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〔助動〕 (活用は終止形・連体形だけで無変化。[活用]○/○/う/(う)/○/○)文語助動詞「む」の転。仮に起こったらと想像していう意を表す。古く四段活用以外の動詞にも付いたが、のちには四段(五段)動詞・形容詞・形容動詞および助動詞「た」「だ」(「だろう」を1語の助動詞とする説もある)「ない」「たい」「です」「ます」の未然形に付く。その他の動詞および助動詞「れる」「られる」「せる」「させる」には、江戸時代以後「う」が音変化して生じた「よう」が付く。 ①話し手自身の動作を受けて意志・決意を表す。沙石集(一本)「いでその夢買はうといひて」。「その金はわたしが出そう」 ②話し手の推量を表す。(口語では普通「だろう」を用いる)浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「さぞ馬上が寒からう」。「秋には実もなろう」「つらかろうが我慢してくれ」 ③当然・適当を表す。蒙求抄7「不の字にひつの音がある程に不律ひつりつとよまうと言ふ義があるが」。「自然の創った芸術品とでも言おうか」 ④仮想・可能性などを表す。梁塵秘抄「慈尊の出で給はう世に」。「雨でも降ろうものならぬかるみだ」「知ろうはずがない」 ⑤命令・勧誘を表す。狂言、武悪「急いで逃げさつしやれませう」。洒落本、多佳余宇辞「マア酒をはやく持つて来う」。「みんなで登ろう」 ▷口語では、連体形は「なろうことなら」「分かろうわけがない」のように、「こと」「わけ」「もの」「はず」など限られた名詞に付き、話し手自身の動作を受ける場合も1ではなく、主に4の意味で使われる。→だろう

広辞苑 ページ 1606 での単語。