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○棚の物を取って来るようたなのものをとってくるよう🔗⭐🔉
○棚の物を取って来るようたなのものをとってくるよう
たやすく物の得られることのたとえ。
⇒たな【棚】
たな‐ば【棚場】
山の傾斜の緩やかになった部分。棚。
たな‐はし【棚橋】
板を棚の形にかけた仮橋。万葉集10「あまのがは―渡せ」
たな‐ばた【棚機・七夕】
(棚すなわち横板のついた織機の意)
①「たなばたつめ」の略。古事記上「あめなるやおと―のうながせる」
②五節句の一つ。天の川の両岸にある牽牛星と織女星とが年に一度相会するという、7月7日の夜、星を祭る年中行事。中国伝来の乞巧奠きこうでんの風習と日本の神を待つ「たなばたつめ」の信仰とが習合したものであろう。奈良時代から行われ、江戸時代には民間にも広がった。庭前に供物をし、葉竹を立て、五色の短冊に歌や字を書いて飾りつけ、書道や裁縫の上達を祈る。七夕祭。銀河祭。星祭。〈[季]秋〉。蜻蛉日記上「祓ひのほども過ぎぬらん、―は明日ばかりと思ふ」
七夕
提供:NHK
⇒たなばた‐うま【七夕馬】
⇒たなばた‐おくり【七夕送り】
⇒たなばた‐おどり【棚機踊】
⇒たなばた‐だけ【七夕竹】
⇒たなばた‐づき【棚機月】
⇒たなばた‐つ‐め【棚機つ女】
⇒たなばた‐まつり【七夕祭・棚機祭】
たなばた‐うま【七夕馬】
東日本で、7月7日に藁でつくる馬。朝、草刈につれて行く習俗のある地方もある。
⇒たな‐ばた【棚機・七夕】
たなばた‐おくり【七夕送り】
七夕の飾り竹を海や川に流すこと。〈[季]秋〉
⇒たな‐ばた【棚機・七夕】
たなばた‐おどり【棚機踊】‥ヲドリ
小町踊こまちおどりの別称。
⇒たな‐ばた【棚機・七夕】
たなばた‐だけ【七夕竹】
七夕に飾る、字や歌を書いた短冊・色紙などをつるした竹。〈[季]秋〉
⇒たな‐ばた【棚機・七夕】
たなばた‐づき【棚機月】
陰暦7月の異称。〈[季]秋〉
⇒たな‐ばた【棚機・七夕】
たなばた‐つ‐め【棚機つ女】
①はたを織る女。秋さり姫。万葉集10「わがためと―のそのやどに織る白たへは織りてけむかも」
②織女星しょくじょせい。棚機姫とも。〈[季]秋〉。万葉集8「ひこぼしは―と…いなうしろ川に向き立ち」
⇒たな‐ばた【棚機・七夕】
たなばた‐まつり【七夕祭・棚機祭】
(→)「たなばた」2に同じ。〈[季]秋〉
⇒たな‐ばた【棚機・七夕】
たな‐はつほ【種初穂】
(タナバツオとも)蒔まき残した種籾たねもみの余分でつくった炒米いりごめ。田の神に供え、人も食する。たないりごめ。
たな‐び・く【棚引く】
(タナは接頭語)
[一]〔自五〕
雲・霞または煙が薄く横に長く引く。万葉集9「春霞―・く山を君が越えいなば」
[二]〔他四〕
雲霞のように長く集め連ねる。なびかせる。平家物語3「数千騎の軍兵を―・いて、都へ入り給ふ由聞えしかば」
た‐な‐ひじ【手肱】‥ヒヂ
(タはテの古形。ナは助詞ノに同じ)手のひじ。ひじ。祝詞、祈年祭「―に水沫みなわ画かき垂り」
たな‐ふて【種浸】
(フテはヒタシの訛)稲の種を水に浸すこと。
たなべ【田辺】
①和歌山県南部、紀伊半島西岸の市。古く牟婁むろの津として発達した商港・漁港。もと紀伊徳川氏の家老安藤氏3万8000石の城下町。人口8万2千。
②⇒きょうたなべ(京田辺)
