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○他事無したじなし🔗⭐🔉
○他事無したじなし
①ほかの事をかえりみない。余念がない。宇治拾遺物語12「ただ囲碁を打つほかは―」
②よそよそしくない。親しい。浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「その駕籠これへと他事なき風情」
⇒た‐じ【他事】
たしなみ【窘み】
苦しみ。困窮。推古紀「黎元おおむたからの―を救ふ」
たしなみ【嗜み】
①たしなむこと。すき。このみ。特に、芸事などに関する心得。「いささか茶道の―がある」
②心がけ。用意。覚悟。狂言、止動方角しどうほうがく「あの伯父御様のやうなお―のよいお方はござるまい」
③つつしみ。遠慮。好色一代男6「おのづから身の―出来て言葉もせまり」。「―がない人」
⇒たしなみ‐いしょう【嗜み衣裳】
⇒たしなみ‐ごころ【嗜み心】
⇒たしなみ‐どうぐ【嗜み道具】
たしなみ‐いしょう【嗜み衣裳】‥シヤウ
身を飾る衣裳。伊達衣裳。好色一代男8「さて又男の―」
⇒たしなみ【嗜み】
たしなみ‐ごころ【嗜み心】
たしなむ心。つつしみの心。好色一代女1「我と身に―の出来て」
⇒たしなみ【嗜み】
たしなみ‐どうぐ【嗜み道具】‥ダウ‥
身だしなみの道具。装飾とする道具。伊達道具。
⇒たしなみ【嗜み】
たしな・む【窘む】
[一]〔自四〕
①苦しむ。なやむ。辛苦する。困窮する。法華経天喜頃点「常に飢渇に困タシナムて」。傾城禁短気「末長う何がお引き廻しなされて睟すいにして下さんせと―・ませてやりませう」
②苦労してはげむ。日本紀竟宴歌「みことのりを受けて此の道に―・むことは」
[二]〔他下二〕
⇒たしなめる(下一)
たしな・む【嗜む】
〔他五〕
①好んである事に心をうちこむ。精出して行う。毎月抄「この道を―・む人は」。平家物語12「武芸の道を打ち捨てて、文筆をのみ―・んで」
②好んで親しむ。「酒は―・む程度」
③常に心がける。常に用意する。狂言、六人僧「自然鬚を剃らうと思うて某は剃刀を―・うだ」。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「例の―・む継梯子、高塀に打ちかけ」
④心をつけて見苦しくないようにする。とり乱さない。幸若舞曲、切兼曾我「露の命を惜しまずして、最後を清く―・み候へ」。日葡辞書「ミヲタシナム」「タシナウダヒト」
⑤つつしむ。遠慮する。我慢する。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「涙―・む顔付は泣き叫ぶよりあはれにて」
たしな・める【窘める】
〔他下一〕[文]たしな・む(下二)
①苦しめる。悩ます。神武紀「如何ぞ我を陸くがに厄たしなめ復た我を海に厄むや」。こんてむつすむん地「生れつきの性は…―・めらるる事、負け従へらるる事をいやがる也」
②とがめる。叱る。いましめる。南総里見八犬伝103「君を―・めんとしたれども、御曹子を害し得ずして、かの身は反つて矢傷を受けたり」。「無礼を―・める」
たし‐に【確に】
〔副〕
たしかに。しっかりと。丁寧に。祝詞、神賀詞「倭文しつの大御心も―」
だし‐ぬ・く【出し抜く】
〔他五〕
①他人の隙をうかがったりだましたりして、自分が先に事をする。狂言、宗論「―・いて宿を取らう」。夏目漱石、それから「人を―・いて旅行するなんて」
