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くれない-の ―ナ― 【紅の】 (枕詞)🔗🔉

くれない-の ―ナ― 【紅の】 (枕詞) (1)「色」にかかる。「言ふことの恐(カシコ)き国そ―色にな出でそ思ひ死ぬとも/万葉 683」 (2)薄い(浅い)色の紅色(クレナイイロ)のあることから,「浅」を含む地名「浅葉の野」にかかる。「―浅葉の野らに刈る草の/万葉 2763」 (3)紅色を移すということから,「うつし心」にかかる。「言痛(コチタ)くはかもかもせむを―現(ウツ)し心や妹に逢はざらむ/万葉 1343」 (4)紅花はふり立てて色を出すことから,「ふり出づ」にかかる。「―ふり出でつつ泣く涙には/古今(恋二)」 (5)紅染めに灰汁(アク)を用いることから,「飽く」にかかる。「限りなく思ひそめてし―ひとを飽くにぞかへらざりける/拾遺(恋五)」 (6)紅色で何度もそめることから,何度も染める意の「やしほ」を含む「やしほの岡」にかかる。「―やしほの岡の紅葉ばを/新勅撰(秋下)」

くれない-の-うすよう ―ナ―ウスヤウ 【紅の薄様】🔗🔉

くれない-の-うすよう ―ナ―ウスヤウ 【紅の薄様】 (1)紅色の薄い鳥の子紙。 (2)「紅匂(クレナイニオ)い」に同じ。

くれない-の-そうぞく ―ナ―サウゾク 【紅の装束】🔗🔉

くれない-の-そうぞく ―ナ―サウゾク 【紅の装束】 表袴(ウエノハカマ)の裏と大口を赤,衵(アコメ)と単(ヒトエ)を紅にした束帯装束。成年の者が用いる。

くれない-の-ちり ―ナ― 【紅の塵】🔗🔉

くれない-の-ちり ―ナ― 【紅の塵】 〔「紅塵」の訓読み〕 浮世の塵。世俗の中。「苔ふかき緑の洞ぞ―のほかなるすみかなりける/新撰六帖 1」

くれない-の-なみだ ―ナ― 【紅の涙】🔗🔉

くれない-の-なみだ ―ナ― 【紅の涙】 〔「紅涙」の訓読み〕 並々ならぬ悲しみや感動のために流す涙。血の涙。「朝に見て夕に遅なはる程だに―を落とすに/宇津保(俊蔭)」

くれない-の-は ―ナ― 【紅の葉】🔗🔉

くれない-の-は ―ナ― 【紅の葉】 〔「紅葉」の訓読み〕 もみじ。「幾しほのもみぢふりてか立田姫―を深く染むらむ/相模集」

くれない-の-はかま ―ナ― 【紅の袴】🔗🔉

くれない-の-はかま ―ナ― 【紅の袴】 盛装した女性の着る紅色の袴。緋(ヒ)の袴。

くれない-の-ふで ―ナ― 【紅の筆】🔗🔉

くれない-の-ふで ―ナ― 【紅の筆】 紅色の軸の筆。女性が用いた。転じて,恋文。「ふみそめて思ひ帰りし―のすさびをいかで見せけむ/金葉(恋上)」

大辞林 ページ 143117