たなべ【田辺】
姓氏の一つ。
⇒たなべ‐さくろう【田辺朔郎】
⇒たなべ‐はじめ【田辺元】
⇒たなべ‐ひさお【田辺尚雄】
たなべ【田部】
姓氏の一つ。
⇒たなべ‐じゅうじ【田部重治】
たなべ‐さくろう【田辺朔郎】‥ラウ
土木技術者。江戸生れ。琵琶湖疏水の設計・施工の責任者。工事途中で計画を変更して水力発電所を完成させた。京大工科大学長。(1861〜1944)
⇒たなべ【田辺】
たなべ‐じゅうじ【田部重治】‥ヂユウヂ
登山家・英文学者。富山県生れ。旧姓、南日。東大卒。東洋大・法政大などの教授を歴任する一方、登山紀行を発表、特に奥秩父の美を紹介。著「日本アルプスと秩父巡礼」など。(1884〜1972)
⇒たなべ【田部】
たなべ‐はじめ【田辺元】
哲学者。東京生れ。京大教授。新カント派に近い科学哲学の立場に立ち、のち西田幾多郎の影響をうけて絶対弁証法に到達、晩年は宗教哲学に到る。著「科学概論」「懺悔道としての哲学」など。文化勲章。(1885〜1962)
⇒たなべ【田辺】
たなべ‐ひさお【田辺尚雄】‥ヲ
音楽学者。東京生れ。日本・東洋音楽研究の先駆者。著「日本音楽史」「東洋音楽史」など。(1883〜1984)
⇒たなべ【田辺】
たな‐ぼた【棚牡丹】
(「棚から牡丹餅」の略)思いがけなく好運がめぐってくること。
たな‐まいり【棚参り】‥マヰリ
盆祭に本家の仏壇を拝みに行くこと。先祖参り。
た‐な‐また【手股・指間】
(タはテの古形。ナは助詞ノに同じ)指と指との間。古事記上「―より漏くきし子そ」
たな‐まつり【種祭】
苗代に播種はしゅする日の祝い。種畑祭たなばたまつりとも。
たなま・る
〔自四〕
母胎内に子が宿る。〈日葡辞書〉
たな‐まわり【店回り】‥マハリ
職人などが関係ある店を挨拶にまわりあるくこと。
たな‐むき【店向】
商家。商家関係。浮世風呂前「―のお方々に戸棚を皆貸してござりますから」
たな‐めつけ【店目付】
店の商品を盗まれないよう監視する者。
たな‐もの【店者】
商家に勤める番頭または手代・丁稚でっちなど。「御―」
たな‐もの【棚物】
茶道具で、台子だいすをはじめとした点茶用の持ち運びのできる置棚。水指みずさしその他の道具を飾り置く。袋棚・四方よほう棚・桑小卓など。
たな‐もり【店守】
店の監督をすること。また、その人。
た‐ならし【田均し】
①田の面を平らにすること。
②代掻しろかき用具の一種。前後の両板に跨またがりのって牛にひかせ、中軸が回転するに従い、羽根板で田の面を平らにするもの。
た‐なり
(完了の助動詞タリに、推定・伝聞の助動詞ナリの付いた形の音便形タンナリのンの表記されない形)…したということだ。…と聞く。…したらしい。源氏物語若紫「この寺にありし源氏の君こそおはしたなれ」。源氏物語藤袴「女は宮仕へを物憂げにおぼいたなり」
た‐な・る【手馴る】
〔自下二〕
手になれる。てなる。躬恒集「君が手にはた―・るべらなり」
た‐なれ【手馴れ】
①扱いなれること。万葉集5「わが背子が―のみ琴つちに置かめやも」
②動物を飼いならしていること。また、よく馴れなつくこと。てなれ。後撰和歌集恋「君が―の駒もこぬかな」
た‐なわ【手縄】‥ナハ
①乗馬の口につけてひく縄。
②鵜飼の鵜につけて使う縄。
た‐なん【多難】
災難または困難の多いこと。「―な人生」「前途―」
たなん‐ぼう【種棒】‥バウ
(→)苗標なえじるしに同じ。