②突然に声をかける。尾崎紅葉、紫「茶を一口今嚥むだばかりのところを―・かれて周章狼狽ながら」
だし‐ぬけ【出し抜け】
①不意に事をすること、事が起こること。また、そのさま。いきなり。突然。唐突。「―の話に驚く」「―に腕をつかまれる」
②だしぬくこと。浮世風呂2「おれを―にして皆出たナ」
だし‐ばり【出し梁】
〔建〕小屋梁に続いて入側いりがわや縁側などの下屋げやに長く突き出して取り付けた梁。多く斜めに置く。
たじひ【蝮】タヂヒ
マムシの古称。
だし‐びん【出し鬢】
髪の鬢を出っ張らせて髪を結うこと。また、その結った髪、あるいはその鬢。
た‐しぶ【田渋】
田の水あか。
たし・ぶ【嗜ぶ】
〔他四〕
「たしむ」に同じ。蘇悉地羯羅経略疏寛平点「或は其の味を嗜タシブ」→たしなむ
だし‐ふづくえ【出文机】
⇒いだしふづくえ
だし‐べい【出し塀】
射撃や物見のため、城の塀の一部を外へ突き出したもの。
たじま【但馬】タヂマ
旧国名。今の兵庫県の北部。但州。
⇒たじま‐うし【但馬牛】
たじま‐うし【但馬牛】タヂマ‥
但馬地方に産する牛。和牛の代表的な品種。毛色は黒色。体格が強健でよく使役に耐え、またその肉は美味。神戸牛。
⇒たじま【但馬】
たし‐まえ【足し前】‥マヘ
不足を補う分量や金額。おぎない。たし。
だし‐まえ【出し前】‥マヘ
割りあてられた金額。割り前。世間胸算用1「観音講の―も」
だしまき‐たまご【出し巻卵】
卵にだし汁を加えて巻き込みながら仕上げた卵焼。
たじまもり【田道間守】‥ヂ‥
記紀伝説上の人物。垂仁天皇の勅で常世国とこよのくにに至り、非時香菓ときじくのかくのこのみ(橘)を得て10年後に帰ったが、天皇の崩後であったので、香菓を山陵に献じ、嘆き悲しんで陵前に死んだと伝える。
たしみ【嗜み】
たしなむこと。すき。このみ。
たじみ【多治見】‥ヂ‥
岐阜県南部の市。庄内川の上流土岐川が中央を流れ、多治見焼(美濃焼)の伝統を背景に、タイル・洋食器などの窯業が盛ん。市の北東に名勝虎渓山がある。人口11万5千。
⇒たじみ‐やき【多治見焼】
たじみ【多治見】‥ヂ‥
姓氏の一つ。
⇒たじみ‐くになが【多治見国長】
たじみ‐くになが【多治見国長】‥ヂ‥
鎌倉末期の武士。美濃多治見の人。土岐頼兼の一族。後醍醐天皇の北条高時討伐計画に頼兼と共に加わったが、六波羅探題に洩れ、戦死。(1289〜1324)
⇒たじみ【多治見】
だし‐みせ【出し見世・出し店】
(京阪で)床店とこみせ。
たしみ‐だけ【た繁竹】
(タは接頭語。シミは繁る意)生い繁っている竹。古事記下「末方へには―生ひ」
たじみ‐やき【多治見焼】‥ヂ‥
(→)美濃焼みのやきの別称。
⇒たじみ【多治見】
たし・む【嗜む】
〔他四〕
(→)「たしなむ」に同じ。〈新撰字鏡3〉
たじ‐め・くタヂ‥
〔自四〕
たじたじとする。〈日葡辞書〉
だし‐もの【出し物】
①(「演し物」とも書く)芝居や演芸など、興行の上演演目。
②主演者が芸の真価を発揮できるような得意の演目。
③酒席に出す料理。
た‐しゃ【他社】
ほかの社。よその会社・新聞社・神社など。
た‐しゃ【他者】
自分以外の、ほかの者。
⇒たしゃ‐せい【他者性】
た‐しゃ【多謝】
①厚く礼を述べること。深く感謝すること。
②深く罪をわびる語。多罪。「妄言―」
だ‐しゃ【打者】
野球で、球を打つ人。バッター。
たし‐やか【確やか】
