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むず🔗🔉

むず 〔助動〕 (活用は不完全なサ変型。[活用]○/○/むず/むずる/むずれ/○)平安時代以後、対話に多く、それ以外の用例は少ない。「んず」「うず」「ず」(土佐「夜更けぬ。この歌主またまからずと言ひて立ちぬ」)の形でも使われた。奈良時代には「むとす」が使われた。 ①現状で話し手の予想する事態が進んでいる意を表す。…うとしている。竹取物語「竜の首の玉取り得ずは帰り来なとのたまへば、いづちもいづちも足の向きたらむ方へいなむず」。源氏物語須磨「待遠になる折々あるを斯からむずる事とは思ひしかど」。平家物語1「殿上までもやがて切り上らむずるものにてある間」 ②推量・想像を表す。…だろう。保元物語「舟岡へ行きたりとも、同じ事にてこそあらんずれ」 ③話し手の意志・決意を表す。…しよう。能因本枕草子虫は「今秋風吹かむ折にぞ来むずる。待てよ」。東海道中膝栗毛2「一昨日も昨日も来ず来ずと思つたが」 ④適当・当然を表す。…すればよい。当然…すべきである。保元物語「近習の人々に、いかがせんずるぞと常に御談合ありけり」

広辞苑 ページ 19163 でのむず単語。