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うぬ【汝・己】🔗🔉

うぬ 【汝・己】 〔「おの(己)」の転〕 ■一■ (代) (1)二人称。相手をののしっていう語。「そんなら―がとこのかかあめは/滑稽本・浮世風呂 2」 (2)反照代名詞。自分自身。「暗い晩―が声色通るなり/柳多留 16」 ■二■ [0][1] (感) 相手の言葉や態度に憤慨したときに発する語。「―,失敬なやつだ」

うら【己】🔗🔉

うら 【己】 (代) 一人称。主として下賤の者が用いる。おれ。おのれ。「―が親方の背戸ぐちに/滑稽本・膝栗毛(初)」

おどれ【己】🔗🔉

おどれ 【己】 (代) 〔「おのれ」の転〕 二人称。相手をののしっていう語。うぬ。きさま。「―は又,人売りの請けでな/浮世草子・胸算用 4」

おの【己】🔗🔉

おの 【己】 (代) (1)反照代名詞。その人またはそのもの自身をさす語。「罪もなき人をうけへば忘れ草―が上にぞ生ふといふなる/伊勢 31」 (2)一人称。わたくし。われ。「まだ幼くて―がもとに渡り給ひにしかば/落窪 3」 〔「おのが」の形か,あるいは「おのおの」「おのづま」など複合語としてのみ用いられる〕

おの-れ【己】🔗🔉

おの-れ [0] 【己】 ■一■ (代) (1)反照代名詞。その人自身,またはその物自体をさす。自分。自分自身。「―の分を心得る」「白き花ぞ―ひとりゑみの眉開けたる/源氏(夕顔)」 (2)一人称。卑下の意を込めて用いることが多い。「―は五条西洞院のほとりに候ふ翁に候ふ/宇治拾遺 1」 (3)二人称。目下の人に対して,または相手を見下し,ののしっていう時に用いる。お前。きさま。「かく賤しき―がもとにしばしおはしつるなり/竹取」 ■二■ (副) ひとりでに。自然に。「松の木の―起きかへりて/源氏(末摘花)」 ■三■ (感) 怒りや悔しさを表す語。「―,よくも裏切ったな」

おら【己】🔗🔉

おら 【己】 (代) 一人称。おれ。おいら。「―が所のかかさんときちやあ/滑稽本・浮世風呂 2」 〔男性が用いるぞんざいな言い方の語であるが,近世江戸語では町人の女性も用いた〕

き【己】🔗🔉

[1] 【己】 十干の第六。つちのと。

つち-の-と【己】🔗🔉

つち-の-と [3] 【己】 〔「土の弟(ト)」の意〕 十干(ジツカン)の第六。

な【己・汝】🔗🔉

【己・汝】 (代) (1)一人称。わたくし。自分。自分自身。「常世辺(トコヨヘ)に住むべきものを剣太刀(ツルギタチ)―が心からおそやこの君/万葉 1741」 (2)二人称。対等もしくはそれ以下の相手に対して用いる。おまえ。なんじ。「吾はもよ女(メ)にしあれば,―を除(オキ)て男(オ)はなし,―を除て夫(ツマ)はなし/古事記(上)」「ほととぎす―が鳴く里のあまたあればなほうとまれぬ/古今(夏)」 〔上代には(1)よりも(2)の例が多い。(2)も中古になると「なが」という形でだけ用いられ,やがて用いられなくなる〕 →なれ(汝)

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