複数辞典一括検索+
加賀見山旧錦絵(草履打の段) →加賀見山旧錦絵🔗⭐🔉
加賀見山旧錦絵(草履打の段) →加賀見山旧錦絵
「相手にならぬは此(この)岩藤(いわふじ)が恐しいか、但しは又おくれたのか。遉(さすが)は町人の娘なれば、刃物三昧(ざんまい)は恐しい筈、怖(こわ)い筈、オヽ道理ぢや、


、そんならコリヤ納めましよ
。ドレ




、帰りましよ
。ホンニ


、此方(こなた)にかゝつて、コレ


、これ見さつしやれ、足袋も草履も砂まぶれぢやわいの。イヤコレ尾上(おのえ)殿、ヤ何と此(この)草履のよごれたのを、拭いて下されぬか」「アノ私(わたくし)に」「オイノ」「エヽ」「いやか」「ぢやというて夫(それ)がまあ」「ホヽヽヽ、臆病者の腰抜に、刃物汚(よご)ししようより、幸(さいわい)な此草履」と、足にかけたる土(つち)草履、尾上が頭(かしら)を丁(ちよう)々々、是(これ)はとばかり奥女中、気の毒余り立騒ぐを、尾上は声かけ、「コレ


、騒ぐまい女中達、岩藤様が此尾上を、御異見の為に御打擲(ごちようちやく)、コレわしや有難うて
、母(かか)様の御折檻と思うて、此(この)身(み)のふし
まで、有難うて忝(かたじけな)い。イヤ申(もう)し岩藤様、産みの親も及ばぬ御異見、エヽ有難う存じまする。此上は随分と武芸をも心がけて、御奉公を致しましよ。又此(この)お草履は、私がためには御(ご)教訓の此一品(ひとしな)、申し受けまして私が守(まもり)」と、懐中したる大丈夫(だいじようふ)。






























広辞苑 ページ 24008 での【加賀見山旧錦絵 →加賀見山旧錦絵】単語。