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なお・す【直す】ナホス🔗⭐🔉
なお・す【直す】ナホス
〔他五〕
①曲がったこと・乱れ・間違いなどを本来の正常な状態にもどす。神代紀上「次にその枉まがれるを矯なおさむとして生める神を号なづけて神直日神かむなおびのかみとまうす」。源氏物語紅葉賀「詠はてて袖うち―・し給へるに」。「機嫌を―・す」
②地位・身分などをもとにもどす。復帰させる。源氏物語澪標「物の報いありぬべくおぼしけるを―・し立て給ひて」。日葡辞書「ラウニンヲナヲス」
③物や人を、しかるべき場所・位置にすえる。源氏物語鈴虫「人々の御車、次第のままひき―・し」。玉塵抄10「袁が立つて慎をひきたてて下に―・いたぞ」。日本永代蔵4「をかしげなる藁人形を作りなして、…松飾りの中に―・して」
④とりつくろう。とりなす。源氏物語夕霧「人の御名をよさまにいひ―・す人は難きものなり」。日葡辞書「ナカヲナヲス」
⑤修繕する。徒然草「水車…大かためぐらざりければとかく―・しけれども」。「車を―・す」
⑥(ふつう「治す」と書く)病気や怪我を治療する。狂言、針立雷「療治をして―・してくれまいか」。「傷を―・す」
⑦改める。かえる。源氏物語藤裏葉「あるじの御座は下れるを宣旨ありて―・させ給ふほど」。「片仮名の部分を漢字に―・せ」
⑧修正する。訂正する。三宝絵詞「経の文をたださしむれば口に誦して多く―・す」。日葡辞書「アヤマリヲナヲス」
⑨添削する。源氏物語末摘花「さてもあさましの口つきや、…侍従こそは取り―・すべかめれ」
⑩(他の動詞の連用形に付いて)間違いなどを訂正するため、もう一度はじめから行う。狂言、賽の目「今一度置き―・いて、まんまと置きすまいて見せう」。「書き―・す」「やり―・す」
⑪仮の地位から正式の地位につける。誹風柳多留11「下女を―・すにつき縁者二人反そり」。「本妻に―・す」
⑫乗物・劇場などで上級の席に替える。「一等に―・す」
⑬「切る」「裂く」「むしる」などの忌言葉。謡曲、大木「本堂の棟木に成るべき木、…此の木を申し付け、―・さばやと存じ候」
⑭(遊里語)遊女を一定の時間あげ、その時間が切れた時、さらに延長する。洒落本、辰巳婦言「コレおがまア、おがまア、ちつとねかしてくれ、今夜は―・さア」
⑮歌舞伎で、狂言方が幕開きの前に拍子木を打ちながら舞台に行き、大道具その他がととのって後、下座の前に間を短くして二つ打つのをいう。
⑯(近畿・中国・九州などで)しまう。収める。片づける。
広辞苑 ページ 14510 での【直す】単語。