確かであるさま。風姿花伝「働きをも―に音曲をも文字にさはさはと当り」
た‐しゃく【他借】
他から金銭などを借り入れること。歌舞伎、勧善懲悪覗機関「仮令たとい―をしてなりと」
だ‐じゃく【惰弱・懦弱】
①なまけて弱いこと。いくじのないこと。進取の気性のないこと。「―な精神」
②勢力の弱いこと。体力の弱いこと。
だし‐やぐら【出し矢倉・出し櫓】
①城郭の外に出して造ったやぐら。
②かついで移動することのできる簡単なやぐら。かきやぐら。
③和船の舳へまたは艫ともの方に突き出したやぐら。だしやね。
たしゃ‐せい【他者性】
〔哲〕自己(私)の意識や能力には還元できない他者のもつ特性、たとえば非対称性・超越性・外部性などを指す。自我の絶対確実性から出発した近代哲学が見失った、他者の固有性や異質性を見直した語。
⇒た‐しゃ【他者】
だし‐やま【出山】
(→)引山ひきやまに同じ。
だ‐じゃれ【駄洒落】
つまらないしゃれ。まずいしゃれ。幸田露伴、風流仏「黴かびの生た―を熨斗のしに添て度々進呈すれど」
た‐しゅ【多種】
多くの種類。種類の多いこと。
⇒たしゅ‐たよう【多種多様】
た‐しゅ【多趣】
趣味の多いこと。おもむきの多いこと。面白みの多いこと。
だ‐しゅ【唾手】
手につばをつけること。元気を出して仕事にかかること。
だ‐しゅ【舵手】
船のかじとり。操舵手。
た‐しゅう【他州】‥シウ
よそのくに。他国。
た‐しゅう【他宗】
他の宗旨。ほかの宗派。
た‐しゅう【多衆】
多くの人。おおぜい。大衆。
た‐じゅう【多汁】‥ジフ
果実などが、汁気を多く含んでいること。
た‐じゅう【多重】‥ヂユウ
いくつも重なること。「―衝突」
⇒たじゅう‐さいむしゃ【多重債務者】
⇒たじゅう‐じんかく【多重人格】
⇒たじゅう‐せい【多重星】
⇒たじゅう‐つうしん【多重通信】
⇒たじゅう‐とう【多重塔】
⇒たじゅう‐プログラミング【多重プログラミング】
⇒たじゅう‐ほうそう【多重放送】
たじゅう‐さいむしゃ【多重債務者】‥ヂユウ‥
複数の貸し手から借金をし、弁済できなくなっている債務者。民事調停や自己破産・免責を申し立てることが多い。
⇒た‐じゅう【多重】
たじゅう‐じんかく【多重人格】‥ヂユウ‥
一人の人間のうちに全く異なる複数の人格があり、それらが全く独立して出現すること。
⇒た‐じゅう【多重】
たじゅう‐せい【多重星】‥ヂユウ‥
天球上で2個以上数個の恒星が近接して見えるもの。重星。
⇒た‐じゅう【多重】
たじゅう‐つうしん【多重通信】‥ヂユウ‥
一つの伝送路によって二つ以上の通信を同時に伝送する通信方式。
⇒た‐じゅう【多重】
たじゅう‐とう【多重塔】‥ヂユウタフ
三重塔・五重塔・七重塔などのように屋根が重なっている塔。多層塔。
⇒た‐じゅう【多重】
たじゅう‐プログラミング【多重プログラミング】‥ヂユウ‥
コンピューターのリソースの有効利用のために、複数のプログラムを主記憶に入れ、それらの間でCPUを切り替えるプログラミングの技法。多くのオペレーティング‐システムで採用。マルチ‐プログラミング。
⇒た‐じゅう【多重】
たじゅう‐ほうそう【多重放送】‥ヂユウハウ‥
テレビジョンの走査線の隙間を利用して別の音声や簡単な文字画像を本体の放送とは別に放送する方式。
⇒た‐じゅう【多重】
たしゅ‐せんゆう【他主占有】‥イウ
〔法〕所有の意思なくしてする占有。賃借人・質権者の占有の類。↔自主占有
