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傾城禁短気 →傾城禁短気🔗⭐🔉
傾城禁短気 →傾城禁短気
それ人と生(うま)れたるしるしには、色道をしり女色(じよしき)のおもしろきといふ事をさとるべし。むかし
二神(ふたばしら)夫婦(おつとめ)となり給ひて、天(あま)の浮橋の下(もと)にて、鶺鴒(にわくなぶり)といふ鳥の尾を土に敲(たた)きけるを見給ひて、始(はじめ)て此よい事を知(しり)給ひ、喜哉(あなうれしや)可美小女(うましおとめ)に遇(あえ)りと睦語(むつごと)をのたまひしより、夫婦男女の道すたらず、世に広く弘(ひろま)りてより次第に睟(すい)なる艶女(えんじよ)、ばん
に出世し給ひ、いろ
の諸分(しよわけ)をときひろめ、衆生(しゆじよう)の機縁にしたがひて、無量の手管(てくだ)をほどこし給ひ、傾城白人(はくじん)茶屋呂州(ろしゆう)巾着(きんちやく)比丘尼夜発(やほち)などゝ、八宗(はつしゆう)九宗(くしゆう)にわかりてより、さま
位(くらい)に高下(こうげ)ありといへ共、もとはひとつの涅槃の床(とこ)に至つては、いづれか上品(じようぼん)上味(じようみ)の喜悦の所にちがひはなし。然るにいづれの時よりか、高野大師を祖師とあがめ、衆道門(しゆどうもん)といふ窮屈なる宗門をおこし、男と男の契りをむすび、児(ちご)少人(しようじん)にくるしめをかけ、是を男色若道宗(じやくどうしゆう)となづけ、僧俗をいはず、むしやうにすゝめ、有難き女道門を妨げんと、てれん上人といふ此宗旨の尻持(しりもち)、あながちに女道宗(によどうしゆう)を破(は)して、傾城無間茶屋伝馬(てんま)白人謀客(ぼうかく)風呂獄卒と、諸(もろもろ)の流身派(りゆうしんは)の女道門をうつ事、至極の僻事(ひがこと)笑ふにたへたり。其上流身派は、なべて偽りかざり更に実なしとなじりて、女郎未見真実といへるよし。








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