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ほど【程】🔗⭐🔉
ほど【程】
[一]〔名〕
(奈良時代までは清音)
➊時間的な度合を示す。
①間。内。万葉集9「家ゆ出でて三年の―に垣も無く家失せめやと」。源氏物語帚木「今さりとも七とせ余りの―に思し知り侍りなむ」。徒然草「目の醒めたらん―、念仏し給へ」
②おおよその時間の経過を示す。おおよその時日。大体の時間。源氏物語桐壺「―へば少しまぎるることもや」。日葡辞書「ホドヘテ」
③ころ。おり。時分。竹取物語「月の―になりぬれば」。源氏物語夕顔「日さし出づる―に出で給ふ」
④季節。栄華物語鳥辺野「―などもいと寒く、雪などもいと高く降りて」
⑤当座。源氏物語帚木「思ひ立つ―はいと心澄めるやうにて」
➋空間的な度合を示す。
①へだたり。距離。源氏物語浮舟「ことに―遠くはさぶらはずなん」。日葡辞書「ホドチカイ」
②おおよその所。あたり。近辺。徒然草「かきつくままにくびの―をくはむとす」
③広さ。面積。方丈記「―狭しといへども、夜、臥す床あり」
➌物事の程度や数量などの度合を示す。
①ころあい。程度。度合。「―を心得る」「―のよい人」
②割合。源氏物語東屋「家の内もきらぎらしく物清げに住みなし事好みしたる―よりはあやしう荒らかに」
③限り。際限。古今和歌集六帖5「田子の浦の浪間に遊ぶ浜千鳥いつを―にて恋しかるらむ」。日葡辞書「ヲカイタホドノトガヲユルシタマエ」
④身分。分際。源氏物語桐壺「同じ―それより下臈の更衣たちは」。日葡辞書「ホドホドニシタガッテ」
⑤年齢の程度。年配。源氏物語澪標「十一になり給へど―より大きに」
⑥様子。調子。恰好。栄華物語月宴「御門、后の御よめあつかひの―いとをかしくなむ見えさせ給ひける」。「真偽の―は不明」「ごひいきの―お願い申し上げます」
➍例示する意を表す。…のような。徒然草「この雪いかが見る、と一筆のたまはせぬ―の、ひがひがしからん人の」
[二]〔助詞〕
(名詞「程」から)
①おおよその時間であることを示す。「完成まで五年―かかる」
②ころあい。程度。度合。後に打消の意が伴うと、それを超えるもののないことを示す。保元物語「おのれ―の者をば矢だうなに」。日葡辞書「チカラノヲヨブホド」。曾我物語四「男の心―頼み少なきものはなし」。「これ―うれしいことはない」
③数量の程度。…ぐらい。「2倍―の高さ」「百円―の品」
④理由。故。狂言、鍋八撥なべやつばち「是でも勝負がわからぬ―に今一勝負せい」
⑤あることに比例する意を表す。…につれてますます。浄瑠璃、曾根崎「言ふ―おれが非に落ちる」。「やればやる―悪くなる」
⇒程がある
⇒程が好い
⇒程こそあれ
広辞苑 ページ 18200 での【程】単語。