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うえ ウヘ 【上】🔗🔉

うえ ウヘ 【上】 ■一■ [0] (名) □一□ (1)基準とする点より相対的に高い方向,または位置。「―を向く」「―の棚には洋酒を並べる」 (2)ある物の上方の面。「机の―に本を置く」「橋の―から川を見下ろす」 (3)ある物の表面。また,表面に出る方。外側。「―にセーターを着る」「墨筆の―に朱で訂正を加える」 (4)紙などを人の前に置いた時,その人から遠い方向,または位置。「―から三字目は何と読むのか」「本文の―に頭注をつける」 (5)連続しているものの,順序が先の部分。「―に述べたように」「―に『ら』のつく言葉を言って下さい」 (6)地位・能力・品質などが優れている方。「―の方から指令がきた」「技術は彼の方が―だ」「この―の品が欲しい」 (7)年齢が多い方。年長。「彼女は私より三歳―です」「―の兄」 (8)(形式名詞) (ア)(「…上で(は)」の形で)…という観点からは。…の面では。「理論の―ではそうだが,実際はどうか」「暦の―ではもう春だ」「生活する―で特に支障はなさそうだ」(イ)(「…上は」の形で)…である以上は。…であるからには。「かくなる―は決行あるのみ」(ウ)(「…上(に)」の形で)…に加えて。…であるところにさらに。「御馳走になった―,おみやげまでもらった」「彼は頭がよい―に,実行力もある」(エ)(「…上(で)」の形で)…したのち。…の結果として。「署名・押印の―窓口に提出して下さい」「十分調査した―で御返事します」{(1)},{(3)}〜{(7)} ⇔下(シタ) 〔(8)の場合,アクセントは [2]〕 □二□ (1)貴人のいる所。(ア)天皇または上皇の御座所。「―にさぶらふをのこども/古今(秋上詞)」(イ)身分の高い人の部屋。また,目上の人のいる場所。「おもとは今宵は―にやさぶらひ給ひつる/源氏(空蝉)」 (2)身分の高い人。(ア)天皇または上皇。「源氏の君は,―の常に召しまつはせば/源氏(桐壺)」(イ)将軍。公方(クボウ)。「かやうの子細―へ申し入れて/曾我 5」(ウ)貴人の妻。北の方。「中宮権大夫殿の―/大鏡(道長)」 (3)表面の態度。うわべ。「―はつれなく操づくり/源氏(帚木)」 (4)付近。あたり。「あらたへの藤原が―に/万葉 50」 (5)(形式名詞) (ア)人間や物事について,それに関すること。「君が―はさやかに聞きつ思ひしごとく/万葉 4474」(イ)貴人の妻の呼び名に添えて,敬意を表す語。「紫の―/源氏(藤袴)」 ■二■ (接尾) 名詞に付いて,目上の人間に対する敬意を表す。「父―」「姉―」 〔もともと「うえ‐した」は物の表裏を表し,「かみ‐しも」が高低(上下)を表していたが,後者が形式化したため,前者が高低(上下)の意をもつようになった〕

大辞林 ページ 139201