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かか・る【掛(か)る・懸(か)る・係る】🔗🔉

かか・る【掛(か)る・懸(か)る・係る】 [動ラ五(四)]上が固定された状態で、高い所からぶらさがる。上から下へさがる。「壁に絵が―・っている」「カーテンの―・っている部屋」中空など、高い所に位置する。「月が中天に―・る」目につくように高い所に掲げられる。「高札が―・る」「磔(はりつけ)に―・る」(「繋る」とも書く)船が停泊する。係留される。「船は桟橋に―・っている」火に当てるために容器が上からつるしさげられる。また、火の上に据え置かれる。「ガスに鍋が―・っている」《竿秤(さおばかり)にぶらさげて計量するところから》はかりに受けとめられる。…の目方がある。「重すぎてはかりに―・らない」「四キロ―・る(=目方ガホボ四キロアル)」(「架かる」とも書く)物が一方から他方へまたぐように渡される。「橋が―・る」ひも・縄などが物のまわりにかけ渡される。「水引の―・った祝いの品」張り巡らすようにして作られる。一時的に設営される。「クモの巣が―・る」「小屋が―・る」《仮小屋を作って行われたところから》興行される。上演・上映される。「見世物が―・る」「評判の映画が―・っている」ほかのものの上にかぶさる。一面を覆う。「イチゴにミルクが―・っている」「霧が―・る」水や粉などが飛び散って当たる。ふりかかる。「しぶきが―・る」「ほこりが―・る」仕掛けなどで捕らえる。また、捕らえられた状態で動きが止まる。「大きな魚が―・る」「網に―・った鳥」「凧(たこ)が木の枝に―・る」仕組まれた謀(はかりごと)に陥る。はまる。「相手の罠(わな)に―・る」「計略に―・る」「暗示に―・る」(「…の手にかかる」の形で)傷つけられたり、殺されたりする。「敵の手に―・る」(「目にかかる」の形で)目にとまる。見られる。「勘当したからは二度と親の目に―・るな」「お目に―・る(=オ会イスル)」偶然に物にさわる。「うっかり手が―・ってしまった」他から作用・動作が及ぶ。「技が―・る」「ちっとも誘いが―・らない」送られてきて、こちらに届く。「声が―・る」「電話が―・ってくる」付いている仕掛けが働いて、本体が動かないように固定される。「錠が―・る」装置が作動して機能を発揮しだす。「車のエンジンが―・らない」「ひと晩じゅうラジオが―・っている」何かが心にしっかりと付いてその状態にとどまる。「気に―・る」「心に―・る日本の将来」望ましくないことがこちらの身に及んでくる。身にふりかかる。「迷惑が―・る」「疑いが―・る」負担すべきものとして押し付けられる。課せられる。「税金が―・る」(「罹る」とも書く)病気や災難などを身に受ける。とりつかれる。「伝染病に―・る」時間・費用・労力などが必要とされる。費やされる。要する。「手の―・る仕事」「完成に一〇年―・る」ものの働き・力が加わる。「芸に磨きが―・る」頭から押さえつけるような態度に出る。「かさに―・る」攻撃的に挑む。攻めていく。「束になって―・る」「攻略に―・る」物事に着手する。しはじめる。「仕事に―・る」「取り壊しに―・る」その事に当たる。従事する。「今―・っている仕事」ある範囲・場所・期間にまで及ぶ。経過してきてその所・時間に至る。「鼻に―・った声」「急勾配に―・る」「工事が来春まで―・る」重みなどがそちらに加え乗せられる。力などが向けられる。「体重が―・った姿勢」「揉(も)み消しの圧力が―・る」物心の両面にわたって頼みとする。他のものに頼る。養ってもらう。「老後は子供に―・る」処置・処理をまかせる。扱われる。「医者に―・る」「あの人に―・ってはかなわない」議案などが公の場に持ち出されて取り扱われる。「案件が委員会に―・る」「裁判に―・る」重大な結果が予想される。「優勝の―・った大一番」「懸賞が―・る」「この建物には保険が―・っている」そのような性質・傾向を帯びる。「赤みの―・った黄色」交配される。「四国犬にマスチフの―・った土佐犬」物事がかかわる。重要なところに関係をもつ。「存否に―・る問題」その人によって作られる。その人の手になる。「空海大師の開基に―・る」(係る)文章中のある語句の文法上の働きが、あとの他の語句と関係をもつ。修飾する。「『青い空』の『青い』は形容詞の連体形で、『空』に―・る」多く、動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて、初めからそのような状態で、またはそのように思い込んで、事に対する意を表す。「相手をのんで―・る」「だめだと決めて―・る」神霊が人間に乗り移る。「神有(ま)して、皇后に―・りて誨(をし)へまつりて曰く」〈仲哀紀〉気分や調子が乗る。「声も調子に―・り、能も心づくころなれば」〈花伝・一〉他の動詞の連用形のあとに付いて用いる。今にも…しそうになる。また、ちょうど…する。…しはじめる。「溺(おぼ)れ―・る」「崩れ―・る」「通り―・る」「立ち―・る」ある動作を他に向ける。何かに向かって…する。「飛び―・る」「寄り―・る」 [可能]かかれる[ラ下一] [下接句]息が掛かる・意地に掛かる・御座敷(おざしき)が掛かる・御目(おめ)に掛かる・嵩(かさ)に懸かる・肩に掛かる・気に掛かる・食って掛かる・口が掛かる・口に税は掛からぬ・口の端(は)に掛かる・声が掛かる・心に掛かる・手が掛かる・縄に掛かる・箸(はし)にも棒にも掛からない・人手に掛かる・褌(ふんどし)を締めてかかる・刃(やいば)に掛かる

大辞泉 ページ 2642 での掛(か)る単語。