たしゅ‐たよう【多種多様】‥ヤウ
種類や性質がさまざまであること。
⇒た‐しゅ【多種】
た‐しゅつ【他出】
よそへ出かけること。たぎょう。
た‐しゅみ【多趣味】
いろいろな趣味を持つこと。「―な人」
だ‐じゅん【打順】
野球で、打撃の順番。バッティング‐オーダー。ラインアップ。
た‐しょ【他所】
①その場所とちがった場所。ほかの所。よそ。
②他の場所にうつること。栄華物語衣珠「それさへ―せられなば」
⇒たしょばらい‐てがた【他所払手形】
⇒たしょ‐ゆき【他所行き】
た‐しょ【他書】
ほかの書籍。他の本。
た‐しょ【多書】
たくさんの書物。
た‐しょう【他生】‥シヤウ
①そのものの作用でなく、他の原因によって生ずること。
②この世から見て過去および未来の生をいう語。↔今生こんじょう。
⇒たしょう‐の‐えん【他生の縁】
た‐しょう【他姓】‥シヤウ
①他人の姓。自分とは異なる姓。たせい。
②他の血統・氏族。〈日葡辞書〉
た‐しょう【他称】
代名詞の第三人称。「かれ」「このかた」「これ」「あれ」「どれ」の類。↔自称↔対称
た‐しょう【多少】‥セウ
[一]〔名〕
①多いことと少ないこと。また、多いか少ないかの程度。「―にかかわらず」
②ちょっとした分量。少しであること。「―の誤りは仕方ない」
③(「少」は助字)多いこと。今昔物語集1「譬へば人の家に―の男子を生ぜるは此れを以て家の栄えとす」
[二]〔副〕
いくらか。幾分か。すこしは。「―心得がある」
⇒たしょう‐とも【多少とも】
た‐しょう【多生】‥シヤウ
①何度も生をかえてこの世に生まれ出ること。
②多数を生かすこと。「一殺―」
⇒たしょう‐こうごう【多生曠劫】
⇒たしょう‐の‐えん【多生の縁】
た‐しょう【多祥】‥シヤウ
さいわいの多いこと。よろこびの多いこと。多く、手紙のあいさつの語として用いる。「御―の段お慶び申し上げます」
た‐しょう【多照】‥セウ
日の照りの多いこと。
た‐じょう【多情】‥ジヤウ
①情愛のふかいこと。
②気の移りやすいこと。浮気なこと。
⇒たじょう‐たこん【多情多恨】
だ‐しょう【駄餉】‥シヤウ
(誤ってダコウとも)
①馬につけて送るかいば。
②旅行中の食料。弁当。
たじょう‐いっぺん【打成一片】‥ジヤウ‥
(ダジョウイッペンとも)〔仏〕坐禅に徹底してすべてが一体として体得される境地。転じて、一切を忘れて専心すること。日葡辞書「タジャウイッペンニガクモン(学文)ヲスル」
だじょう‐かん【太政官】‥ジヤウクワン
⇒だいじょうかん。
⇒だじょうかん‐さつ【太政官札】
⇒だじょうかん‐にっし【太政官日誌】
⇒だじょうかん‐ふこく【太政官布告】
だじょうかん‐さつ【太政官札】‥ジヤウクワン‥
1868年(明治1)維新政府が発行した不換紙幣。
⇒だじょう‐かん【太政官】
だじょうかん‐にっし【太政官日誌】‥ジヤウクワン‥
明治政府の機関紙。慶応4年(1868)2月より明治10年(1877)1月まで発行。布告や達書たっしがきなどを掲載。官報の前身。
⇒だじょう‐かん【太政官】
だじょうかん‐ふこく【太政官布告】‥ジヤウクワン‥
1868年(明治1)より85年内閣制成立まで、太政官が公布した法令の形式。
⇒だじょう‐かん【太政官】
たしょう‐こうごう【多生曠劫】‥シヤウクワウゴフ
多くの生死しょうじをくり返して、久遠くおんの時間を経ること。平家物語1「この度泥犁ないりに沈みなば、―をば隔つとも浮び上らん事かたし」
