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な・す【生す・成す・為す】🔗🔉

な・す生す・成す・為す】 〔他五〕 ①(そこに存在しなかったものを新たに)つくりあげる。万葉集6「もののふの八十伴の雄は廬いおりして都―・したり旅にはあれども」。「一代で財を―・す」 ②《生》産む。竹取物語「おのが―・さぬ子なれば」。「子まで―・した仲」 ③ある行為をする。行う。徒然草「心おのづからしづかなれば、無益のわざを―・さず」。平家物語4「安芸国までの御幸はいかにと人不審を―・す」。日葡辞書「アタヲナス」「ゲヂ(下知)ヲナス」。「―・すすべもない」「相手の―・すがままになる」 ④なしとげる。仕上げる。東大寺諷誦文稿「瓔珞の衣を翻化ナシて」。徒然草「一事を必ず―・さむと思はば、他の事の破るるをもいたむべからず」。「偉業を―・す」 ⑤高貴の人がある事を行う。平家物語12「去二日には、義経が申請る旨に任せて頼朝を背くべき由庁の御下文―・され」 ⑥別のものとする。別の状態にする。万葉集19「大君は神にしませば赤駒の腹ばふ田ゐを都と―・しつ」。源氏物語賢木「我が身を無きに―・しても」。源氏物語藤裏葉「今一たび見奉る世もやと、命をさへ執念う―・して念じけるを」。「荒地を沃野と―・す」 ⑦あるものを他にあて用いる。万葉集13「鳥が音のきこゆる海に高山を障へだてに―・して沖つ藻を枕に―・し」 ⑧(「…を―・す」の形で)…となる。方丈記「大地に至りてはことなる変を―・さず」。徒然草「紙のふすま、あさの衣、一鉢のまうけ、あかざのあつもの、いくばくか人の費を―・さん」 ⑨(形容詞連用形、または助詞「に」「と」などをうける動詞「思う」「見る」「聞く」などの連用形に付いて)「そのように思う(見る・聞く)」などの意を表す。源氏物語玉鬘「中宮のおはします町は、かやうの人も住みぬべくのどやかなれど、さてさぶらふ人のつらにや聞き―・さむ」。源氏物語総角「さすがに中納言などの思はむ所を思して、言の葉の限り深きなりけり、と思ひ―・し給ふに」。「見―・す」 ⑩(動詞連用形に複合して)故意に…する。ことさら…する。源氏物語東屋「殊に今めかしうも見えざめるを、故々しげにも宣ひ―・すかな」。御伽草子、二十四孝「継母のくせなれば父子の仲を悪しく言ひ―・して」

広辞苑 ページ 14638 での生す単語。