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とお・い【遠い】トホイ🔗🔉

とお・い遠いトホイ 〔形〕[文]とほ・し(ク) ①空間のへだたりが大きい。距離がはるかだ。古事記「結ひし髪を解かす間に―・く逃げたまひき」。万葉集15「大和をも―・く離さかりて」。「駅まで―・い」 ②時間のへだたりが大きい。久しい。長い。万葉集9「―・き代にありける事」。源氏物語薄雲「生ひ先―・き人の御うへも」。「降る雪や明治は―・くなりにけり」(草田男) ③ある数量や状態などとのへだたりが大きい。「一万人には―・くおよばない」 ④仲が親しくない。うとい。万葉集11「石橋の―・き心は思ほえぬかも」。枕草子166「近うて―・きもの。宮のまへの祭思はぬ。はらから・親族の中」 ⑤交渉が少ない。源氏物語総角「斯く山深き御あたりなれば人に―・く物深くて」 ⑥血縁関係がうすい。「―・い親戚」 ⑦関係があまりない。切実でない。源氏物語少女「学問などに身を苦しめむ事はいと―・くなむ覚ゆべかめる」。「海外旅行などは私には―・い話だ」 ⑧よくは知らない。源氏物語橋姫「世の常の女しくなよびたる方は―・くやと推し量らるる御有様なり」。源氏物語東屋「をかしきさまに琴笛の道は―・く、弓をなむいとよくひきける」 ⑨はっきりせず働きが鈍い。「耳が―・い」「気が―・くなる」 ⇒遠き慮なければ必ず近き憂えあり ⇒遠きに行くは必ず邇きよりす ⇒遠きは花の香近きは糞の香 ⇒遠くて近いは男女の仲 ⇒遠くの火事、背中の灸 ⇒遠くの親類より近くの他人

広辞苑 ページ 13994 での遠い単語。