⇒た‐しょう【多生】
だじょう‐だいじん【太政大臣】‥ジヤウ‥
⇒だいじょうだいじん
たじょう‐たこん【多情多恨】‥ジヤウ‥
物事に感じやすくうらみの多いこと。(書名別項)
⇒た‐じょう【多情】
たじょうたこん【多情多恨】‥ジヤウ‥
小説。尾崎紅葉作。1896年(明治29)読売新聞連載。主人公鷲見すみ柳之助が亡妻へ寄せる綿々たる追慕の情の微妙な推移を描写。言文一致体の代表作。
だじょう‐てんのう【太上天皇】‥ジヤウ‥ワウ
⇒だいじょうてんのう
たしょう‐とも【多少とも】‥セウ‥
少しでも。いくらかでも。「―お役に立てば幸いです」
⇒た‐しょう【多少】
たしょう‐の‐えん【他生の縁】‥シヤウ‥
「多生の縁」参照。
⇒た‐しょう【他生】
たしょう‐の‐えん【多生の縁】‥シヤウ‥
(この世ではない別の世の意で「他生の縁」とも書く)生まれ出る前からの多くの生を経る間に結ばれた因縁。前世からの因縁。「袖振り合うも―」
⇒た‐しょう【多生】
たじょうぶっしん【多情仏心】‥ジヤウ‥
小説。里見弴作。1922〜23年(大正11〜12)時事新報に連載。主人公藤代信之の奔放な恋愛遍歴を描き、人間のまごころを信じる作者の信条と、円熟した技巧を示す。
た‐しょく【他色】
鉱物の示す色で、不純物などに原因するもの。仮色。↔自色
た‐しょく【多色】
色が多いこと。
⇒たしょく‐ずり【多色刷】
⇒たしょく‐せい【多色性】
た‐しょく【多食】
多く食べること。大食。健啖けんたん。
たしょく‐ずり【多色刷】
1色刷・2色刷に対して、3色以上の印刷物。
⇒た‐しょく【多色】
たしょく‐せい【多色性】
結晶に偏光を通す時に、偏光の振動方向いかんにより色を異にする現象。偏光顕微鏡下で見られる。たしきせい。
⇒た‐しょく【多色】
たしょばらい‐てがた【他所払手形】‥バラヒ‥
支払を受けるために銀行に持ち込まれた手形で、その銀行の所在地の手形交換所では交換できないもの。↔当所払手形。
⇒た‐しょ【他所】
たしょ‐ゆき【他所行き】
①他へ行くこと。よそへ行くこと。
②(京阪で)特に、芸者などが客に連れられて遠方へ行くこと。
⇒た‐しょ【他所】
たしらか【甕】
土器かわらけの名。水を入れる土製の瓶。大嘗祭または新嘗祭のときに天皇の手水ちょうずを入れる。四時祭式「―四口」
た‐じるし【田印】
(「田五作」を遠まわしにいう)田舎者。
たじ・れる
〔自下一〕
かんしゃくを起こしていらいらする。逆上して常軌を逸する。滑稽本、妙竹林話七偏人「熱がうきそびれると気が―・れるぜ」
た‐しろ【田代】
(「代」は一区画の意)田地。平家物語3「―を育王山へ申しよせて、我が後世とぶらはせよ」
⇒たしろ‐やま【田代山】
たしろ【田代】
姓氏の一つ。
⇒たしろ‐さんき【田代三喜】
⇒たしろ‐しょうい【田代松意】
たじろぎタヂロギ
(古くはタジロキ)たじろぐこと。ぐずぐずすること。源氏物語帚木「さやうならむ―に絶えぬべきわざなり」
たじろ・ぐタヂログ
〔自五〕
(室町時代までタジロクと清音)
①しりごみする。ひるむ。辟易へきえきする。千五百番歌合「晴れぬるか―・く雲のたえまより」。「おどしにも―・がない」
②上達しない。劣る。宇津保物語俊蔭「文の道は少し―・くとも」
③うごき傾く。ななめになる。衰える。堀河百首雑「桁さへ朽ちて―・きにけり」
たしろ‐さんき【田代三喜】
