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勧進帳     →勧進帳🔗🔉

勧進帳     →勧進帳  富樫「斯様(かよう)に候ふ者は、加賀ノ国の住人、富樫(とがし)ノ左衛門にて候。さても頼朝義経御仲(おんなか)不和とならせ給ふにより、判官(ほうがん)どの主従、作り山伏となり、陸奥(みちのく)へ下向あるよし、鎌倉殿聞し召し及ばれ、国々へ新関(しんせき)を立て、山伏を堅く詮議せよとの厳命によつて、それがし此(この)関を相守る。方々(かたがた)、左様心得てよからう」  番卒甲「ハヽ仰せのごとく、此程も怪しげなる山伏を捕へ梟木(きようぼく)に掛け並べ置きましてござりまする」  番卒乙「随分物に心得、われ御後に控へ、もし山伏と見るならば、御前(ごぜん)へ引き据ゑ申すべし」  番卒丙「修験者たるもの来りなば、即座に縄かけ、打捕るやう」  番卒甲「いづれも警固」  三人「いたしてござる」  富樫「いしくも各々申されたり、猶も山伏来りなば、謀計(はかりごと)を以て虜(とりこ)となし、鎌倉殿の御心(みこころ)安んじ申すべし。方々(かたがた)、きつと番頭仕れ」  三人「畏まつて候」  〽旅の衣(ころも)は篠懸(すずかけ)の、旅の衣は篠懸の、露けき袖やしをるらん。時しも頃は如月(きさらぎ)の、如月の十日の夜(よ)、月の都を立ち出でて。これやこの、行くも帰るも別れては、知るも知らぬも、逢坂の山隠す霞ぞ春はゆかしける、浪路はるかに行く船の、海津の浦に着きにけり。

広辞苑 ページ 24020 での勧進帳     →勧進帳単語。