たに【谷・渓・谿】
①地表の隆起部の間にある細長く凹んだ地形。成因によって浸食谷こく・構造谷などに区別し、浸食谷はさらに河谷・氷食谷に、構造谷は向斜谷・断層谷などに分けられる。万葉集12「―狭み峰辺に延はへる玉葛たまかずら」↔峰お。
②波形の凹んだ所。物事の低い部分。低調な時期。「グラフの―の部分」「景気の―」
③二つの屋根の流れの相会う所。
たに【谷】
姓氏の一つ。
⇒たに‐じちゅう【谷時中】
⇒たに‐たてき【谷干城】
⇒たに‐ぶんちょう【谷文晁】
たに【壁蝨・蜹】
ダニの古名。〈倭名類聚鈔19〉
た‐に【商布】
(タヌ(手布)の転という)調・庸に用いないで、自家用または売品とした布帛。続日本紀6「―二丈六尺を以て段として」。倭名類聚鈔12「布、多邇」
だに【壁蝨・蜱】
(古くは清音)クモ綱ダニ目の節足動物の総称。土中・水中・海中など、あらゆる場所に生活。動植物に寄生するものもある。体長0.2〜20ミリメートル。体は一般に退化した構造をもち、顎体部・前体部・後体部の3部から成り、4対の歩脚がある。幼虫期の歩脚は3対。マダニ・ワクモ・ハダニ・コナダニ・ササラダニ・ツツガムシなど。日本にも2000種近くがいる。人畜に寄生して血を吸うものがあるので、転じて、人に嫌われる者の形容に用いる。八脚子。〈倭名類聚鈔19〉。「街の―」
だ‐に【駄荷】
駄馬につけて送る荷物。
だ‐に
(断定の助動詞ダに接続助詞ニの付いたもの)…なのに。鳥の町「此の雷は鳴りさうなもの―根から鳴らぬ」
だに
〔助詞〕
(係助詞)今おかれている状態においてなしうる最小限のこと、あるいは可能性の考えうる範囲での最小限のことをあげ示して、他の重い事柄について類推させる語。体言およびそれに準ずる語、副詞、格助詞などを受ける。奈良時代には、否定・推量・仮定・反語・命令・意志・願望などの表現に呼応した。室町時代に「さへ」が代わった。
①否定・反語との呼応。…だけでも。…すら。天智紀「臣の子の八重の紐解く一重―いまだ解かねばみこの紐解く」。万葉集2「玉桙の道―知らず」。天草本平家物語「胸せきふさがつて、お箸を―も立てられなんだ」
②推量・仮定との呼応。…ですらも。…だって。万葉集10「恋しけく日長きものを逢ふべかる夕よい―君が来まさざるらむ」
③願望・意志・命令との呼応。せめて…だけでも。…なりと。万葉集10「い向ひ立ちて恋ふらむに言―告げむ妻問ふまでは」。万葉集12「人の見て言とがめせぬ夢に―やまず見えこそ」。伊勢物語「馬のはなむけを―せむとて」
④主に平安時代から、肯定判断の文にも用いられる。…さえも。…でも。源氏物語帚木「はかなきこと―かくこそ侍れ。まして人の心の時にあたりて気色ばめらん」。天草本平家物語「出さるる―あるに、座敷をさへ下げらるる事の恨めしさよ」
⑤仮定条件と呼応。それだけで条件が満たされる意を示す。…さえ。曾我物語4「あはれ、父―ましまさば、わらはに心は尽くさせじ」
たに‐あい【谷間】‥アヒ
谷のなか。たにま。「―の村」
たに‐あし【谷足】
スキーで、斜面の下側の足。↔山足
たに‐いし【谷石】
谷間にある石。
たに‐うつぎ【谷空木】
スイカズラ科の落葉低木。本州と北海道の日本海側山地に生える。高さ2〜3メートルで枝は淡褐色。長卵形の葉は短い柄で対生し、質はややざらつき、裏面には白毛が密生。初夏に葉腋に淡紅色でラッパ形の花を数個ずつつける。
