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ぬ 【野】🔗⭐🔉
ぬ 【野】
□一□「の」を表す万葉仮名「努」「怒」「弩」などを,近世の国学者が「ぬ」を表すものと誤解してできた語。万葉集の訓読や和歌などに用いられた。例えば,「東の野にかぎろひの/万葉 48」
□二□「の(野)」の東国方言。「千葉の―の児手柏(コノテカシワ)の含(ホホ)まれど/万葉 4387」
ぬ 【瓊】🔗⭐🔉
ぬ 【瓊】
玉。「天の―矛/古事記(上)」
ぬ 【寝・寐】 (動ナ下二)🔗⭐🔉
ぬ 【寝・寐】 (動ナ下二)
⇒ねる(寝)
ぬ (助動)(〇・ず・ぬ(ん)・ぬ(ん)・ね・〇)🔗⭐🔉
ぬ (助動)(〇・ず・ぬ(ん)・ぬ(ん)・ね・〇)
〔打ち消しの助動詞「ず」の連体形「ぬ」が終止形にも用いられるようになったもの〕
動詞,助動詞「れる・られる」「せる・させる」「ます」などの未然形に付く。ただし,サ行変格活用の動詞には,未然形のうちの「せ」の形に付く。
(1)動作・作用を打ち消す意を表す。ない。「規則を破るようなことは到底許され〈ぬ〉ことだ」「気圧配置もだいぶ春めいてきたから,近いうちに暖かい日がおとずれ〈ぬ〉こともあるまい」
(2)(「ぬ(ん)」や「ません」に終助詞「か」を付けたり,文末の「ません」に上昇調のイントネーションを付けたりして)相手に対する婉曲(エンキヨク)な希望や,勧誘・依頼の気持ちを表す。「僕にもその事を話してくれ〈ぬ〉か」「今夜,いっしょに映画でも見に行きませ〈ん〉か」「この返事,あなた,書いてくれませ〈ん〉」
(3)(「…てはならぬ」「…てはいかん」などの形で)不許可や禁止の意を表す。「ここから入ってはなら〈ぬ〉」「集合時刻におくれてはいか〈ん〉ぞ」
(4)(「…ねばならぬ」「…なくてはいかん」などの形で)当然や義務の意を表す。「早急にギャンブルを規制しなくてはいか〈ん〉」「被害者には十分なつぐないをせ〈ね〉ばなら〈ぬ〉」
(5)(「…ぬともよい」「んでもいい」などの形で)許容や許可の意を表す。「ここでは,いちいち切符は切ら〈ぬ〉ともよい」「今夜は帰りがおそくなるから,夕食の支度はせ〈ん〉でもいい」
〔(1)現代語の打ち消しの助動詞としては他に「ない」がある。「ない」は話し言葉や書き言葉に広く用いられるが,「ぬ」は「ない」より用法が限られる。「ぬ」はやや古風な言い方や書き言葉的なものに用いられる。「ぬ」の終止形・連体形は話し言葉では「ん」の形で用いられることが多い。特に助動詞「ます」に付くときは,「ません」のように「ん」の形が一般に用いられる。(2)本来,古語の推量の助動詞「む」から生じたと考えられる「あらん限り」「泣かんばかり」の「ん」との混同から,「あらぬ限り」「泣かぬばかり」などの言い方がみられる。「あら〈ぬ〉限りの力を振りしぼって頑張った」「それは当然の事だと言は〈ぬ〉ばかりの顔をした」〕
→ず(助動)
大辞林 ページ 151609。