室町末期の医師。後世方ごせいほう医学の祖。川越に生まれ、明に渡って医学を修める。帰国後、鎌倉・足利・古河に住み、医療に従事。弟子に曲直瀬まなせ道三。(1465〜1544一説に1465〜1537)
⇒たしろ【田代】
たしろ‐しょうい【田代松意】
江戸前期の俳人。別号、談林軒など。西山宗因の門人。江戸で俳諧談林という会所を設け、延宝初年より新風開拓に努め、「談林十百韻だんりんとっぴゃくいん」を編。以後、江戸談林派の中心。生没年未詳。
⇒たしろ【田代】
たしろ‐やま【田代山】
水田の緑肥とする草などを刈り取る山。刈敷山。
⇒た‐しろ【田代】
だし‐わり【出し割り】
醤油・酢などに出し汁を加えて薄めたもの。付け汁・掛け汁などにする。
た‐しん【他心】
別の考え。また、ふたごころ。他意。日葡辞書「タシンヲサシハサム」
だ‐しん【打診】
①指の先や打診器で胸や背を叩き、その音によって内臓の健否を診察すること。
②転じて、相手にちょっと働きかけ、その反応によって相手の意向・様子を探ること。「意向を―する」
⇒だしん‐き【打診器】
だ‐しん【打鍼】
鍼術しんじゅつで、形の円くひらたい小槌こづちで鍼はりの頭部を打ち、徐々に膚肉に挿入する方法。
だ‐しん【蛇心】
陰険な心。じゃしん。
⇒だしん‐ぶっこう【蛇心仏口】
だしん‐き【打診器】
打診に使用する医療器具。打診板・打診槌などがある。
⇒だ‐しん【打診】
たしん‐きょう【多神教】‥ケウ
(polytheism)複数の神々を同時に崇拝する宗教。自然現象を人格化したものや、人間生活の様々な局面を投影した独自の性格と形姿をもつ神々に対する信仰。原始的諸宗教や古代の宗教の多くはこれに属する。↔一神教
だしん‐ぶっこう【蛇心仏口】
⇒じゃしんぶっこう
⇒だ‐しん【蛇心】
タス【TASS】
(Telegrafnoe Agentstvo Sovetskogo Soyuza ロシア)「イタル-タス」参照。
た・す【足す】
〔他五〕
①(数量を)加える。不足を補う。「桶に水を―・す」「言葉を―・す」
②(「用を―・す」の形で)片づける。すませる。浮世風呂前「宿元の用事も―・さずに」。「ついでに用を―・してくる」
⇒足して二で割る
た‐ず【田鶴】‥ヅ
(歌語として)ツルの異称。万葉集1「この洲崎みに―鳴くべしや」
た・ずタヅ
〔他下二〕
⇒たでる(下一)
だ・す【出す】
〔他五〕
(「いだす」から転じて、室町時代以後に現れた形)
➊内にこもっているものを外へ遣やる。
①内から外に移す。「蒲団の外に足を―・す」「鼻血を―・す」「芽を―・す」
②出発させる。天草本平家物語「馬ども乗せて舟―・せとおほせらるれば」。「バスを―・す」
③身近な所から離して、他へ移す。他へさし出す。「奉公に―・す」「東京へ―・す」「息子を大学に―・す」
④送る。「手紙を―・す」
⑤あたえる。東海道中膝栗毛発端「表向きいとまを―・して」
⑥相手の前に移動させる。供する。提出する。続猿蓑「麁相そそうなる膳は―・されぬ牡丹かな」(風弦)。天草本伊曾保物語「諸人座に列つて居る所へ獣の舌ばかり調へて―・いた」。「答案を―・す」「お茶を―・す」「資金を―・す」
⑦出品する。「展覧会に絵を―・す」
⑧出版する。発行する。また、出版物に記事などをのせる。「新聞を―・す」「雑誌に小説を―・す」
⑨卒業させる。「大学を―・す」
➋内にあるものを外に表す。