ダニエル【Daniel】
旧約聖書中のダニエル書の主人公。バビロニアに捕囚となり、王ネブカドネザルの夢を判断し、バビロニアの運命と他の諸国の勃興に関する幻視を見た。
⇒ダニエル‐しょ【ダニエル書・但似耳書】
ダニエル【John Frederic Daniell】
イギリスの化学者。ダニエル電池を発明。(1790〜1845)
⇒ダニエル‐でんち【ダニエル電池】
ダニエル‐しょ【ダニエル書・但似耳書】
旧約聖書中、黙示文学を代表する一書。預言者ダニエルの著と伝える。紀元前180〜165年の頃に成り、律法の尊重と終末時における死者の復活・審判とを説く。
⇒ダニエル【Daniel】
ダニエル‐でんち【ダニエル電池】
ダニエルの発明した電池。ガラスの容器の中に素焼の円筒形隔壁を置き、その外側と容器との間に硫酸銅の飽和溶液を入れ、この中に銅板を挿入し陽極とする。また、隔壁の内側へ硫酸亜鉛の溶液を入れ、この中に水銀漬けにした亜鉛棒を挿入し陰極とする。起電力1.07ボルト。
⇒ダニエル【John Frederic Daniell】
たに‐おり【谷折り】‥ヲリ
紙などを折る時に、折目が内側に入るように折ること。↔山折り
たに‐おろし【谷下ろし・谷颪】
谷から吹きおろす風。永久百首「―の風しやまねば夜と共におきつが原にくぬぎ波立つ」
たに‐がくれ【谷隠れ】
谷間にかくれて見えないこと。また、その所。たにかげ。重之集「音もせで―なる山吹は」
たに‐かげ【谷蔭】
谷のかげになった所。
たに‐かぜ【谷風】
谷を吹き通る風。昼の間に山腹近くの空気が熱せられて、山腹に沿い山頂に向かって吹き上げる風。↔山風
たにかぜ‐かじのすけ【谷風梶之助】‥カヂ‥
江戸時代の力士。
①(初代)陸奥の人。讃岐高松藩松平家の抱え力士となり、多年大坂で活躍し強力無双と称せられた。(1694〜1736)
②(2代)陸奥の人。本名、金子与四郎。江戸で関ノ戸の門に入る。1789年(寛政1)第4代横綱。258勝14敗、優勝21回という。(1750〜1795)
たにかわ【谷川】‥カハ
(タニガワとも)姓氏の一つ。
⇒たにがわ‐がん【谷川雁】
⇒たにかわ‐ことすが【谷川士清】
⇒たにかわ‐てつぞう【谷川徹三】
たに‐がわ【谷川】‥ガハ
谷間を流れる川。渓流。
たにがわ‐がん【谷川雁】‥ガハ‥
詩人・評論家。本名、巌いわお。熊本県生れ。東大卒。労働運動の原点からの発想を詩や評論に表出。作「大地の商人」「原点が存在する」など。(1923〜1995)
⇒たにかわ【谷川】
たにかわ‐ことすが【谷川士清】‥カハ‥
江戸中期の国学者・神道家。号は淡斎。伊勢の人。垂加神道を学び、また、著書「日本書紀通証」や編著書の「和訓栞」などにより国語学者として重要。(1709〜1776)
⇒たにかわ【谷川】
たにがわ‐だけ【谷川岳】‥ガハ‥
群馬県北部、三国山脈東部の連峰。上越国境にそびえ、標高1977メートル。山麓に谷川温泉がある。観光客・登山者が多い。日本海側と太平洋側の気候の境界をなす。
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たにかわ‐てつぞう【谷川徹三】‥カハ‥ザウ
哲学者。愛知県生れ。京大卒。広い教養に基づき、思想・文学・芸術の諸分野で批評活動を行い、世界連邦政府運動にも参加。著「感傷と反省」など。(1895〜1989)
