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よ・せる【寄せる】🔗⭐🔉
よ・せる【寄せる】
[文]よ・す(下二)
[一]〔自下一〕
①迫り近づく。打ち寄せる。万葉集15「荒津の崎に―・する浪」
②おしよせる。攻めよせる。平家物語9「今は時よくなりぬ、―・せよやとて、鬨ときをどつとつくる」
③([二]4から転じて)立ち寄る。「帰りに―・せてもらいます」
[二]〔他下一〕
①近づける。近寄らせる。万葉集17「白浪の―・せ来る玉藻」。「椅子を壁に―・せる」
②心を傾ける。万葉集3「大伴の名に負ふ靫ゆき帯びてよろづ代に頼みし心いづくか―・せむ」。源氏物語野分「春秋の争ひに昔より秋に心―・する人は数まさりけるを」。「思いを―・せる」
③1カ所に集める。呼び集める。万葉集11「玉の緒のくくり―・せつつ末つひに行きは別れず同じ緒にあらむ」。日葡辞書「シロニニンジュ(人数)ヲヨスル」。「客を―・せる」
④立ち寄らせる。枕草子292「一条の院に造らせ給ひたる一間の所には、憎き人はさらに―・せず」
⑤頼って身をおく。身を托する。まかせる。平家物語7「泣く泣く無智の境に身を―・せんと」。「親類に身を―・せる」
⑥関係づける。かこつける。因縁いんねんづける。万葉集11「物に―・せて思を陳のぶる歌」。万葉集4「山菅の実ならぬ事を吾に―・せいはれし君は誰れとか寝らむ」。源氏物語若菜下「時々に―・せてあはれをも知り故をもすぐさず」。「祝辞に―・せて自社の宣伝をする」
⑦(歌論用語)関連づける。通わせる。縁語化する。袋草紙「右おなじ波あるに、岸に―・せたればたよりあり」
⑧罪などをおしつける。科す。神代紀上「罪過つみを素戔嗚尊すさのおのみことに帰よせて、科おおするに千座置戸ちくらおきとを以てして」
⑨送る。贈る。源氏物語竹河「勝ち給はむ方には、なほ花を―・せてん」。「便りを―・せる」「全国から寄付が―・せられる」
⑩加える。たす。よせ算をする。「1と1を―・せる」
広辞苑 ページ 20303 での【寄せる】単語。