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や・る【遣る・行る】🔗🔉

や・る遣る・行る】 〔他五〕 ➊その場の勢い・なりゆきにまかせて他方へ行かせる。 ①進ます。万葉集17「時の盛をいたづらに過し―・りつれ」。「船を―・る」 ②行かせる。送る。万葉集9「あぶりほす人もあれやも濡衣を家には―・らな旅のしるしに」。竹取物語「明け暮れ見馴れたるかぐや姫を―・りていかが思ふべき」。「子供を大学へ―・る」 ③物を他の所に移す。「本をどこに―・ったか」 ④思いを晴らす。払いのける。万葉集19「繁き思ひを見明らめ心―・らむと」。「酒に憂さを―・る」 ⑤流れて行かせる。源氏物語須磨「水深う―・りなし」 ⑥物事をはかどらせる。日葡辞書「ハカヲヤル」 ⑦逃がす。放す。狂言、緡縄さしなわ「はあ許さつしやれませい。憎い奴の、―・るまいぞ―・るまいぞ」 ⑧相手に危害・不利益を及ぼす。「眉間を―・られる」「すりに―・られる」 ➋(身分が同等以下の者に)与える。万葉集15「たまきの玉を家づとに妹に―・らむと」。伊勢物語「雉をなむ―・りける」。「これを君に―・ろう」「猿に餌を―・る」 ➌(多く、助詞「て」「で」を介し動詞連用形に付いて) ①同等以下の者のために労を執り、恩恵を与える意を表す。狂言、三人片輪「いかにも抱へて―・らう」。「読んで―・ろう」 ②相手に不利益を与える意を表す。「思い知らせて―・る」「家出して―・る」 ➍物事を行う。する。「勉強を―・る」「ちょっと一杯―・ろう」「―・るだけのことは―・った」「その店は日曜でも―・っている」「給料だけでは―・っていけない」 ➎(他の動詞の連用形に付いて) ①動作が完了する意を表す。…てしまう。源氏物語桐壺「えも乗り―・らず」。日葡辞書「イ(生)キモヤラズ、シ(死)ニモヤラズ」。「晴れ―・らぬ空」 ②その動作が遠くから行われる意、遠くまで及ぶ意を表す。源氏物語夕顔「鳥部野のかたなど見―・りたる程など」。源氏物語桐壺「小萩がもとを思ひこそ―・れ」。「眺め―・る」

広辞苑 ページ 19923 での遣る単語。