⇒たにかわ【谷川】
た‐にぎ・る【手握る】
〔自他四〕
手をにぎりしめる。手に握る。万葉集11「―・りて打てども懲りず恋といふ奴やつこ」。万葉集5「剣太刀腰に取り佩き猟弓さつゆみを―・りもちて」
た‐にく【多肉】
植物で、茎や葉などが肥厚していること。
⇒たにく‐か【多肉果】
⇒たにく‐しょくぶつ【多肉植物】
⇒たにく‐よう【多肉葉】
たにく‐か【多肉果】‥クワ
(→)液果に同じ。
⇒た‐にく【多肉】
たに‐ぐく【谷蟆】
ヒキガエルの古名。万葉集5「―のさ渡る極み」
たにく‐しょくぶつ【多肉植物】
植物体が肥厚し、貯水組織として分化した植物の総称。乾燥・高塩分の環境に耐える。サボテン科、リュウゼツラン科、ツルナ科のマツバギク類など。園芸上はこれらのうちサボテン科以外のものの通称。
⇒た‐にく【多肉】
たに‐ぐち【谷口】
谷の入口。たにのと。
たにぐち【谷口】
姓氏の一つ。
⇒たにぐち‐ぶそん【谷口蕪村】
⇒たにぐち‐まさはる【谷口雅春】
⇒たにぐち‐よしろう【谷口吉郎】
たにぐち‐ぶそん【谷口蕪村】
⇒よさぶそん(与謝蕪村)。
⇒たにぐち【谷口】
たにぐち‐まさはる【谷口雅春】
「生長の家」参照。
⇒たにぐち【谷口】
たにぐち‐よしろう【谷口吉郎】‥ラウ
建築家。金沢生れ。東工大教授。日本の伝統様式を継承した近代建築で知られる。博物館明治村初代館長。文化勲章。(1904〜1979)
⇒たにぐち【谷口】
たにく‐よう【多肉葉】‥エフ
植物の葉が肥厚し、同化作用のほかに水分・栄養物を貯えるはたらきをする葉。ベンケイソウ・マツバボタンの類。
⇒た‐にく【多肉】
たに‐ぐわ【谷桑】‥グハ
〔植〕フサザクラの別称。
たに‐こう【谷行】‥カウ
山伏の掟おきてとして、峰入みねいりの際に病気となった同行者を谷に落とし捨てること。
たにこう【谷行】‥カウ
能。山伏帥阿闍梨そつのあじゃりの幼弟子松若は峰入みねいりの途中風邪にかかり、谷行に処せられるが、山伏一同の祈願により、役行者えんのぎょうじゃと伎楽鬼神の力で蘇生する。
たにざき【谷崎】
姓氏の一つ。
⇒たにざき‐じゅんいちろう【谷崎潤一郎】
たにざき‐じゅんいちろう【谷崎潤一郎】‥ラウ
小説家・劇作家。東京生れ。東大中退。第2次「新思潮」同人。「刺青しせい」「少年」など、耽美と背徳の空想的な世界を華麗に描いたが、大正後期から日本的な伝統美に傾倒し、王朝文学の息吹きを現代に生かした新しい境地を拓いた。作「蓼喰ふ虫」「春琴抄」「細雪」「少将滋幹の母」など。文化勲章。(1886〜1965)
谷崎潤一郎(1)
撮影:田村 茂
谷崎潤一郎(2)
撮影:石井幸之助
→作品:『細雪』
⇒たにざき【谷崎】
た‐にし【田螺】
①タニシ科の淡水産巻貝の総称。貝殻は卵円錐形で暗褐色、殻口は広く角質の蓋がある。卵胎生で6〜7月頃子貝を生む。水田・池沼に産し、食用。日本産はマルタニシ・オオタニシ・ヒメタニシ・ナガタニシ。ナガタニシは琵琶湖の特産種。〈[季]春〉。〈文明本節用集〉
②近世、女子の髪の結い方。1に似た形。
たに‐じ【谷路】‥ヂ
谷間のみち。
たにし‐きんぎょ【田螺金魚】
江戸後期の洒落本作者。本名は鈴木位庵と伝える。安永(1772〜1781)末、「契情買虎之巻けいせいかいとらのまき」をはじめ数種の作を残し、人情をつくしたその作柄は後世人情本に影響を与えた。生没年未詳。
