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とお・る【通る・徹る】トホル🔗🔉

とお・る通る・徹るトホル 〔自五〕 ➊つかえるものがなく一方から他方に至る。 ①表から裏までつきぬける。万葉集15「わが袖はたもと―・りてぬれぬとも」 ②抜けて通じる。貫通する。源氏物語明石「地の底―・るばかりの氷降り」。大鏡師輔「穴より―・るばかりのかはらけのわれして打たせ給へりければ」。「下水の穴が―・る」 ③向うへとどく。達する。源氏物語梅枝「横笛…雲井に―・るばかり吹き立てたり」。「駅まで広い道が―・る」「声が隅々までもよく―・る」 ④徹する。平家物語5「骨髄に―・つて忍びがたし」。日葡辞書「コウクヮイココロニトヲル」 ⑤なしとげられる。かなう。達せられる。徒然草「吉日をえらびてなしたるわざの末―・らぬ」。「願いが―・る」 ⑥(「透る」とも書く)すける。透き通る。源氏物語澪標「内は大殿油ほのかに物より―・りて見ゆるを」。「肌まで―・って見える」 ➋通過する。 ①(ある場所を)過ぎて他方へ行く。通行する。万葉集5「黄泉したへの使負ひて―・らせ」。日葡辞書「ミチヲトヲル」。「門前を―・る」 ②通り抜ける。徒然草「院の御桟敷のあたり、更に―・りうべうもあらずたちこみたり」。義経記7「愛発あらちの関をも―・り給ふ」。「のどを―・る」 ③座敷に上がる。室内に入る。「応接間に―・る」 ④合格する。「試験に―・る」 ⑤(「通れ」の形で)物乞い・門付けなどを断る語。 ➌疑問・矛盾などがなく、はっきりわかる。 ①会得する。理解する。宇治拾遺物語13「文をならひ読みたればただ通りに―・りて才ある人になりぬ」 ②良くわかる。了解できる。「意味が―・らない」 ③その方面に通つうである。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「ええ―・らぬやつ」 ➍終りまでやりあげる。日葡辞書「キャウ(経)ヲイチブ(一部)ミトヲル」 ➎広く通用する。 ①広く聞こえる。知れわたる。浮世風呂2「詞づかひもいけぞんざいが―・つたやつ也」。「名が―・る」 ②広く行われる。通用する。「英語はたいていの国で―・る」 ➏飲食店などで、客の注文品が帳場に通知される。「ずっと前に帳場に―・ったはずだ」 ◇広く一般には「通」を使う。➊1・3・4・6では「徹」も用いる。

広辞苑 ページ 14018 での通る単語。