①心の内を表す。日葡辞書「コトバヲダス」。「不満を口に―・す」
②露出する。日葡辞書「ハヲダス」。「肌を―・す」
③物事をはっきり示す。「証拠を―・してごらん」
④発生させる。「火事を―・す」
⑤生み出す。「この学校から健康優良児を―・した」
➌物事に手をつける。とりかかる。日葡辞書「テヲダス」。「店を―・す」
➍勢いづかせる。盛んにする。曠野「精―・してつむとも見えぬ若菜かな」(野水)。「速力を―・す」
➎(動詞の連用形に付いて)
①その動作によって外に現れるようにする。天草本平家物語「六代御前とてあるを必ず尋ね―・いて失ひ奉れ」。「照らし―・す」「探し―・す」
②その動作を始める意を表す。天草本平家物語「あさましうあわて騒いだことどもを思ひ出いて語り―・し」。猿蓑「闇の夜や子供泣き―・す蛍舟」(凡兆)。「あの男はやり―・すと早い」「走り―・す」
⇒出す事は舌を出すも嫌い
た‐すう【多数】
①数の多いこと。人数の多いこと。あまた。
②他にくらべて数の多いこと。「絶対―」
↔少数。
⇒たすう‐けつ【多数決】
⇒たすう‐だいひょうせい【多数代表制】
⇒たすう‐は【多数派】
だ‐すう【打数】
(→)打撃数に同じ。
たすう‐けつ【多数決】
会議などで賛成者の多い意見によって集団としての意思を決する方式。
⇒た‐すう【多数】
たすう‐だいひょうせい【多数代表制】‥ヘウ‥
選挙区内の多数派が議席を独占することを許す選挙制度。定数1の小選挙区制はその典型。定数2以上の大選挙区制でも、定数と同数の候補者名を書くことが許される完全連記制にすると、多数代表制となる。
⇒た‐すう【多数】
たすう‐は【多数派】
(majority)全体を二つに分けて、所属者・支持者が多数を占める方のグループ。「―工作」↔少数派
⇒た‐すう【多数】
たずか‐な・し【方便無し】タヅカ‥
〔形ク〕
(→)「たずきなし」に同じ。続日本紀17「拙おじなく―・き朕わが時に」
たすか・る【助かる】
〔自五〕
①死・わざわい・罪・苦しみなどをまぬかれる。救われる。「崖から落ちたが命は―・った」
②労力や負担などを省くことができる。手助けになる。玄奘表啓平安初期点「寔まことに朝化に資タスカレり」。「よく働いてくれるので―・る」
タスカン‐ぼう【タスカン帽】
(Tuscan hat)イタリアのトスカーナ地方で産する麦稈真田ばっかんさなだで製した上質の夏帽子。普通の麦藁よりやや黄みが深い。
たすき【襷・手繦】
(タはテ(手)の古形)
①衣服のそでをたくし上げるために肩から脇にかけて結ぶひも。普通、背中で斜め十文字にうち違いにする。万葉集5「白たへの―を掛け」
②紐または線を斜めにうち違えること。また、その文様。
③細長い布を輪状にして、一方の肩から他方の腰へ斜めにかけるもの。「次の走者に―を渡す」
⇒たすき‐がけ【襷掛け】
⇒たすき‐ざん【襷桟】
⇒たすき‐ぞり【襷反り】
⇒たすき‐ぼし【襷星・翼宿】
たずき【方便】タヅキ
(語源は「手付き」か。中世以降、タツキとも)
①(事をし始めたり、また何かを知るための)手がかり。手段。万葉集1「草枕旅にしあれば思ひやる―を知らに」
②生活の手段。生計。
たすき‐がけ【襷掛け】
①たすきを掛けていること。たすきを掛けてきびきび立ち働くこと。
②縄などのからげ方。また、物の模様などに斜め十文字にうち違えたもの。
③子供の髪置の祝いに用いる麻苧あさおの称。水引で結ぶ。作り方は種々ある。しらが。
