実語教 →実語教
山高きが故に貴(たつと)からず
樹有るを以て貴(たつと)しと為(な)す
人肥(こ)えたるが故に貴からず
智有るを以て貴しと為す
富は是れ一生の財
身滅すれば即ち共に滅す
智は是れ万代の財
命終れば即ち随って行く
玉磨かざれば光無し
光無きを石瓦(いしかわら)と為す
人学ばざれば智無し
智無きを愚人と為す
倉の内の財は朽つること有り
身の内の才は朽つること無し
千両の金(こがね)を積むと雖(いえど)も
一日の学には如(し)かず
兄弟は常に合わざれば
慈悲を兄弟と為す
財物は永く存せず
才智を財物と為す