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わん-わん [1]🔗🔉

わん-わん [1] ■一■ (副) (「と」を伴っても用いる) (1)犬のほえる声を表す語。「犬が―(と)鳴く」 (2)人が大声で泣く声を表す語。「子供が―(と)泣く」 (3)声や音がやかましいさま。また,それが反響する音。「スピーカーが―(と)響く」「蚊が―(と)襲って来る」 ■二■ (名) 〔幼児語〕 犬。

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(1)五十音図ワ行第二段の仮名。現在は「い」と発音上区別がなく,現代仮名遣いではこの仮名を用いない。しかし,歴史的仮名遣いでは「い」と区別して用いる。 (2)平仮名「ゐ」は「為」の草体。片仮名「ヰ」は「井」の全画の変形。 〔「ゐ」は古くは「い」と発音上区別があったが,のち,両者は発音上の区別がなくなった〕

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(1)五十音図ワ行第四段の仮名。現在は「え」と発音上区別がなく,現代仮名遣いではこの仮名を用いない。しかし,歴史的仮名遣いでは「え」と区別して用いる。 (2)平仮名「ゑ」は「恵」の草体。片仮名「ヱ」も「恵」の草体からの変形かという。 〔「ゑ」は古くは「え」と発音上区別があったが,のち,両者は発音上の区別がなくなった〕

ゑ (終助)🔗🔉

(終助) 〔上代語〕 ⇒え(終助)

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(1)五十音図ワ行第五段の仮名。現在は「お」と発音上区別がなく,現代仮名遣いでは,助詞「を」以外には,この仮名を用いない。しかし,歴史的仮名遣いでは「お」と区別して用いる。 (2)平仮名「を」は「遠」の草体。片仮名「ヲ」は「乎」の初三画の変形。 〔「を」は古くは「お」と発音上区別があったが,のち,両者は発音上の区別がなくなった〕

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■一■ (格助) 体言またはそれに準ずる語に付く。 (1)動作・作用の対象を表す。「本―読む」「講演―終わる」「太刀が緒もいまだ解かずて襲(オスヒ)―もいまだ解かねば/古事記(上)」 (2)使役表現において動作の主体を表す。「子供―泣かせないようにして下さい」「今年こそ美しい花―咲かせよう」 (3)移動性の動作の経過する場所を表す。「いつもの道―通る」「大空―飛ぶ」「新治筑波―過ぎて幾夜か寝つる/古事記(中)」 (4)動作・作用の行われる時間・期間を表す。「この一年―無事に生きてきた」「今―盛りに咲く」「朝日照る佐田の岡辺に鳴く鳥の夜泣き反らふこの年ころ―/万葉 192」 (5)動作の出発点・分離点を表す。「毎朝九時に家―出ます」「バス―降りてから五分ほど歩く」「故郷―離れる」「たらちねの母―別れてまこと我旅の仮廬(カリホ)に安く寝むかも/万葉 4348」 (6)希望・好悪などの心情の向けられる対象を表す。現代語では「が」も用いられる。「水―飲みたい」「君―好きな人はずいぶんいるよ」「身―惜しとも思ひたらず/徒然 9」 (7)(サ変動詞とともに用いられて)「…を…として」「…を…にする」「…を…にして」など,さまざまな表現のしかたをつくる。「首相―はじめとして,大臣がずらりと並ぶ」「ひとの失敗―他山の石とする」 (8)動詞と同じような意味をもつ名詞に付いて,一種の慣用句をつくる。「白真弓斐太(ヒダ)の細江の菅鳥の妹に恋ふれか眠(イ)―寝(ネ)かねつる/万葉 3092」「しのび音(ネ)―のみ泣きて,その年もかへりぬ/更級」 ■二■ (接助) 活用語の連体形に接続する。 (1)逆接の場合。前件と後件とが内容上相応しないような関係で,前後を結び付ける。…のに。「今はとてまかる―,何事もいささかなることもえせで遣はすこと/伊勢 16」 (2)順接の場合。前件が後件の原因・理由であるような関係で,前後を結び付ける。…ので。…だから。「たえて宮仕つかうまつるべくもあらず侍る―,もてわづらひ侍り/竹取」 (3)単純な接続の場合。…したところ。「この殿,大将にても,先を追はれける―,土御門相国(ツチミカドノシヨウコク),…と申されければ/徒然 196」 ■三■ (間投助) (1)文末にあって,活用語の連体形や言い切りの形,または体言を受け,詠嘆の気持ちを表す。「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣―/古事記(上)」「宇治川を舟渡せ―と呼ばへども聞えずあらし梶の音もせず/万葉 1138」「老いらくの来むと知りせば門さしてなしと答へて逢はざらまし―/古今(雑上)」 (2)文中用法。(ア)意志・希望・命令の文中にあって,詠嘆の気持ちをこめて,語調を整える。「生ける者遂にも死ぬるものにあればこの世なる間は楽しく―あらな/万葉 349」「恋ひしくは下に―思へ紫のねずりの衣色にいづなゆめ/古今(恋三)」(イ)情意の対象を詠嘆的に指示する。「紫のにほへる妹―憎くあらば人妻ゆゑに我(アレ)恋ひめやも/万葉 21」(ウ) 〔「…を…み」の形で〕 原因・理由を表す句をつくる。…が…ので。…が…さに。「若の浦に潮満ち来れば潟(カタ)―なみ葦辺(アシヘ)をさして鶴(タヅ)鳴き渡る/万葉 919」「しののめの別れ―惜しみ我ぞまづ鳥より先に鳴き始めつる/古今(恋三)」 〔上代からある語で,■三■の間投助詞としての用法が最も古いもの。格助詞・接続助詞としての用法は,それぞれ■三■から転化してできたもの。ただし,間投助詞としての用法は中世前期以降次第に行われなくなり,接続助詞としての用法も近世に入るとほとんど行われなくなる。格助詞としての用法のみが現代にまで及んでいる〕

大辞林 ページ 157288