④相撲の手の一つ。(→)「襷反たすきぞり」に同じ。
⇒たすき【襷・手繦】
たすき‐ざん【襷桟】
襷形に斜めに交叉した形の桟。
⇒たすき【襷・手繦】
たすき‐ぞり【襷反り】
相撲の手の一つ。相手の差し手の肘ひじのあたりを抱えこみ腋わきの下に頭を入れ、一方の手で相手の足を内側から取って、うしろに反り、相手の体を自分の背後に落とすもの。たすきがけ。伝え反り。
⇒たすき【襷・手繦】
たずき‐な・し【方便無し】タヅキ‥
〔形ク〕
たよりとするものがない。よるべない。手だてがない。源氏物語夕顔「此の人の―・しと思ひたるを、もてなし助けつつ」
たすき‐ぼし【襷星・翼宿】
〔天〕二十八宿の一つ。コップ座に当たる。翼よく。
⇒たすき【襷・手繦】
タスク【task】
①課せられた仕事。任務。
②(→)プロセス5に同じ。
⇒タスク‐アンビエント【task-ambient】
⇒タスク‐フォース【task force】
たす・く【助く・輔く・扶く】
〔他下二〕
⇒たすける(下一)
タスク‐アンビエント【task-ambient】
室内をタスク(作業)域とアンビエント(周辺)域にわけて、環境を整える考え方。照明や空調についていう。
⇒タスク【task】
タスク‐フォース【task force】
①特定任務遂行のために編成する部隊。機動部隊。
②特定の業務遂行を目的とする臨時の組織。プロジェクト‐チーム。
⇒タスク【task】
たすけ【助け】
①たすけること。また、その人。助力。加勢。「―を借りる」「神仏の―」
②入用の品。「生活の―」
⇒たすけ‐おや【助け親】
⇒たすけ‐ぶね【助け船】
たすけ‐あ・う【助け合う】‥アフ
〔自五〕
互いに、相手を助ける。「―・って暮らす」
たすけ‐おや【助け親】
危難から救ってくれた人をいう。命の親。
⇒たすけ【助け】
たすけ‐だ・す【助け出す】
〔他五〕
危険な場所や困っている状況から逃れさせる。すくい出す。「被災者を―・す」
たすけ‐ぶね【助け船】
①水上の遭難者または遭難船を救助する船。すくいぶね。山家集「―なき沖に揺らるる」
②たすけ。助勢。東海道中膝栗毛初「ヤアイ―、―。どうしたどうした」。「―を出す」
⇒たすけ【助け】
たす・ける【助ける・輔ける・扶ける】
〔他下一〕[文]たす・く(下二)
(手た助すく意)
①倒れるのをささえる。手を添える。源氏物語蓬生「左右の戸もよろぼひ倒れにければ、男ども―・けてとかくあけ騒ぐ」。天草本平家物語「ややあつて少し人心地ができて―・け起されて」
②力を添える。助力する。万葉集4「天地の神も―・けよ草枕旅行く君が家に至るまで」。「母を―・けて働く」「家業を―・ける」
③危難を救う。災害をのがれさせる。救助する。宇津保物語菊宴「人の命を―・くとおもほして」。天草本平家物語「頼朝をうち頼うでおぢやつたならば、命ばかりは―・けうずるものを」。「遭難者を―・ける」
④みちびいて、あやまちがないようにする。源氏物語桐壺「おほやけのかためとなりて、天の下を―・くる方にて見れば」
⑤傷や病の手当をする。いたわる。源氏物語若菜下「重き病をあひ―・けてなん参りて侍りし」
⑥ある物事や状態を促進・増進させる。「消化を―・ける」
⑦守りたてる。ささえる。平家物語3「宮仕へをもして身をも―・くべきか」。十六夜日記「道を―・けよ、子をはぐくめ」
広辞苑 ページ 12128 での【○他事無し】単語。