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くる【来る】🔗🔉

くる【来る】 [動カ変]く[カ変]空間的に離れているものが自分のいる方・所へ向かって動く。また、近づく。こちらに近づいたり着いたりする。接近・到着する。訪れる。「バスがきた」「留守に友人がきた」「霜のこないうちに取り入れを済ませる」自分が今いる所を、再び、また以前にたずねる。やってくる。「いつかきた町」「また明日きます」物が届く。「便りがくる」「ようやく注文した本がきた」鉄道・水道などの設備が通じる。「この町にはまだガスがきていない」時間的に近づく。ある季節・時期・時間になる。「春がきた」「時間がきたので終わりにする」「行く年くる年」事態が進んで、ある状態に至る。「もはや救いようのないところまできている」「使いづめでがたがくる」「もともと体が弱いところへきて、この暑さですっかりまいってしまった」(「…からくる」の形で)そのことが原因・契機になってある事態が生じる。起因する。「疲労からきた病気」「倒産は経営の不手際からきている」「信念からくる実行力」由来する。「ギリシア語からきた言葉」何かによって、ある反応・感覚・感情が起こる。「ぴんとくる」「胸にじんとくる温かい言葉」(「…ときたら」「…ときては」「…とくると」などの形で)ある物事を特に取り上げ強調して言う意を表す。特に…の場合は。…について言うと。「酒とくると、からっきしだめだ」「甘い物ときたら、目がない」《近世語から》恋い慕う気持ちが起こる。ほれる。「君はよっぽど、どら吉(きち)にきているな」〈逍遥・当世書生気質〉あるやり方でこちらに働きかける。「数でこられたらかなわない」(補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」が付いた形に付く。少しずつ移行したり、程度が進んだりして、しだいにその状態になる。だんだん…になる。「日増しに暖かくなってきた」「最近太ってきた」ある動作・状態が前から続いている。ずっと…する。…しつづける。「再三、注意してきたことだが」「改良を重ねてきた品種」ある動作をしてもとに戻る。…しに行って帰る。「買い物に行ってくる」「外国の事情をつぶさに見てこようと思っている」ある動作・状態をそのまま続けながら、こちらへ近づく。また、そのようにしてこちらへ至る。「敵が押し寄せてくる」「付き添ってくる」◆古くは「からうじて大和人こむと言へり。よろこびて待つに」〈伊勢・二三〉のように、行く意で用いられる場合がある。これは目的地に自分がいる立場でいうのであって、結果としてはと同じ用法。現代でも、相手に向かって「あすの同級会にはきますか」という言い方をすることがあるのも、これと同じ発想。命令形は、古くは「いづら、猫は。こち率(ゐ)てこ」〈更級〉のように、「こ」だけの形が用いられ、「こよ」が用いられるのは中世以後。は、多くぐあいの悪いことが起こる場合に用いられる。 [類語]迫る・近づく・やってくる・来(きた)る・訪れる・来訪する・到着する・着く(尊敬)いらっしゃる・見える・おいでになる・お越しになる・おでましになる・お運びになる(謙譲)参る・伺う・参ずる [下接句]呆(あき)れが礼に来る・頭に来る・鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負(しよ)って来る・尻(しり)が来る・鶏冠(とさか)に来る・盆と正月が一緒に来たよう・矢でも鉄砲でも持って来い

大辞泉 ページ 4493 での来る単語。