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浦島太郎     →浦島太郎🔗🔉

浦島太郎     →浦島太郎  昔丹後の国に、浦嶋といふもの侍(はべり)しに、その子に浦嶋太郎と申して、年の齢(よわい)二十四五の男(おのこ)有りけり。明け暮れ海のうろくづをとりて、父母(ちちはは)を養ひけるが、有(ある)日のつれに、釣(つり)をせんとて出でにけり。浦々島々、入江、到らぬ所もなく、釣をし、貝を拾ひ、みるめを刈りなどしける所に、ゑしまが磯といふ所にて、亀をひとつ釣り上げける。浦嶋太郎此亀にいふやう、「汝(なんじ)生(しよう)有るものゝ中にも鶴は千年、亀は万年とて、命(いのち)久しきものなり。忽ちこゝにて命をたゝん事、いたはしければ、助くるなり。常には此恩を思ひ出(いだ)すべし」とて、此亀をもとの海にかへしける。  かくて浦嶋太郎、其日は暮れて帰りぬ。又次(つぐ)の日浦の方(かた)へ出でて、釣をせんと思ひ見ければ、はるかの海上(かいしよう)に、小船(しようせん)一艘(そう)浮べり。怪しみやすらひ見れば、美しき女房只ひとり波にゆられて、次第に太郎が立ちたる所へ着きにけり。

広辞苑 ページ 23996 での浦島太郎     →浦島太郎単語。