たに‐じちゅう【谷時中】
江戸初期の儒学者。土佐朱子学(南学)を確立。名は素有。僧名、慈沖。南村梅軒に学び、のちに還俗。儒と医を教授。門人に野中兼山・小倉三省・山崎闇斎らがある。(1598〜1649)
⇒たに【谷】
たに‐そこ【谷底】
谷の最も深いところ。谷の底。
たに‐たてき【谷干城】
(名はカンジョウとも)幕末・明治期の軍人・政治家。陸軍中将。土佐藩士。戊辰戦争に功労があり、西南戦争には熊本鎮台司令長官として活躍。第1次伊藤内閣の農商務相。国粋主義者として井上馨の条約改正案に反対。貴族院議員。子爵。(1837〜1911)
⇒たに【谷】
たになか【谷中】
姓氏の一つ。
⇒たになか‐やすのり【谷中安規】
たになか‐やすのり【谷中安規】
版画家。奈良県生れ。永瀬義郎(1891〜1978)に師事。佐藤春夫らと交遊、文学性の濃い幻想的な木版画を発表。第二次大戦後、窮死。(1897〜1946)
⇒たになか【谷中】
たに‐の‐と【谷の戸】
谷の入口。谷口。拾遺和歌集雑春「―を閉ぢや果てつる鶯の」
たには【丹波】
⇒たんば。崇神紀「丹波道主命たにはのみちぬしのみことをもて―に遣はす」
たにはのみちぬし‐の‐みこと【丹波道主命】
四道将軍の一人。彦坐王ひこいますのみこの子。崇神天皇の時、丹波・山陰・山陽地方を鎮めたと伝える。
たに‐ひょうが【谷氷河】
山地の谷に沿って流下する氷河。雪線以上で育った氷河が谷を埋めて次第に流下したもの。U字谷こくを形成する。アルプス・ヒマラヤなどの高山にある。
たに‐ふけ【谷深】
谷あいの低湿地。平家物語8「あるは―をも嫌はず、駆け入り駆け入り」
たに‐ふところ【谷懐】
山と山との間の谷間のふところのような所。散木奇歌集「山桜―に木隠れて」
たに‐ぶんちょう【谷文晁】‥テウ
江戸後期の画家。江戸の人。通称、文五郎。別号は写山楼・無二庵主など。松平定信の寵遇を受け、「集古十種」の挿絵や「公余探勝図巻」を描く。南画に北画風を加え、また大和絵をよくし、洋画にも精通した。諸国を巡歴し写生的な風景画をつくり、肖像画にもすぐれた。(1763〜1840)
⇒たに【谷】
たに‐べ【谷辺】
(古くは清音)谷のほとり。万葉集11「山高み―に這へる玉葛」
たに‐ま【谷間】
①谷のなか。たにあい。
②物事の低い部分。一時的に低調になる期間。「連休の―」
⇒たにま‐の‐ひめゆり【谷間の姫百合】
たに‐まち【谷町】
相撲界で、力士の後援者、贔屓ひいき筋のこと。明治末年に大阪谷町筋の相撲好きの外科医が力士から治療代をとらなかったことからという。
たにま‐の‐ひめゆり【谷間の姫百合】
(英語名lily of the valleyの訳)ドイツスズランの異称。→すずらん1
⇒たに‐ま【谷間】
たに‐みず【谷水】‥ミヅ
谷川の水。渓水。
たにむら【谷村】
姓氏の一つ。
⇒たにむら‐けいすけ【谷村計介】
たにむら‐けいすけ【谷村計介】
陸軍軍人。伍長。日向出身。西南戦争に西郷軍の重囲にある熊本城を脱出、政府軍に危機を報じた。のちに田原坂たばるざかに戦死。(1853〜1877)
⇒たにむら【谷村】
だに‐も
(ダニ・モはともに助詞)
①せめて…だけでも。万葉集1「三輪山をしかも隠すか雲―心あらなも」
②さえも。古今和歌集春「鶯―鳴かずもあるかな」



広辞苑 ページ 12275 での【○棚の物を取って来るよう】単語。