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らむ (助動)(〇・〇・らむ・らむ・らめ・〇)🔗🔉

らむ (助動)(〇・〇・らむ・らむ・らめ・〇) 〔平安中期以降,終止形・連体形の「らむ」は「らん」と発音されるようになり,「らん」とも書かれる〕 推量の助動詞。動詞やそれと同じ活用型の助動詞の終止形に付く。ただし,ラ変の動詞およびそれと同じ活用型の語には連体形に付く。 (1)話し手が現在の事態に対し,それがはっきりしないことについて推量する意を表す。…であるだろう。今ごろは…しているだろう。「いづくにか舟泊(フナハ)てす〈らむ〉安礼(アレ)の崎漕ぎたみ行きし棚なし小舟/万葉 58」「袖ひぢて結びし水のこほれるを春立つ今日の風やとく〈らむ〉/古今(春上)」 (2)話し手が実際に経験している状況について,その原因・理由などを推量する意を表す。それだから…なのだろう。どうして…なのだろう。…のだろう。「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散る〈らむ〉/古今(春下)」「かく危ふき枝の上にて,安き心ありて睡(ネブ)る〈らん〉よ/徒然 41」 (3)(連体修飾文節に用いて)他から聞いたこと,一般に言われていることなどをやわらげた形で表現するのに用いる。「古(イニシエ)に恋ふ〈らむ〉鳥はほととぎすけだしや鳴きし我(ア)が思へるごと/万葉 112」「蓬莱といふ〈らむ〉山にあふやと海に漕ぎただよひありきて/竹取」 〔(1)「らむ」の「む」は推量の助動詞「む」と同源と考えられているが,「ら」についてはいくつかの説があって,なお決定していない。(2)上代では,上一段活用の動詞「見る」には,その連用形「み」に付く(中古にもその例がある)。「人皆の見〈らむ〉松浦の玉島を見ずてや我は恋ひつつ居らむ/万葉 862」「春立てば花とや見〈らむ〉白雪のかかれる枝にうぐひすの鳴く/古今(春上)」(3)中世以降,「らう」の形が現れる。→ろう(助動)〕

大辞林 ページ 156558 での助動〇単語。