」
(3)相手に対抗する。(ア)(「向こうを張る」の形で)相手の行動に対抗するような行動をとる。「ライバル会社の向こうを―・って新型車を売り出す」(イ)一つのものを複数の者が手に入れようとして争う。「源三さんと同じ女子(オナゴ)―・つた時なぞ/南小泉村(青果)」
(1)広げるようにして構え設ける。「祝宴を―・る」「論陣を―・る」「所帯を―・る」「つまらねえ店でも斯(コ)うして―・つてるから/真景累ヶ淵(円朝)」「宇陀の高城に鴫罠(シギワナ)―・る/古事記(中)」
(2)(「勢力を張る」などの形で)ある場所において勢力をもっている。「関八州に勢力を―・る」
(3)人を見張る。また,人を待ちうける。「―・り込む」
(「撲る」とも書く)
(1)平手で打つ。「横っ面(ツラ)を―・る」「切った―・ったの大乱闘」
(2)相撲で,張り手を使う。
(1)将棋の駒を盤上のある箇所に置く。「持ち駒を―・る」
(2)奮いたたせる。「喇叭(ラツパ)を吹立て軍勢力を―・り/浮城物語(竜渓)」
[可能] はれる
[慣用] 網を―・煙幕を―・肩肘(カタヒジ)―・金で面(ツラ)を―・根が―・門出を―/鈴を張ったよう







大辞林 ページ 152529 での【張る動ラ五[四]】単語。