かく・る 【隠る】 ■一■ （動ラ四） 〔上代語。下二段活用より古い形〕 かくれる。「青山に日が―・らばぬばたまの夜は出でなむ/古事記（上）」 ■二■ （動ラ下二） ⇒かくれる

かくれ [3] 【隠れ】 （１）かくれること。また人に知られないでいること。「―場所」 （２）（「おかくれ」の形で）身分の高い人が死去すること。 →おかくれ （３）〔近世は「かぐれ」とも〕 人に見えない所。ものかげ。「物の―よりしばし見ゐたるに/徒然 32」

――もない 広く世間によく知れ渡っている。「―事実」

かくれ-あそび [4] 【隠れ遊び】 （１）子供の遊戯の一。かくれんぼう。 （２）人に隠れて遊興をすること。

かくれ-いわ ―イハ [3] 【隠れ岩】 水中にかくれて見えない岩。暗礁。

かくれ-うお ―ウヲ [3] 【隠れ魚】 スズキ目の海魚。全長約20センチメートル。体は細長くて側扁し，尾部は次第にとがる。鱗がなく，肛門がのどのところに開く。昼間はフジナマコなどの腸内にかくれすみ，片利共生の好例とされる。本州中部以南に分布。

かくれ-おに [3] 【隠れ鬼】 ⇒隠(カク)れん坊(ボウ)

かくれ-が 【隠れ処】 人目につかない所。ものかげ。「御方は―の御後見にて卑下し物し給へる/源氏（若菜下）」

かくれ-が [3] 【隠れ家】 人目を避けてひそんでいる家や場所。「犯人の―が見つかる」

かくれ-がさ [4] 【隠れ笠】 （１）かぶれば，姿を隠すことができるという想像上の笠。「かくれみの―をも得てしがな/拾遺（雑賀）」 （２）エイザンスミレの異名。

かくれ-がに [3] 【隠れ蟹】 カクレガニ属のカニの総称。甲は丸く無毛で柔らかい。雌は甲長7ミリメートル内外で，雄はきわめて小さい。二枚貝・巻貝・ナマコ・ホヤなどの外套腔や肛腔内に入り込み，餌を横取りする。本州以南に分布。ピンノ。