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心中天の網島     →心中天の網島🔗🔉

心中天の網島     →心中天の網島  さん上(じよう)ばっからふんごろのっころちょっころふんごろで。まてとっころわっからゆっくるたが。笠をわんがらんがらす。そらがくんぐるも。れんげれんげればっからふんごろ。妓(よね)が情(なさけ)の。底深き。是かや恋の大海を。かへも干されぬ蜆(しじみ)川。思ひ思ひの歌。心が心とゞむるは門行燈(あんどう)の文字が関。浮れぞめきのあだ浄瑠璃。役者物真似納屋(なや)端歌二階座敷の三味線(しやみせん)に。引かれて立寄る客も有り紋日遁(のが)れて顔隠し。仕過(しすご)しせじと忍び風。仲居のきよが是を見て。身を遁れが来りける。頭巾の錣(しころ)を取外し。二三度逃延びたれども。思ふおてきなれば遁さじと。飛びかゝりひったり悪洒落(わるじやれ)。ごんせと止(と)めたる女景清錣と頭巾。つい踏みかぶる客も有り。橋の名さへも梅桜花をそろへし其の中に。南の風呂の浴衣より今此の新地に恋衣。紀伊国屋の小春とは。此の十月にあだし名を。世に残せとのしるしかや。今宵は誰(たれ)か。呼子鳥。おぼつかなくも行燈(あんど)の陰行違ふ妓(よね)の立帰り。ヤ小春様か何(なん)といの。互に一座も打絶え。貴面(きめん)ならねば便も聞かず気色(きしよく)が悪いか。顔も細り窶(やつ)れさんした。誰やらが咄で聞けば紙治様ゆゑ。内からたんと客の吟味に逢はんして。どこへもむさとは送らぬの。いや太兵衛様に請出され。在所とやら伊丹とやらへ行かんす筈とも聞及ぶ。どうでござりやすといひければ。アヽもう伊丹々々というて下んすな。それで痛入るわいな。

広辞苑 ページ 24068 での心中天の網島     →心中天の網島単語。