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し-て [0] (接続)🔗⭐🔉
し-て [0] (接続)
〔動詞「する」の連用形「し」に接続助詞「て」の付いたものから〕
(1)話題を転換して,相手に何か尋ねたり確かめたりするとき用いる語。ところで。さて。「金のことは承知した。―いくらいるんだ」「『いやようござつた。こちらへ通らせられい』『―そなたは女房衆を往なせたとなう』/狂言・乞聟」
(2)前の文を受けて順接的に次の文につなぐ語。そして。そこで。「和同させて太平にしないたぞ。―尚書の官になつたぞ/蒙求抄 1」
し-て🔗⭐🔉
し-て
〔動詞「する」の連用形「し」に接続助詞「て」の付いたものから〕
■一■ (格助)
(1)動作の手段・方法などを表す。「で」の意。「みんな―やればすぐにできる」「火ばし―はさむ事なし/徒然 213」
(2)(「をして」の形で)使役の対象を表す。古くは「して」だけでもいう。「彼を―そのような態度をとらしめたものは何か」「かぢとり―ぬさたいまつらするに/土左」
(3)(「にして」の形で)動作の行われる時間を表す。古くは空間を示すのにも用いられた。「一瞬に―消え去った」「売り出してからわずか一〇分に―売り切れてしまった」「これやこの大和に―は我(ア)が恋ふる紀路にありといふ名に負ふ背の山/万葉 35」
■二■ (接助)
形容詞・形容動詞,および助動詞「ず」の連用形に接続する。上の語句を受けて,下に続ける働きをする。「労多く―功少ない仕事だ」「明瞭に―かつ簡潔な文章だ」「止むことを得ず―なすべき事おほし/徒然 123」「久しからず―,亡じにし者どもなり/平家 1」
■三■ (副助)
特にはっきりした意味はなく,ただ語調を整えるのに用いる。「期せず―意見が一致した」「この映画は題名から―変わっている」「神代より―,さるかざしとなりけむ/枕草子 66」
〔この語は上代からあり,むしろ古語で多く用いられた。現代語では古語の「して」の用法の残存したものとみられる。なお,古くは「し」にサ変動詞としての意味が残っている場合もあり,それは連語とみるべきものである〕
大辞林 ページ 145773。